星座初心者の夏と冬の大三角の見頃や探し方と星毎の覚え方
星空を見上げても初心者の方などは、そこにどんな星座があるのか?わからない人も多いのではないでしょうか。
でも、季節毎に代表的な星座はあり、それは初心者の方でも見つけやすい星座です。
そんな代表的な星座を探すなかでも、最も探しやすく基準となる夏と冬の大三角について、少し詳しく解説してみたいと思います。
この大三角を覚えると、星座を探すことが楽しくなるか?と思いますよ。
目次
夏の大三角とは?
夏は屋外でも比較的過ごしやすく、星空を見上げやすくなる季節ではないでしょうか。そんな夏の星空で星座を探すとき、まずは夏の大三角を見つけることが出来ると、そこには夏を代表する星座があります。
夏の大三角を探すとき、南東の空を見上げるとそこに目立つ3つの星が現れます。

「画像参照:Yahoo!JAPAN きっず図鑑より」
こと座の一等星・ベガとはくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルを結んだ三角形が夏の大三角です。
と、普通は?星座の解説をしたいところですが、ここでのテーマは大三角ですので、星空の三角形を形作る星たちについて解説してみたいと思います。
こと座のベガとは?
こと座のベガについて耳馴染みが無かったとしても、七夕の”おりひめ星”と言えば聞いたことがある人は多いかと思います。ベガは我々の太陽系から比較的近い距離にあり、その距離は約25光年。
質量は太陽の約2倍ほどで、誕生してから5億年前後しか経過しておらず、そのためしっかりとした惑星系は形成されていない、惑星が生まれる前の小天体のベルトがベガの周りを取り巻いていると考えられています。

「画像参照:ベガ星系の想像図(NASA/JPL-Caltechより)」
まだ若いベガには、これから惑星が形成されて行き、いづれは太陽系のような恒星系が出来るものと考えられています。
わし座のアルタイルとは?
おりひめ星(ベガ)があるなら、ひこぼしもあるハズ!?それがわし座のアルタイルです。
アルタイルも太陽系に近く、距離は約17光年。
質量はベガよりも少し小さく、太陽の約1.8倍。
年齢も10億年未満と、こちらも若い星です。
またアルタイルは連星で、他に3の伴星を持っていることが分かっています。
はくちょう座のデネブとは?
はくちょう座のデネブは、ベガやアルタイルとは違い非常に大きな恒星で白色超巨星です。質量は太陽の20~25倍、大きさは太陽の200~300倍、光度も太陽の54,400倍以上と巨大な星。
巨大で非常に明るい星のため、距離は1,500~3,000光年も離れていますが、近距離のベガやアルタイルと並び、夏の大三角の一角をなす星として君臨しています。

「画像参照:デネブ(coraskywalkerより)」
ちなみに、デネブの年齢はベガやアルタイルよりも遥かに若く200~300万年程度だと考えられており、質量の重い白色超巨星が故に膨大なエネルギーを放出し続けて、寿命も短く数千万年程度で燃え尽き、いづれは超新星爆発を起こし、中性子星かブラックホールになる末路を迎えるものと考えられています。
夏の大三角が見つかれば天の川が見れる!
七夕の神話の主役の織姫と彦星と言えば、二人の間を分断する天の川が流れています。つまり、ベガ(織姫)とアルタイル(彦星)が見つかれば、そこに壮大な天の川銀河の広がりも楽しむことが出来るでしょう。

「画像参照:Wikipedia」
冬の大三角とは?
夏の大三角に続いては冬の大三角について解説。冬の大三角は夏のそれより有名で、寒い冬ですが澄んだ南東の夜空にハッキリと見ることが出来ます。

「画像参照:Yahoo!JAPAN きっず図鑑より」
冬の大三角を形作る星は、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、そしておおいぬ座のシリウスの3つです。
オリオン座のベテルギウスとは?
オリオン座の1等星・ベテルギウスは、今最も注目される恒星かも知れません。というのは、このベテウギウスは今まさに恒星としての一生を終えようとしているからです。
ベテルギウスまでの距離は約640光年。
年齢は約2000年ほどと考えられていますが、質量が太陽の約20倍もある巨星のため、恒星としての代謝でもある熱核融合反応の速度も非常に速く、もうすぐ”燃え尽きよう”としてしています。
核融合反応が終焉を迎えつつあるベテルギウスは、膨張を続けており、不安定な赤色超巨星に変貌。
その大きさは、半径6億キロにも達していると推定されています。
ちなみに、半径6億キロは太陽から木星軌道を飲み込むほどで、とてつもない大きさに成長しています。

恒星として寿命を終えたベテルギウスに待つ運命。
それは、周辺の星々を巻き込むような巨大な爆発を起こす超新星爆発が待っていると考えられています。
専門家の見解によると、このベテルギウスの超新星爆発はいつ起こってもおかしくない状態らしく、もし爆発が起これば、人類が経験したことのない近距離での超新星爆発となります。
それが起こった場合のシュミレーション動画がコチラ↓↓
ベテルギウスの超新星爆発。
それは、冬の星座の代表とも言えるオリオン座が永久に消滅してしまうことも意味します。
こいぬ座のプロキオンとは?
こいぬ座の1等星・プロキオンまでの距離は約11.5光年。非常に太陽系に近い距離に位置しています。
プロキオンの大きさは太陽の約2倍で、質量は約1.5倍。
比較的、太陽に似た恒星ですが、伴星を従える二連星でもあります。
またプロキオンの年齢は晩年に到達しており、1億年以内には膨張をはじめ赤色巨星に変貌すると考えられています。
おおいぬ座のシリウスとは?
おおいぬ座のシリウスは、太陽を除くと全天で一番明るく輝く恒星としても有名で、視等級は-1.46等級あります。太陽系からシリウスまでの距離は約8.5光年。
大きさは太陽の約2.5倍ですが、その割には表面温度が高く約10,000度もあるため、青白く輝く1等星として見ることが出来ます。
シリウスもまた連星を形成しており、1等星のシリウスAの傍らには、恒星として寿命を終えた白色矮星・シリウスBが存在しています。

「画像参照:Wikipedia」
夏の大三角の見頃と近くにある有名な星座
夏の大三角とは言いますが、ベガ・デネブ・アルタイルは春頃から秋まで見ることが出来ます。もちろん夏の大三角というだけあって見頃は夏。
一番良く見えるのは7月の七夕ではなく8月上旬ではないでしょうか?!
また、夏の大三角を見つけることが出来れば、この時期で代表的な星座・さそり座を探すことも簡単です。
さらに、さそり座を見つけることが出来れば、天の川銀河の中心方向も確認できます。

「画像参照:東京都青ヶ島村HPより」
天の川銀河の中心に存在するモノ。
そこには、想像を絶する巨大ブラックホールが存在するとも最新の観測で判明しています。
冬の大三角の見頃と近くにある有名な星座
冬の大三角。見え始めるのは11月中旬頃の東の空からで、3月下旬頃の西に移動するまで見ることが出来ます。冬の大三角と言えば、ベテルギウスがあるオリオン座が代表的。
オリオン座は、1等星のベテルギウスやリゲルなどの4つの星の中心付近に3つ並んだ星が特徴的ですので、星に詳しくない方でもすぐに見つけることが出来ます。

そして注目なのが、三ツ星の下にボヤッと肉眼でも見えるオリオン大星雲。
オリオン大星雲は、地球から約1,300光年の距離にあり、その大きさは20光年あります。
肉眼でも見えるほど比較的明るく見えるオリオン大星雲。
そのため双眼鏡を使うと、ハッキリと美しい姿を見ることもできます。
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