火星には希薄ながらも大気や水もあり、生命存在の可能性などの期待から、頻繁に探査が行われている注目の惑星ですが、そんな火星には、あまり知られていないかも知れません衛星も存在します。

それがフォボスダイモスという2つの衛星です。

この火星の2つの衛星は、私たちにとって身近な衛星・月とは基本的に異なっており、言わば特異な存在と言えるかも知れません。

今回はこの火星の衛星・フォボスとダイモスに焦点を当ててみたいと思います。



火星の衛星の起源

火星には2つの衛星フォボスとダイモスが存在します。

しかし、衛星とは言えどちらも非常に小型で、地球の衛星である月のような球形の形状はしておらず、岩の塊のような歪な形状をしています。

この2つの衛星の起源は、一説では火星と木星の間の軌道に存在する、無数の小惑星が集中する小惑星帯(アステロイドベルト)にあるともされ、この中の2つの小惑星が火星の重力に引かれ衛星となったものと推測されてます。


「Image Credit:宇宙情報センター」

また、この2つの衛星は公転運動もそれぞれ異なり、火星の地上から見るとフォボスは西から昇って東に沈み、ダイモスは東から昇って西に沈むという逆の公転運動をとっています。

その原因は、この2つの衛星が火星の重力に捕らわれた経緯がそれぞれ違うからだとも考えられています。

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第一衛星「フォボス」とは

火星の最も内側を周る第一衛星・フォボスは火星の衛星軌道上のかなり低い高度で公転しています。

その火星との距離、わずか6,000キロ。

大きさも球形ではないので正確な直径は測れませんが、平均すると22キロ程度の大きさだと言います。

● 参考動画:「アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」が2022年4月2日に撮影した、衛星・フォボスが太陽の前を通過する”火星の日食”映像です」

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このフォボスの最大の特徴は、衛星としては火星の上空を低い高度で周回していることで、その影響で火星の潮汐力を強く受け少しずつ崩壊も始まっており、また火星の引力に引かれ約50年に1メートル程度ほど火星に落下しつつあるといいます。

そして今後(数千万年後)フォボスに待つ運命は、火星に落下するかバラバラに崩壊し、その破片で火星を取り巻く”環”になるのでは?と推測されるそうです。


「Image Credit:Wikipedia」

第二衛星「ダイモス」とは

ダイモスはフォボスの外側を周る第二衛星。

火星からの平均距離は比較的遠く約2.3万キロ。
大きさもフォボスの半分程度で平均12.5キロです。


「Image Credit:Wikipedia」

ダイモスは火星から離れていることもあり、また、その公転軌道と火星の重力ではダイモスを長く衛星として留めておく事は難しいため、火星に落下しつつあるフォボスとは対象に、ダイモスは今後火星の衛星軌道から離れていく運命にあるといいます。

過去に行われた火星の衛星探査

火星探査に伴い、母星の火星に最も近いフォボスにも探査の目が向かったことがあります。

その探査を行ったのが1988年に旧ソビエト連邦が打ち上げた火星探査機・フォボス1号と2号。

しかし、この2機の探査機ともに途中で交信が途絶え失敗。

その後もフォボスには探査の目が向けられましたが、未だ詳細な探査は実現していないようです。

衛星とは言え、小さな岩塊のフォボス。

探査の目が向けられる理由は、この星からわずかな水蒸気と思われる気体が噴出していることが確認されているため、この星に生命誕生の起源の謎が隠されている可能性もあるとして、探査の価値のある天体として注目されているようです。