最新の観測技術の発達により次々に発見されている太陽系外惑星たち。
その中で、地球に似たサイズの惑星も数十個は見つかっていますが、今回もまた新しく地球に似た惑星が見つかり話題になっています。
しかもそれは、2018年に運用を終了したNASAのケプラー宇宙望遠鏡よりもたらされたモノで、さらにその惑星は地球とほぼ同サイズの惑星である事も判明しています。
この発見によりまたひとつ、生命生存の可能性がある惑星が加わったワケですが、ただ生命がそこに居るかどうかについては「赤色矮星」というワードが邪魔をしそうな気もします。

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ケプラー宇宙望遠鏡のデータ再確認で見つかった埋もれていた系外惑星

今回発見された系外惑星は、2009年~2018年まで運用され数多くの系外惑星の発見に貢献した「ケプラー宇宙望遠鏡」の観測データからもたらされたモノで非常に興味深い発見となっています。
それは「はくちょう座」の方向、約300光年先に存在する赤色矮星「ケプラー1649」の観測データを再確認していたところ、この恒星を公転する惑星が地球に非常に近い特性を持っている事が判明。

その惑星は2つあり「ケプラー1649b」と「ケプラー1649c」。
「ケプラー1649b」の大きさは地球の約1.02倍。
「ケプラー1649c」の大きさは地球の約1.06倍。
と2つともに地球とほぼ同じサイズの惑星といっていいほど似ています。

「Image Credit:NASA」
しかし、ケプラー1649bは主星であるケプラー1649により近い距離で公転しているため、生命が育まれる条件のハビタブルゾーンの内側に位置するため、おそらくは生命生存の期待は薄いと思われていますが、ケプラー1649bより外側を公転するケプラー1649cは、ばっちりハビタブルゾーンの範囲内で公転している事が判明しています。
つまり、ハビタブルゾーンに位置してる惑星ケプラー1649cは、条件が揃えば表面に液体の水が存在し、また大気の存在が確認出来れば生命生存の可能性が一気に高まる事になります。

惑星ケプラー1649cの生命が存在する確率は?

観測チームの研究では、惑星ケプラー1649cにもし地球と同じような大気と水が存在していた場合、平衡温度は摂氏マイナス59~19度と地球の摂氏マイナス18~15度にとても近い値を示しており、条件次第ではケプラー1649cは温室効果によって適度な気温が保たれ、十分生命が生存出来る環境が整っている可能性があるのです。


「Copyright ©:Mr Scientific All rights reserved.」
また、ケプラー1649cが主星であるケプラー1649から受ける光の量は、地球が受ける太陽光の75%と非常に近い事が判明しており、もしこの惑星に地球と同じような大気が存在した場合、生命生存の可能性も高まって来ます。

生命存在の可能性の懸念材料は赤色矮星

これまでの系外惑星探査で発見されている惑星のほとんどが、私たちの太陽より遥かに質量の小さい赤色矮星で見つかっていますが、私たちの太陽の表面温度が約6,000度あるのに対し、赤色矮星の表面温度は2,000~3,500度と低温で、そのため赤色矮星のハビタブルゾーンは非常に恒星に近く、太陽系のハビタブルゾーンに位置する地球が約365日で公転しているのに対し、ケプラー1649cはわずか約19.5日で公転しており、この事は、赤色矮星を公転する惑星の生物生存には厳しい環境の可能性がある事を意味しています。
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潮汐ロック状態である可能性が高い

私たちの地球は約24時間かけて自転しており、昼と夜が交互にやって来ています。
しかし、余り主星(太陽)に近過ぎると自転にも大きな影響が出て来る可能性があり、それは主星の引力の影響を受けてしまい、惑星の片面が同じ方向を向いてしまう事であり、具体的に言うと地球と月の関係がそれです。

月は地球の引力の影響を強く受けているため、常に同じ面を地球に向けています。これを「自転と公転の同期現象」または「潮汐ロック」と呼び、月の主星が惑星である地球ならそれほど大きな問題はありませんが、ケプラー1649cの主星は恒星ケプラー1649です。つまり、いくら水が液体の状態を保てるハビタブルゾーンであったとしても片方が常に太陽の光と熱に晒され、一方の面は永遠の闇に閉ざされた極寒の世界となり生物が暮らすには厳しい環境になってしまう可能性があります。
そんなケプラー1649cもまた主星に近過ぎるため、潮汐ロックの状態である事が考えられます。

太陽フレアの悪影響を受けている?!

「赤色矮星」の多くは活動が活発で、頻繁に表面爆発の太陽フレアを起こしている事が知られています。

ケプラー1649cの主星も「赤色矮星」ケプラー1649なため、もし、ケプラー1649が頻繁にフレアを噴き上げていれば、距離の近い惑星に強烈な放射線や磁気嵐が降り注ぐ結果になってしまいます。

「Image Credit:NASA, ESA and D. Player」
これが生命の存在には決して良くない事は、おのずとわかってしまうのではないでしょうか。

赤色矮星の光は弱すぎる?

私たち地球は太陽からやって来る暖かい熱と光~黄色を中心とした可視光が届いています。
しかし、赤色矮星の場合その光は弱く~赤い光が主体の赤外線に近い事が想定され、もしそこに生物がいたとしても地球上の生物とは異なる可能性があり、将来人類がその星に移住しようとしても環境が異なるため生活する事は厳しいかも知れません。

「Image Credit:ケプラー1649cの表面の想像図(NASA/Ames Research Center/Daniel Rutter via Gizmodo USより)」

遥か遠いところにある系外惑星はどうやって見つけるの?

地球に似た惑星ケプラー1649cは、地球から300光年も離れたところにあります。
そんな遠い場所にある小さな天体をどうやって見つけるのでしょうか?

見つけ方については現段階では3つの観測方法があり、1つは望遠鏡等を使って直接見つける方法。
2つめは、惑星が引力で主星の恒星を引っ張る事で発生するわずかな揺れを観測する「ドップラー分光法」。
そして、今もっとも有効だと言われているのが、公転する惑星が恒星の前を横切り、恒星の光を一時的に遮断する事で起きる光の強弱を観測する事で惑星を見つける「トランジット分光法」という手法です。
◆「トランジット法の解説動画」


「Copyright ©:ESA Science & Technology All rights reserved.」
惑星ケプラー1649cもこの方法で見つかっており、トランジット分光法なら発見するだけではなく、惑星の大きさや質量、密度、大気の有無・組成までも観測が出来るのです。
ただ、詳しく調べる事が出来るトランジット分光法にも欠点があり、惑星が恒星を横切る軌道を持っていないと観測は出来ず、また惑星が恒星の前を横切ったとしても光の強弱が判別しにくいと観測が困難。
つまり、主星と惑星の距離がある程度離れている太陽と地球のような天体では、トランジット分光法での観測は適さないと言えます。
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