地球から最も近い惑星は金星で、その次に近いのが火星です。

どちらの惑星も地球に隣接する天体で、地球と同じ表面を岩石で覆われた天体でもあり、どちらの惑星にも大気があります。

このような点から言うと、金星も火星も似通った惑星なのかも知れませんが、2つの惑星は決定的に異なる点があり、それが原因で人類の注目度は金星より火星の方に大きく偏っています。

地球とお隣り同士の金星と火星。
この2つの惑星の大きな違いとはどのようなモノなのでしょうか?




地球からみた金星と火星の距離

まず知っておきたいのは、地球からの金星と火星の距離です。

金星は、地球の内側の軌道を公転する太陽系第2惑星です。

この惑星の特徴は、とにかく地球と似ている事にあり、大きさや質量が地球と近いため、昔から金星とは姉妹星と言われて来ました。


「Image Credit:Wikipedia」

また、地球と金星は互いに太陽を公転している惑星ですので、常にお互いの距離は接近したり離れたりしていますが、最も接近した時の金星と地球の距離が約4,200万キロ。
このときは、薄暗い時間帯でも見えるくらい大きくて明るく輝いています。


「Image Credit:明け方の空に明るく輝く金星(明けの明星)(日本気象協会Tenki.jp

一方、火星は第4惑星で地球の外側の軌道を公転する惑星です。

その距離は地球に最も近い時で約5,800万キロ。
こちらもかなり地球と近いですが、金星ほど近いとは言えない距離間です。

このように、距離だけで言うと、人類がより注目するのは最も近い距離にある金星なのか?とも思いますが、実際は、より注目し重要視しているのは火星で、無人探査機も金星以上に送り、今後有人探査や移住計画も火星にはあるくらい期待高まる惑星だとも言えます。

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何故、地球に近いのに金星は注目度が低いのか?

金星は地球に良く似た惑星であり、またほぼ同時期に誕生したと考えられています。

となれば、金星に大きな注目を集めても良いハズではないでしょうか?
しかし、現実はそうではなく、今のところは無人探査は行っても有人探査を行う計画はありません。

つまり、言い方を変えれば金星には、それほどの魅力はないとも言えるのかも知れません。

もちろんそれは、火星に比べたら金星の注目度は劣るという考えのもとですので、決して金星が探査の対象になっていないワケではありませんが、もしどちらかの惑星に生命の痕跡が期待出来るのであれば、圧倒的に火星の方に分がある。それが、火星の方に注目が集まる理由となっています。

では、火星よりも地球に近い金星に何故、生命の痕跡が期待出来ないのでしょうか?

超過酷な金星の環境「大気」

金星には地球と同じように大気が存在します。


「Image Credit:厚い大気で覆われた金星(Wikipediaより)」

しかし、その大気のほとんどが二酸化炭素で、大気中には硫酸の粒でできた雲が何kmもの厚さで広がっていて太陽光を遮り、スーパーローテーションと呼ばれる猛烈な強風(秒速100m)が吹き荒れています。

超過酷な金星の環境「地表」

金星の厚い大気の影響で強烈な温室効果が働き、地表の温度は摂氏500度近い高温となっています。

また地表の気圧も高く90気圧。これを地球の環境で例えると水深900メートルに相当します。

この気圧では人は金星の地表に立つことは出来ず押し潰されてしまうでしょう。

このような過酷な環境から金星に対する注目度は低く、莫大な費用をかけてまで有人探査を行う意義が問われる可能性があるかも知れません。


「Image Credit:金星の地表想像図(ESA/Christophe Carreauより)」

ただ、金星には調査しなければならない謎が多いのも事実です。

例えば、何故、地球に似ている金星がこれほどまでに地球とは異なる過酷な環境なのか?

さらには、スーパーローテーションのメカニズムもまだ謎に包まれていますので、今後も無人機による探査は継続して行われていくものと思われます。

火星に注目が集まる理由

地球からは金星よりも遠い火星。

また、大きさが地球と近い金星に比べると火星は地球の半分ほどの大きさしかありませんし、質量も地球の10分の1程しかありません。


「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」

そんな火星ですが、多くの無人探査機が送り込まれ数々の調査が行われていますが、この惑星については今後有人探査や移住計画、さらには火星を地球と同じような環境に作り変えるテラフォーミング計画もあると噂されるほど注目が集まっています。

「Copyright ©:NASA Jet Propulsion Laboratory All rights reserved.」

人類が金星より火星に注目する理由。
それは、火星に水が存在することと希薄ながら大気も存在することが大きな注目点です。

さらに、生命の痕跡がある可能性も捨てきれないのも探査が行われる理由になっています。

このような理由等から、火星に人類が住める居住空間を作り定住出来る可能性もあり、第2の地球として利用出来るのではないか?との考えもあるのです。


本当に火星に住むことが出来るのか?

有人火星探査はもとより、火星移住計画は本気で構想が練られており、近い将来本当に移住者を火星に送るかも知れません。

参考記事:【人類火星移住計画「マーズワン」】

しかし、火星に大気があると言ってもほんの微量で、宇宙服を脱いで生身にはとてもなれませんし、気温もマイナス50度前後と超極寒の世界。

何より、火星の重力は地球の3分の1程度しかありませんので、このような環境で人類が長く暮らせるか?は非常に疑問です。

今後もし、火星移住計画が実行に移されるとなった場合、移住者は相当の覚悟を決めて火星に行くことになるでしょう。


「Image Credit:GYAO!-Yahoo! JAPAN」

最後に・・・

地球を挟んで公転する2つの惑星~金星と火星。

一方は灼熱地獄で、もう一方は極寒世界。

地球に隣り合った惑星がこのような過酷環境であることを考えたら、いかに地球が奇跡的で素晴らしい環境なのかがわかります。

そんな奇跡の星・地球を今、我々人類は環境を破壊しつつあります。

現状を見る限り、おそらく地球環境を壊している人類は、地球環境が奇跡的に創られた世界であることを理解出来ずに破壊を続けているのではないでしょうか?

その事を反省し改善するためにも、生物の住めない金星や火星の現状をしっかり知るべきで、もしこのまま環境破壊を続けたら取り返しのつなかいことになることも、人類全体に周知させることも必要なのかも知れません。