地球最後の日を描くSF映画が現実になる可能性を考えてみた

先日、以前からどうしても観たかったSF映画作品をDVDレンタルして来ました。

その作品2020年公開された「グリーンランド-地球最後の2日間-」という地球壊滅レベルの巨大彗星が衝突するというSFパニック映画です。

今回は、この映画を視聴した感想を基に、映画で描かれていたような未曾有の危機は本当に起こるのか?
という視点で考えて行きたいと思います。

「グリーンランド」地球最後の2日間という映画とは?

まずは、この映画がどんな作品なのか?についてですが、

内容としては、巨大な小惑星や彗星が地球に衝突するというテーマで、これまで何度も映画化されて来た流れのSF作品だとは思います。


「画像参照:U-NEXT)」

ですが、今回の作品はこれまでと比べてもだいぶテイストが違い、観ていてとても新鮮さを感じるモノでした。

というのは、映画のサブタイトルにもなっている「地球最後の2日間」というのが大きなポイントになっている事を映画を観ながら気付かされた事です。

これまのでディープインパクトやアルマゲドンといった映画は、巨大な小惑星や彗星の地球衝突危機を決死で防ごうという人類の奮闘を描くモノでした。

しかし「グリーンランド」はそのではなく、サブタイトルにもあるように、巨大彗星が地球に衝突するという事実を全く知らない一般市民が、衝突2日前に突然知らされ、そこから生き残るためにどう行動するか?という、所謂、私たち一般人の視点からリアルに描いたパニック映画でした。

「動画参照:YouTube (プライバシー ポリシー)

この映画では、巨大彗星衝突を防ぐ人類の奮闘等一切描かれておらず、全世界が大パニックに陥り、ただ逃げ惑う人々や絶望で暴徒化した民衆、覚悟を決め運命を受け入れる人たちの様子を描いた作品で、結末はハッピーエンドではなく最悪で未曾有の大災害となったワケです。

SF映画のような未曾有の危機は実際に訪れるのか?

映画「グリーンランド」では、巨大彗星が地球に衝突するというSFストーリーでした。

しかしこれは単なる空想を描いたSF作品ではなく、実際に起こり得る危機かも知れません。

実際、過去に地球には何度も巨大天体が衝突するという危機に見舞われています。

有名なところでは、約6,500万年前に恐竜を絶滅させたと言われている巨大隕石衝突。
この時は10キロほどの大きさの隕石が衝突したのでは?と考えられています。


「画像参照:財経新聞)」

また直近では、2013年2月にロシアのチェリャビンスク州に落下した隕石も記憶に新しいところです。


「画像参照:AstroArts」

この時は地上には到達しなかったものの、20メートル級の隕石が空中で爆発し地上に被害を与えています。

つまり、大きさこそ大小の違いはありますが、地球には何度も隕石が落下しており映画のような未曾有の危機が訪れないとは限らないのです。

そして現在、地球の周りにはいつ衝突してもおかしくない小天体が無数に存在しているのも事実なのです。

地球に衝突するリスクがある無数の小惑星

下画像をご覧いただきたい。

これは、地球近傍天体研究センター(CNEOS)によって算出された、2,200個もの潜在的に地球衝突の危険性のある天体の軌道(青い線)を描いたモノです。


「画像参照:地球近傍天体研究センター(CNEOS)」

しかもこれは、人類がこれまで発見した地球近傍天体(約2万8,000個)の一部であり、それ以外にも発見されていない天体は無数に存在すると推測されています。

つまり地球は、いつ衝突してもおかしくない天体たちに囲まれているという事なのです。

もし、この中の1つでも地球に落下したとしたら大惨事は免れないという事も示唆しているのです。

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人類に巨大隕石衝突を防ぐ方法はあるのか?

仮に映画「グリーンランド」のような事態が、実際に起こったとしたら人類にそれを防ぐ方法はあるのでしょうか?

結論を先に言うと、残念ながら今の人類にはその方法はなく、映画のように運命を受け入れるしかないのが現状のようです。

しかし人類はただ運命を受け入れるのではなく、365日24時間体制で地球に衝突するリスクがある小惑星の探索と監視を行っています。

この探索と監視によって、いち早く地球に落下する天体を発見する事で、迅速な避難対応を取る事は可能です。

ですが、これだけではやはり地球への被害を避ける事は出来ないワケで、それを避けるためNASAはある実験に取り組んでいます。

NASAが計画する小惑星の軌道偏向実験

アメリカ航空宇宙局(NASA)は現在、DART(Double Asteroid Redirection Test:ダート)という計画を実施しています。

それは無人の宇宙機を対象天体に衝突させて軌道を変えるというモノ。

実際NASAは2021年11月24日に質量が500キロある宇宙機(探査機)DARTを打ち上げ、地球近傍小惑星「ディディモス」に向かっています。


「画像参照:Wikipedia」

ディディモスは二重小惑星で、直径800メートルの主星ディディモスと、それに1.18キロの距離をおいて周回する直径150メートル程の衛星ディモルフォスからなっていて、宇宙機DARTは相対速度秒速6キロで、衛星ディモルフォスに衝突し小惑星の軌道を変える実験を行います。

何故、NASAは小惑星「ディディモス」を実験目標に選んだのか?

それは、ディディモスの衛星ディモルフォスの大きさが150メートル程と小さかった事と、質量500キロ程のDARTをディモルフォスにぶつける事で、主星ディディモスとの軌道がどう変化するか?を確認するのには、丁度良い実験対象天体だった事があります。

小惑星軌道偏向実験はどう効果があるのか?

NASAが行う重さ500キロの宇宙機を秒速6キロのスピードで150メートルの目標物に衝突させる実験。

この実験でどのような成果が期待出来るのでしょうか?

おそらく500キロの質量しかない宇宙機DARTを小惑星にぶつけても破壊するまでには至らないでしょう。

しかし、NASAは衝突の衝撃で少なくとも軌道は変えられると考えています。

もし、少しでも小惑星の軌道を変える事が出来れば、今後、地球への小惑星衝突のリスクを大きく減らせる事が期待出来るのです。

仮にNASAが実験目標に選んだ150メートル程度の小惑星なら、宇宙機を衝突させる事でかなりの軌道偏向が期待出来るかも知れません。

ただ、過去に恐竜を絶滅させたと言われている10キロサイズ程の巨大な小惑星や彗星だと、宇宙機程度の物体を衝突させても軌道を変える事は不可能でしょう。

ですが、地球衝突コースにある巨大小惑星を早期に発見した場合は、この実験の成果が大きく役立つ可能性はあるのです。

地球との衝突コースにある小惑星がまだ地球から遠く離れていた場合、離れている地点で宇宙機を小惑星にぶつけて0.1度でも軌道を変える事が出来たとしたら、小惑星が地球に接近するに連れ、その軌道角度は大きく広がって行き、地球に最接近する頃には軌道が大きくズレている計算になるのです。

つまり、地球と小惑星の距離が離れてさえいれば、例え0.1度軌道偏向でも最終的には地球衝突から外れる軌道に持っていけるというのが、この実験の目的でもあるのです。