私たち人類の科学力がどんなに進歩しても、その全貌を解明する事は出来ないほど宇宙は広大です。
そんな広大な宇宙で、文明を持つ知的生命は私たち人類だけなのでしょうか?
「いや、宇宙のどこかには人類と似たような知的生命体が居るハズだ!」と考える人は少なくなく、実際に宇宙人とのコンタクトを取るべく、地球外知的生命体探査のプロジェクトも進行しているのですが、現時点においては宇宙人とのコンタクトはおろか、その痕跡すら見つかっていません。
果たして宇宙人なんて本当に居るのでしょうか?個人的な考えも含めて考察してみました。

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現在進行中の地球外知的生命体探査

宇宙人」と聞くとSFチックでオカルト的、人によっては荒唐無稽で現実味の無い話として鼻で笑ったりもしていますが、天文学者等、宇宙を研究する人の多くは宇宙人の存在を信じており、実際に地球外知的生命体探査プロジェクトもかなり前から進行しています。

実際に行われている宇宙人探査で代表的なプロジェクトが「地球外知的生命体探査(Search for Extra Terrestrial Intelligence)通称:SETI」です。

「Image Credit:Wikipedia」
SETIで行われている地球外知的生命体探査は、世界各地にある電波望遠鏡を使って、そこで受信した電波を解析した中から地球外知的生命が送信したモノが含まれていないかを検出するというモノです。
1960年代から行われているSETIプロジェクトですが、これまで1,000個余り(2023年時点)の天体を観測したものの、残念ながらその痕跡は見つかっていません。しかし1977年8月15日。アメリカのビッグイヤー電波望遠鏡が驚きの電波信号を受信したと話題になりました。
この時受信したのは「いて座」の方角から発せられた電波で、狭い周波数帯に自然界では発せられない人工的と思われる強い信号が72秒間に渡って続き、この信号を見つけた研究者が興奮し、思わずチャートの横に「Wow!」と書いたためWow!シグナルと呼ばれる事になりました。

「Image Credit:赤い丸で囲んだ72秒間の信号にWow!と書き込んだ(Wikipediaより)」
この強い電波信号を受信したのは1回のみで、このWow!シグナルはいったい何だったのか未だ不明との事です。
でも何故、科学者たちは多額の費用を投じSETIといったようなプロジェクトを立ち上げ、本格的な地球外知的生命体探査を行っているのでしょうか?
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宇宙人が居るという確信を持つ理由は2つ!

科学者たちが「宇宙人はいる!」信じて疑わない理由は大きく分けて2つあります。

宇宙は想像を絶するほど広い!

私たちの太陽系が属する銀河(天の川銀河)には2,000個を超える太陽のような恒星があると考えられており、私たちの太陽もその中の一つに過ぎず、さらに宇宙全体(観測可能な範囲)では銀河の数も数兆個あるワケで、そんな想像を絶する程広大な宇宙において、知的生命体が居るのは太陽系の惑星の1つである地球だけというのは、普通に考えれば不自然と言えるからです。

そもそも人類も宇宙人

生命に溢れる地球は様々な奇跡的偶然が重なった上で誕生しており、私たち人類も奇跡が重なって進化を遂げここまでの文明を築いていますが、そもそも人類もまた宇宙人です。
つまり、いくら地球や人類が奇跡的に誕生し進化して来たと言っても、広い宇宙において私たち人類だけに奇跡が起こった唯一の宇宙人だと考える事もまた不自然ではないでしょうか?
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何故、人類は宇宙人とコンタクトが取れないのか?

「宇宙人は必ずどこかにいる」と科学者たち専門家をはじめ、多くの人が宇宙人の存在を信じていますが、その確たる証拠が未だに見つかっていません。
ここからは考察も含みますが、その理由を3つほど挙げてみました。

地球の近くに知的生命体はいない

20世紀末から次々に太陽系外惑星が見つかり、その中には地球に似た惑星もいくつか発見されていますが、それらの惑星に必ずしも生命がいるとは限らないのでが、SETIもまた生命がいる可能性がある惑星に電波望遠鏡向けていると思いますがその痕跡が見つかったとの報告はありません。

「Image Credit:Wallpaperbetter」
現在見つかっている太陽系外惑星は数光年~数千光年先といった、言わば地球近郊の恒星系のみです。となると、考え方によっては、人工的な電波を発する事が出来る高度な文明を持つ宇宙人は地球の近くにはいないモノと考えてもイイのかも知れません。

時間軸が人類の文明と合致しない

人類の文明が発達し人工的に電波を使えるようになったのは、わずか200年程の歴史しかありません。
この200年という時間を宇宙の時間の流れで考えると、瞬きする時間にも満たないほど一瞬であり、仮に広い宇宙のどこかに電波を使いこなせる宇宙文明があったとしても、その一瞬の時間軸の中に入る文明は相当範囲が狭まるモノと思われ、もしかしたら人類とコンタクトが取れる範囲内にいる宇宙人は皆無かも知れません。

「Image Credit:José A. Peñas/SINC」
つまり、人類の文明が繁栄している今この時、宇宙のどこかに知的生命体が居たとしても、彼らはまだ原始的な生活を送っていたり、逆に既に文明が滅んでしまったりしているかも知れないのです。

やっぱり宇宙は広過ぎる

人類は電波を利用し文明を持つ宇宙人とコンタクトを取ろうとしていますが、人工的に発する電波が届く範囲は限りがあり、広い宇宙においてその範囲はあまりにも狭いと言えるでしょう。
また、人類が高度な文明があると思われる数万光年先の惑星に、電波でメッセージを送ったとしても届くまで数万年。そしてそのメッセージを受け取って返事が返って来るまでさらに数万年かかり、その頃の地球環境は大きく変わり、もしかしたらもうその頃の地球に人類は住んでいないかも知れないのです。

「Image Credit:iStock」
となった場合、せっかくコンタクトを取ろうとして送ったメッセージも無駄になってしまうという事になるかも知れません。

それでも期待したい地球外知的生命体探査の成果

地球外知的生命体探査プロジェクトは現在も進行形で、しかも巨額を投じて大がかりな探査も行われており、SETIにおいては、今後100万個あまりの天体にアンテナを向けて文明を持つ宇宙人を探そうとしています。
このプロジェクトは、発足当時から気の遠くなるような観測時間がかかる事を想定しているとの事もあり、私たちが宇宙人とのコンタクト成功といった吉報?!を聞くのは、まだまだ先の話なのかも知れません。
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