永い間謎だった、私たちの住む天の川銀河の中心には何があるのか?最新の観測研究でその謎が少しずつですが解明されて来ています。

誰も見たことがない銀河の中心について、NASAの研究チームが超高解像度で視覚化した映像が注目されています。
果たして、銀河の中心から眺めた景色はどう見えるのでしょうか?最新の研究をもとに作られた映像は胸躍るモノでした。

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銀河の中心には何があるのか?

そもそもこれまで、多くの人は知らなかったと思います。私たちの銀河(天の川銀河)の中心には何があるのか?と。

「Image Credit:地球から見える天の川銀河(iStockより)」
その謎については、つい最近になってですが判明した事があり、それは銀河の中心に存在し銀河そのものをカタチ創っているとてつもなく巨大な存在。
銀河(天の川銀河)は私たちの太陽を含め、2,000億個以上の星が約10万光年の範囲に集まって出来ています。
その星々全てをまとめ上げているモノ。それは、太陽の約400万倍もの質量を持つと考えられている天体。超大質量ブラックホールである事が明らかになっています。

「Image Credit:銀河の中心にある超大質量ブラックホールの想像図(Wikipediaより)」
そんな巨大ブラックホールに対し、私たちの地球が太陽の周りを1年かかて回っているように、太陽もまたブラックホールの周りを2億年以上もかけて回っています。
ちなみに私たちの太陽系は、銀河の中心にあるブラックホールから約2万6,000光年離れた位置にあることもわかっています。

「Image Credit:国立天文台」

銀河の中心のブラックホールの視点から見た光景を映像化

さて、ここからが今回のメインとなる銀河の中心には何があるか?を、あのNASAが製作し公開した映像です。
もちろん、銀河の中心など誰も見た事がないので、どうなっているかは基本的に想像の世界になるのですが、それでも最新の観測研究に基づいており、NASAが1999年に打ち上げたチャンドラX線観測衛星が、銀河の中心にある超大質量ブラックホールの周りのエリアを、X線で観測した詳細データをシュミレーションして映像化したモノです。

ちなみに、この映像は360度の視点で観る事が出来、視点になっているのが超大質量ブラックホール・いて座A*です。


「Copyright ©:Chandra X-ray Observatory All rights reserved.」
この映像の楽しみ方は、画面右上にあるスクロールボタンをドラッグする事で、前後・左右・上下を自由に表示する事が出来るようになっています。
また、VRゴーグルを使えば、よりリアルな映像も楽しめるとの事です。
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銀河の中心は荒れ狂った世界!?

私たちの天の川銀河に限らず多くの銀河の中心付近は、超大質量ブラックホールの周りを大量のガスと塵が取り巻く巨大な渦が存在していると考えられており、そのガスや塵を材料に質量の大きな恒星が次々と誕生し、それら大質量の星の寿命は短く数千万年から数億年で一生を終え、最期に超新星爆発を起こし新たなブラックホールが誕生していると考えられています。

このように形成されたブラックホールは、銀河中心から数十光年の狭い領域に数万個も存在していると考えられていて、これらが互いの重力で引き合い連星となり、そして合体融合を繰り返していると考えられています。

「Image Credit:チャンドラX線観測衛星が撮影した銀河中心部(NASA/CXC/SAO)」

追記:ついに直接撮影に成功した銀河中心の超大質量ブラックホール

この記事を書いていた2019年当時は考えも出来ませんでしたが、科学者たちの努力によりついに天の川銀河の中心に存在する超大質量ブラックホール「いて座A*(いてざえーすたー)の直接撮影に成功し、2022年5月に全世界に向け公開されました。
それがこの画像と動画です。

「Image Credit:直接撮影に成功した「いて座A*」(Wikipediaより)」

「Copyright ©:European Southern Observatory (ESO) All rights reserved.」
これは、国際研究グループ「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT:Event Horizon Telescope)」が、地球上8か所の電波望遠鏡を使った観測により史上初めて撮影に成功し、大きさは約6,000万キロと想定され、オレンジ色の輪郭の中止にはブラックホールの本体と思われる黒い部分(ブラックホール・シャドウ)が見て取れます。

星空を見上げて銀河の中心を探してみよう!

私たちの銀河の中心方向は単純に示すと天の川が見える方角ですが、銀河中心方向にある超大質量ブラックホール「いて座A*」はどこにあるのでしょうか?

残念ながら「いて座A*」を肉眼や市販の天体望遠鏡で観る事は出来ませんが、その方角はどこなのか?は夏の星空を眺めれば知る事は出来ます。

銀河中心の巨大ブラックホールの位置を探す目安となるのは「さそり座」と「いて座」が目印となり、「いて座」はともかく「さそり座」は夏の星座として有名ですのでスグに見つける事は可能ではないでしょうか?

「Image Credit:銀河の中心方向と「いて座A*」(NASA/UMASS/D.WANG ET AL., STSCI)」
上記画像を参照していただき、いて座とさそり座の間を流れる天の川の中に超大質量ブラックホール・いて座A*があります。

私たちの太陽系もこの「いて座A*」を中心とした銀河の渦の中にあり、そして銀河の中を巡っていると考えると夏の星空観賞も感慨深いモノになるのではないでしょうか。
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