ガンダムのスペースコロニーは実現可能?人口増加による科学的懸念

人気アニメ「機動戦士ガンダム」をご存じの人も多いかと思います。

このアニメの世界には、人類が宇宙に居住空間を実現したスペースコロニーという巨大な人工の大地が登場します。

多分、多くの人はスペースコロニーを、アニメの世界だけの荒唐無稽なSFが生んだ産物だと思っているのではないでしょうか?

しかし、これは科学的根拠に基づいた立派な人類工学の未来を描いたモノなのです。

となると、このスペースコロニーは、もしかしたら実現可能になるかも知れません。本当なのでしょうか?



機動戦士ガンダムの現実的とリンクした時代背景

機動戦士ガンダムは空想世界のロボットアニメでありながらも、リアルに人類の未来を想定した戦争アニメでもあります。

このアニメのリアル設定で素晴らしいところは、人類の未来を予想した上でしっかり時代設定をしているところで、決して単なる夢の未来像を描いているワケではないというところです。

そんな設定の根本にあるのが、人類の爆発的な人口増加にあります。

現実では(2022年現在)世界人口は既に80億人に到達しようとしており、今後もさらに増加しつつあります。

この人口増加は異常とも言え、わずか100年足らずで50億人以上も増加していて、このまま行くと50年も経たずして100億人を超えると試算されています。

この人口増加がこのまま進むとどうなるのか?

それはつまり、環境破壊、食糧不足、貧富の極端な格差まど経済の混乱を招く可能性が高くなるという事になるでしょう。

このような状況を懸念した上で、ガンダムの世界は創られています。

人口の爆発的な増加により飽和状態となった地球。
となれば、人口を分散すべく地球以外の新天地を求めて行かなくてはなりません。

それで発想されたのが、宇宙空間に人工の大地を造り、そこに人々を移住させるというスペースコロニーです。

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何故スペースコロニーなのか?

増えすぎた人口を地球の外に分散させるなら、月や火星など他の天体に移せば良いのでは?と考えるかも知れません。

しかし、月や火星などで人間が長期間生活することは不可能です。

その理由は重力にあり、月は地球の6分の1、火星は3分の1しか重力がありません。

このような低重力下で人間が長期間生活すると、筋力はおろか全てにおいて人体の機能が著しく低下します。

つまり、人間は地球と同じ1Gの重力下でしか生きて行けないということになるのです。

そこで生まれたのがスペースコロニーという人工の大地の発想。

ガンダムの世界では、巨大なシリンダー状(円筒)の建造部を回転させて遠心力を発生させる。

遠心力によって発生した疑似的重力により円筒部の内壁に人の住める空間を確保するというモノ。
これによって地球上と同じ1Gの重力下で生活出来るようになります。


「Image Credit:Wikipedia」

スペースコロニーを建造する場所も天体力学の根拠のもとで

ガンダムではスペースコロニーを建造する場所も科学的な根拠に基づいて創られています。

それは「ラグランジュ・ポイント」という地点で、ここは地球と月の重力の均衡が取れている場所になります。

この地点に衛星などの人工物を配置すると、重力が安定し軌道が外れにくくなるということです。


「Image Credit:Wikipedia」

スペースコロニーは科学者が実際に提唱している建造物

ガンダムのスペースコロニーは、アニメが生み出した想像上の建造物ではありません。

これは1969年にアメリカのプリンストン大学ジェラルド・オニール教授らによって提唱された「オニール計画」と呼ばれる、科学的根拠に基づいて発案されたモノなのです。

これによると、直径6キロのシリンダーを毎分1分50秒で回転させれば、地球上と同じ1Gの重力を発生させることが出来るというモノで、ガンダムでも直径6キロ、長さ40キロのシリンダー型スペースコロニーを建造し、内壁部には巨大な居住空間が広がり、約1,000万人もの人が住むことが出来る人工大地を作ることが出来るとされています。

またこの計画では巨大な建造物を作るためには、月や小惑星から材料を調達すれば、建造コストもかなり抑える事が出来るとあります。

ガンダムで登場するソロモンやア・バオア・クーなどの宇宙基地(要塞)もまた、スペースコロニー建造に用いた小惑星の残骸であるの設定があり、これもまたリアルな考えの基に登場した要塞なのではないでしょうか。

スペースコロニーは実現可能なのか?

問題のスペースコロニー建設の現実性。
果たして本当に作れるのでしょうか?

これを実現出来る時代が来るとすれば、まだかなり先の話となるでしょうが、一部には実現不可能という声もあり両論に分かれています。

実現不可能という声を挙げている側は、そもそも巨大な居住施設を宇宙空間に建造するということ事態に無理があり、建造するに当たっても莫大な費用もかかり、人を住まわせるだけの強度のある施設は作れないという考えを持っているようです。

一方、実現可能という側は、月面や小惑星を開拓出来る技術力がついた未来の人類なら可能であるとし、スペースコロニーの強度についても、大地となるスペースコロニーの壁を20メートル以上の厚みをつければ十分な強度となると考えています。

いづれにせよ、このまま人口増加が進むと地球は大変な事態になることは目に見えています。

となると、本当に人類を宇宙に移住させなくてはならない時代が来るのか?

移住させるとなると、どんな方法を取ることになるのか?

それは近い将来に、SFやアニメの世界として夢物語として語るような状況では無くなることが予想されます。