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人類初の大偉業を成し遂げたのにも関わらず、世間ではそれほど大きな話題になっていないのでしょうか?ちょっと忘れられた感のある土星の衛星・タイタンへの無人探査機着陸成功の快挙。

土星探査機・カッシーニから投下された、ESAの小型探査機「ホイヘンス・プローブ」がタイタンの地表に軟着陸したのは2005年の事で、この成功により、これまで謎に包まれていたタイタンの姿のデータを取り、鮮明に写真に収めたのはもちろんカッシーニとホイヘンスがはじめての事でした。
そんなカッシーニとホイヘンスが撮影した画像が、着陸成功から10年以上を経て改めてスゴい!?と話題を集めているようです。
それはまるで、地球の風景と見間違うほどとか?
ここでは、そんなタイタンの画像をいくつか集めてみました。

濃い大気を持つ唯一の衛星・タイタン

太陽系で、明確に大気を持つ地球型の天体は4つ。地球・金星・火星、そして唯一の衛星である土星の衛星・タイタンです。
(補足:他にも冥王星や木星の衛星イオ、海王星のトリトン等もありますが大気は極微量です。)

「Image Credit:NASA」
タイタンの大気は、地球の大気と成分は異なりますが、地球の大気以上に濃い大気に覆われており表面気圧は地球の約1.5倍もあります。
そのため、土星の衛星という太陽から遠く離れた極寒の地にも関わらず、もしかしたら生命がいるのでは?と期待されて来ました。

そんな探査目的もあり、2005年にアメリカ航空宇宙局 (NASA) と欧州宇宙機関 (ESA) が共同開発した土星探査機カッシーニから、タイタンの地表に向け投下された小型探査機ホイヘンス・プローブによって、タイタンの素顔が明らかにされました。

「Image Credit:タイタンの地表に軟着陸したホイヘンス・プローブの想像図(ESAより)」

タイタンとはどんな天体?

タイタンは土星の第6衛星で、その大きさは地球の衛星・月(直径:3,474キロ)よりも、さらには惑星である水星(4,879キロ)よりも大きく、直径5,510キロにも及ぶ太陽系で2番目に大きな衛星として知られています。(ちなみに1位は木星の衛星・ガニメデ:直径5,622キロ)

その特徴は、なんといっても分厚い大気であり、大気成分はほとんどを窒素が締め97%。(地球は窒素78%)他をメタンや二酸化炭素が大気を構成しており大気圧は地球の約1.5倍あります。
しかし、大気圧が地球の1.5倍でも、地球の半分以下の大きさしかないタイタンの単位表面積は地球の大気の10にも相当するため、地表の大気はかなり密度が濃くそのため全体的に澱んで湿った大気で覆われているモノと思われます。
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タイタンに着陸した探査機のミッションとは?

2005年1月に見事タイタンの地表に着陸を成功させた小型探査機・ホイヘンス・プローブ。
ホイヘンスが収集したタイタンのデータは、土星軌道を飛ぶ本体・カッシーニを介して地球に送られ、これまで見たことの無いタイタンの姿が浮き彫りになりました。

この時、ホイヘンスが行ったミッションは、タイタンの地表の画像撮影、大気分析、風速測定、さらには大気があるためタイタン表面を吹く風の音も録音され、これが全世界に驚きを持って公開されました。

●参考サイト:【Sounds of Titan(ESA)】
※ タイタンの音声データを聴くには、上記ESAホームページ内にあるFile1:acoustic during descentというリンクをクリックして下さい。

「Copyright ©:NASA Jet Propulsion Laboratory All rights reserved.」

探査機によってもたらされた衛星・タイタンの真実

太陽から約15億キロも離れた場所にある土星の衛星タイタンは、地球のように太陽から受ける恩恵は少なく非常に冷たい超極寒の世界です。
その地表温度は、マイナス170度以下で、いくら厚い大気があったとしても、とても生命など住める環境ではないことは素人でも予想が出来るのではないでしょうか?

実際、探査機・カッシーニやホイヘンス・プローブもこの過酷な環境を観測していますが、生命の痕跡は確認する事が出来ませんでした。
しかし、タイタンでは、生命の存在しない環境だとは想像出来ないような風景が捉えられ、それは「とても地球に似ている」と話題になっているのです。

湖のある風景

超極寒のタイタンには液体の水は存在しておらず、代わりに、超低温も液体を維持できるメタンなどを含む炭化水素が湖を形成して、地表のあちこちに点在しています。

「Image Credit:タイタンの湖(NASA)

湖に流れ込む川の風景

大気のあるタイタンでは、地球に似た地形や気候も存在し、地表を風が吹き、メタンの雨が降り、川も流れていることが判明しています。

「Image Credit:リゲイア海という名前の大きな炭化水素海に流れ込む川(NASA/JPL-Caltech/ASI/Cornell)」

山脈を望む風景

山や山脈も存在し、これもまた地球に似た地形と言えます。

「Image Credit:タイタンの地形(NASA/JPL-Caltech/ASI/Cornell)」

小石が散らばる地表の風景

ホイヘンス・プローブが着陸したのはタイタンの赤道付近でした。
そこには、10~15センチ程度の小石や氷塊が散らばっているのが撮影されています。

「Image Credit:タイタンの地表(Wikipedia)」

タイタンには生命がいるのか?

地球によく似た風景が写し出された衛星・タイタン。
生命に溢れる地球環境を良く知る私たちにとって、タイタンの環境ではとても生命など存在することなどないと考えるのは当然の考え方です。
しかし、専門家たちの考え方はちょっと違うようで「地球のような環境でしか生命は存在しない。」という固定観念を持つのは間違いで、広大な宇宙ではその環境に適合した様々なタイプの生命がいてもおかしくない。という考え方を持つ事も重要であると言い、そんな考えからある専門家は、タイタンでは水や酸素の代わりに炭化水素で生きる生物もいるかも知れないという仮説を立てています。

その仮説が正しければ、もっと詳しくタイタンを調査すれば、生命の痕跡を見つけることが出来る期待も膨らむのではないでしょうか?
さらに、探査機によってもたらされたデータを解析すると、タイタンの地下には液体の水の海が存在する可能性もあるそうです。
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