大質量の恒星がその一生を終え、最期を飾るときに起きる凄まじい爆発現象。
これを超新星爆発と呼ばれていますが、それは私たちが考える”爆発”とは全く違う想像を絶する大規模な天文現象です。

ところで永い太陽系の歴史の中で、地球に危険を及ぼすような超新星爆発は起こっていないのでしょうか?
さらには、これまでで最も近くで起こった超新星爆発はいつだったのでしょうか?等についていくつか調べてみました。

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超新星爆発が発生するしくみとは?

超新星は、その名のとおり突然出現して輝く新星を意味しますが、実はその正体は新しい星の誕生ではなく寿命を終えた星が最期に凄まじい爆発を起こす事で、突然、新しい星が出現したように見える現象のためこのように呼ばれています。

「Image Credit:iStock」
また、ここでいうところの星とは、地球のような惑星などでなく太陽のような自ら輝きを放つ恒星の事ですが、すべての恒星が寿命を終えると超新星爆発を起こすワケではなく、そこには恒星が持つ質量が関係し太陽の約8倍以上という大質量の恒星が大爆発を起こすとされています。

では、その爆発の仕組みはどうなっていて何故大質量の恒星のみ爆発してしまうのでしょうか?
その事について簡単にご説明すると、大質量の恒星は自らの重みに耐えきれなくなったからという事に原因があり、恒星の内部では凄まじい圧力(重力)がかかっており、そこでは物質同士が融合する核融合が起こり重力に反発する膨張の力が発生して、そこに内にかかる力と外にかかる力のバランスが取れる事によって恒星がその形状を保つ事が出来ています。

「Image Credit:Wikipedia」
しかし、核融合を発生させる燃料となる物質はいつかは尽きてしまい、その燃料が尽きた時こそが超新星爆発を起こす引き金となるのです。
つまり、核融合によって膨張する力が無くなると、これまで保てていた重力バランスが崩れ恒星そのものが持っていた内側にかかる力が暴走。これにより衝撃波が発生し大爆発を起こす事になります。


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これが超新星爆発という天文現象なのですが、この現象は決して珍しいモノではなく宇宙でこの現象は頻繁に起こっており、太陽系周辺でも過去に何度か超新星爆発が発生していると考えられています。

太陽系周辺でどれくらいの超新星爆発が起こっているのか?

太陽系からおよそ100光年以内に起こる超新星爆発を近地球超新星と呼びます。
ですが、近地球超新星は人類が誕生してから一度も起こっていないため、それがいつ起こったのか?については詳しく把握は出来ていません。
ただ、地球は近くで起こった超新星爆発を記憶しており、地質調査等を行う事で過去に起こった事例をある程度知る事が出来るそうなのです。
その地質調査によると、過去10億年以内に2回ほど地球の生態系に大きな影響を及ぼす危険な超新星爆発が起こった事が分かっており、それらは近地球超新星ではないそうですが、約200万年前にも約300光年離れた場所で超新星爆発が起こった事が判明しています。
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近くで超新星爆発が起こるとどうなるのか?

超新星爆発の威力は想像を絶し、爆発を起こす瞬間(ショックブレイクアウト)の時に放出されるエネルギーは、太陽が放出する全エネルギーの数千倍から数万倍にもなると想定されています。

「Image Credit:ショックブレイクアウトの想像図(Kavli IPMU)」
こんな凄まじい爆発に巻き込まれたらひとたまりも無い事は容易に想像が出来、爆発の規模にもよりますが爆発の衝撃波で周囲数十光年の星々は壊滅的な打撃を受けるそうです。
また、恒星がより大質量の場合、爆発からは少し離れていてもガンマ線バーストと呼ばれる閃光のような強力なガンマ線が放出され、もし地球がこのガンマ線を受けてしまった場合、大気中のオゾン層が破壊され生命の大絶滅を引き起こす惨事になってしまうとの事です。

人類が記憶する過去に起こった超新星爆発

人類史の中では近地球超新星爆発の経験はありませんが、それでも過去の観測記録(最古の観測記録)によると西暦185年に地球から約3,300光年離れた場所で超新星爆発が起こったとされています。
これは現在ケンタウルス座にある「RCW86」と呼ばれる、超新星爆発の残骸と思われる星雲として観測されています。

「Image Credit:RCW 86(Wikipediaより)」
また超新星爆発の残骸で有名なのは、地球から約7,000光年離れた場所にある「かに星雲」ではないでしょうか。
「かに星雲」になる前に起こった超新星爆発は地球では1054年に観測されており、中国では”客星”と呼ばれ、日本でも藤原定家の「明月記」等にも記録され、昼間は23日間、夜は2年間も見え続けたという歴史に残る超新星爆発現象です。

「Image Credit:かに星雲(Wikipediaより)」

人類が初めて目にするかも知れない近距離の超新星爆発

これまで人類が見たとされる超新星爆発でもっとも近かったのは西暦185年の「RCW86」だったと言う事でしたが、これが地球から約3,300光年の距離だった事に対し、それより遥かに近い530光年という場所で起こる超新星爆発に注目が集まっています。
それは、このサイトでも何度も登場した冬の星座の代表格でもあるオリオン座の一角を成す一等星・ベテルギウスの動向です。
ベテルギウスは今まさに臨界状態にあり、いつ爆発してもおかしくないと言われている超新星爆発間近の恒星だとされており、ベテルギウスは現在大きく膨張した赤色超巨星となってその大きさは太陽の1,400倍にも達するほどだと言います。

「Image Credit:赤色超巨星ベテルギウス(mail Online)
また、ベテルギウスの質量は太陽の約20倍ほどだと推測され、この質量の恒星がもし大爆発を起こした場合ガンマ線バーストが放出される事も懸念されますが、ガンマ線バーストは恒星の自転軸から放出される事が分かっており、それが正しければベテルギウスの自転軸は地球方向を向いておらず、とりあえずは危険は回避出来るとの事です。

しかし、いつ爆発してもおかしくないと言われているベテルギウスですが、いったいいつ超新星爆発を起こすのでしょうか?
それについては、残念ながら誰もわからないというのが現状で専門家の間でも意見が分かれており、
「ベテルギウスの爆発は1000年後?」
「ベテルギウスは結局爆発しないのでは?」
「ベテルギウスは既に爆発している」
と様々な見解が出ているようです。
ちなみに「ベテルギウスは既に爆発している」とは、私たちが今見ているベテルギウスは光の速さで530年かけて届いた姿の事であり、つまり、530年も過去の姿なワケですから、もしかしたら光が地球に届く530年以降に既に超新星爆発を起こしているかも知れないのです。
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