太陽系で、地球以外に生命は存在し得る可能性はあるのでしょうか?
そんな疑問やと謎追及のため、人類は今後、本格的な地球外生命探査に乗り出す計画を立てています。
そこで探査対象の天体をいくつか選び出し、その中でも生命体の存在を期待させてくれるのが、木星のガリレオ衛星のひとつ「エウロパ」だと考えられています。
その期待の理由は、この星の地下深くには液体の海が広がり、その中に生命が存在するかも知れないというのです。

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木星は太陽から8億キロ近くも離れた遠い位置にあり、太陽からの光や熱が届きにくい冷たい領域にあります。
そんな木星の衛星であるエウロパもまた極寒の世界です。
エウロパ表面の平均温度はマイナス170度と言いますから、地球の自然界では考えられない強烈な寒さで、常識的に考えてみれば、生物など生きられない世界です。
しかし、強烈な寒さなのはエウロパ表面での事であり、その内部については別の話になります。

「Image Credit:木星の衛星・エウロパ(Wikipediaより)」

エウロパに生命がいるかもしれないその理由

以前から知られていましたがエウロパの地表は厚い氷に覆われており、その氷の下には木星の強い重力による潮汐力による摩擦で内部が熱せられ、その熱で氷が溶けて地下に海が広がっていると予想されていました。
しかし、海があるからといって、それだけではそこに生命がいるとは考えるのは早計な話ではないでしょうか。
ですが、エウロパの地下に生命が存在するかも知れないと考える理由は、氷の成分に酸素が含まれている事が判明している事で、その氷が解ければ地球の海のような状態になっていることも考えられるからです。
そしてエウロパ内部はマイナス170度といった極寒の世界ではなく、少なくとも酸素を含んだ液体水が存在するのであれば、適度な温度が維持されている可能性があり、理論上そこに生物がいてもおかしくないと考えられているのです。

「Image Credit:Wikipedia」

エウロパに生命がいるとしたらどんな生物?

地下に海が広がると考えられているエウロパ。もちろん海の上は厚い氷に覆われていますので、まったく光の届かない世界だということが想像出来ます。
そんな光の届かない世界にもし生物がいるとしたら、どのような生物でしょうか?
まず考えられるのは、非常に原始的な生物で微生物か細菌類などです。
それより大きな生物だと、目の退化した(そもそも目など無い)深海魚のような水生動物、甲殻類なども考えられます。
また、液体の海があるとしてもかなり低温ということが考えられますので、代謝率の高い大型の生物生存の可能性は低いと考えられます。
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本格的なエウロパ生物探査計画とは?

現在まだ計画段階なので、どんな方法でエウロパの厚い氷の下を調査するか?については確定しておらず、いくつか案は出ていて、そのひとつが動画サイトで公開されています。

「Copyright ©:MrAndersohn
無人探査機をエウロパの地表に着地させるのも至難の業ですが、そこから氷を溶かしながら地下に潜っていく技術は相当難しいモノがあると言います。
現在計画を練り、どのようにエウロパの海を探るかは探査機の開発を進めているそうですが、この地球外生命探査は2020年代後半から2030年代前半までには実行に移すと言いますので、もし成功しエウロパに生命を発見出来れば、当然ながら親類史上初の大発見です。
果たして、地球以外に生命が居るのか?居ないのか?それがハッキリする日はそんなに遠くない未来のようです。
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