民間人で世界初となる月の周回旅行を計画している事を発表し、話題となったファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の前澤前社長。
彼が月の宇宙旅行に行く予定になっているのは2023年ですが、そんな前澤氏を乗せる宇宙船(ロケット)はスペースX社が現在開発中の超大型ロケット「BFR」です。

ところでBFRというロケットはどんなモノなのでしょうか?また、現在開発中という事ですが、2023年までに間に合うのでしょうか?
そして、一番の懸念は危険性は無いのか?ちょっと気になるところではあります。

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前澤社長の月周回旅行計画概要(スケジュール)

突然、世間に衝撃的な発表をしたZOZOTOWNの前澤前社長。
彼の仕事柄、宇宙とはまったく関係ないようですが、何故か宇宙~それも月に行くと言い出し、「これは私の人生における夢だった。とてもうれしく、興奮している」と語っています。
しかも、月に行った民間人は未だおらず、さらに日本人が初の民間月旅行者となるというからスゴい!
前澤氏は、アメリカの宇宙ベンチャー企業・スペースX社が計画している月周回旅行の最初のチケットを購入しており、チケット購入額は非公開ですが、一部報道によると700~1,000億円とも言われています。

「Image Credit:YouTube」
同氏はこの月旅行計画を「#dearMoon」プロジェクトと命名して、彼が選んだ世界的なアーティスト(画家や音楽家等)最大で8名招待して一緒に月に連れて行くと公表していますがその人選はこれからのようです。

ちなみに、彼が現在交際中(2018年現在)の剛力彩芽さんも女優というアーティストですが、現時点では月旅行に行くメンバーには入っていないとの事で、但し、剛力さん自身は宇宙に対する興味や憧れがあるようで、もしかしたら新婚旅行の行先が月になるかも?というウワサは流れているようですね。
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さて、前澤氏が計画している月旅行ですが、出発予定は2023年。
約1週間の行程で、月の周回軌道を周り地球に帰還するコースで行くとの事です。

「Image Credit:SPACEX」
月旅行のスケジュールは、上図でもあるように、まずはロケットの打ち上げ(おそらくはケネディ宇宙センター?)、約8分ほどで地球周回軌道に乗ります。
その後、地球周回軌道を離れ、月に向かう軌道に乗ります。

そして2日程で月周回軌道に突入。
月面から約200キロの高度を約30時間ほどかけて月を一周。ここで体験できるのは、地球からは絶対に見ることが出来ない月の裏側を生で見る事。

「Image Credit:月の裏側(Wikimedia Commonsより)」
さらには、月の地表から昇って来る地球~ライジング・アースの絶景も望むことが出来るでしょう。

「Image Credit:ライジング・アース(JAXA/NHKより)」
そんな80万キロにも及ぶ約1週間の宇宙旅行を楽しんだあと、地球に帰還します。
なお、”月旅行”と言っているため月面に着陸すると思っている人もいるようですが、あくまでも月軌道を周回するだけで月面着陸の計画ではありません。
もし、月面着陸となればもっと技術と費用がかかるでしょうし、危険度も倍増する事でしょう。

民間人を乗せて宇宙に行くロケットとは?

史上初の民間人を乗せて月まで行くロケットは、スペースX社が開発している大型ロケット「BFR(Bog Falcon Rocket)」。
このロケットは2017年9月から開発がはじまっており、全長約118m、最大直径約9mで、地球低軌道に最大約150トンのペイロード(積載貨物)を搭載可能な、完成すれば史上最大のロケットとなります。

また、ペイロードが最大150トンあるだけに、もしこのロケットに乗客を乗せるとなれば、100人ほどが乗れるというからかなり巨大なロケットとなるようです。

「Copyright ©:Hazegrayart All rights reserved.」
また、このBFRは月だけではなく火星を往復を視野に入れた惑星間宇宙船として設計されており、前澤氏をはじめとする民間人での月往復航行で実績を積んだ後、今度は火星に向けて打ち上げる計画だと言います。

2023年の月旅行計画は本当に実現するのか?

大々的に発表された前澤社長らによる2023年の月旅行計画。
非常に画期的で素晴らしい計画ですが、一方でこの発表を冷ややかな目で見ている人たちもいます。
(実はこの記事を書いている私もその一人なんですが・・・)

では何故、そんな目で見ているのか?
理由は大きく分けて3つあり、その一つ目がスペースX社には2018年現在で有人ロケットの打ち上げ実績が無いという事。
同社は最先端の高い技術を持っており、あのNASAからも大きな信頼を受けているのですが、にも関わらず有人ロケットの打ち上げはまだないワケで、裏返すと安心して人を乗せてロケットを打ち上げる自信がないという事にもなるかも知れません。

二つ目が、無人でも月往復航行を実現していない。
スペースX社が無事地球に帰還出来るロケットの打ち上げに成功しているのは地球低軌道の打ち上げだけです。
つまり、無人機でさえ地球と月の往復航行をしていないワケで、この状況で近々月旅行を計画するのはいささか無謀とも思えます。
そして三つ目が、そもそも2018年末には有人月旅行が実現していたハズなのに、いつのまにか計画が延期されているという事。

実は、前澤氏よりもずっと前の2017年に、匿名で宇宙旅行を希望する2名が月旅行のチケットを購入していたらしく、その2人が月に連れて行くため2018年末にロケット打ち上げが計画されていました。
延期の理由は、現在スペースX社が開発に成功し保有しているロケットでは、確実に月まで往復出来る保証がないという事で、今のところはこの計画も保留のようです。

「Image Credit:スペースXのファルコン9の打ち上げ風景(JOHN RAOUX, AP)」
いずれにせよ、2023年の月旅行実現に向けては課題が山積みで、BFRロケットの開発と乗員カプセルの設計、生命維持、大気圏再突入時の安全対策、そして実験飛行を含む運用テスト、さらには開発費用について等、これら全てをクリアするには時間が不足しているようにも感じます。

果たして本当に、2023年に史上初の民間人を乗せた月旅行は実現するのでしょうか?
今後のスペースX社の前向きな詳細発表を待ちたいモノです。
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