私たちの常識では想像出来ないくらい広大過ぎる宇宙。
そんな広過ぎる宇宙を認識している多くの研究者たちは「宇宙には地球のような生命が宿る星は溢れているだろう。」と考え、同時に「人類のような知性を持つ生命体(異星人)もいるハズだ。」とも考えています。
しかし、私たち人類は未だに知性を持つ異星人とのコンタクトは取れていないどころか、原始的な地球外生命体の発見すら出来ていません。
それは何故なのでしょうか?
この疑問について、イタリアの物理学者エンリコ・フェルミ氏が指摘した「フェルミのパラドックス」を基に3つの理由を挙げてみたいと思います。

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異星人に出会えない理由①~星の環境が不安定

「宇宙には生命で満ち溢れている。」
と多くの研究者たちは考えていますが、しかし、その条件は限られていると言います。
まずそれは、生命を育もうとする星が安全な場所にある事。という考えで、例えば、近くに超新星爆発を起こすような巨大な恒星があった場合、生命を宿す天体は簡単に爆発に巻き込まれてしまいます。
また、そうでなかったとしても、隣接する恒星の悪影響を強く受けて生命が進化する環境が整わないかも知れず、恒星が密集する場所では生命が育まれる可能性は低いとされており、正にそれは太陽系がある場所に当てはまり、星が密集する銀河の中心から遠く離れた場所に太陽系があることが私たち人類の誕生に繋がっているのかも知れません。

「Image Credit:天の川銀河における太陽系の位置(国立天文台)」
また、生命が育つ環境があったとしても星自体の環境が不安定だと生命が進化することは難しい。事も考えられ、例えば、惑星にポールシフトが頻繁に起きてしまい、太陽からやって来る生命に有害な放射線を守ってくれる地磁気が安定しなかったり。環境変化が激しく温暖化や寒冷化のサイクルが大きかったり。さらには、小惑星や彗星などの衝突が多かったりと、その星が置かれている自然環境で生命の進化を妨げているかも知れません。

さらに、生命が育まれる環境下にある星であったとしても、自然環境が不安定なら生命の進化の大きな妨げになってしまい、究極の進化形である知的生命体へはたどり着かない可能性があります。
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異星人に出会えない理由②~文明が高度になると滅びてしまう

星に知的生命が誕生すれば、時間の流れとともに文明も発達して行く可能性がありますが、文明が進めば天敵も居なくなり人口も増え科学技術も発達して行く事が考えられます。
しかし、人口が増えれば星の環境も悪くなり、科学技術が発達すれば武器の発達など生命を脅かす要因も増えて来るかも知れません。
つまり、文明が高度になるに連れ自ら生活環境を悪化させ、科学のチカラで自滅の道を辿ってしまうというワケです。

これは、私たち人類を例に取って考えれば自ずとわかることかも知れません。
ただ、文明の発達が自滅の道を辿る事と比例するほど愚かなのか?はわかりませんが・・・

「Image Credit:Kendall Hoopes from Pexels」

異星人に出会えない理由③~そもそも宇宙が広過ぎる!

良くオカルト的な話の中で、地球に隣接する惑星に金星人や火星人がいう等と言う人もいたりしますが、そのような事はあり得ない話であり、太陽系で知的生命体は人類以外に存在しないという事だけはハッキリとしており、太陽系には生命の源となる恒星・太陽がひとつとその周りを回る地球を含む8つの惑星から成り立っています。
しかし、その目を太陽系から離れ銀河(天の川銀河)に向けると、それは2,000億個以上の恒星の集合体であり、2,000億個全てではなくても多く恒星は複数の惑星を従えているモノと考えられます。
また、数え切れないほどの星を持つ銀河も宇宙には何千億個と存在します。
そんな想像すらできないほど途方もない数の星の中に、知的生命体が住む星が存在しないとはとても言い切れませんし、きっと存在するに違いないと考えるのが自然な事ではないでしょうか。

「Image Credit:JAXA 宇宙情報センター」
ただ、そんな数え切れない星があったとしても宇宙は広大過ぎて、星と星の間の距離が果てしなく遠いのも事実で、実際、私たちの隣にある恒星系(プロキシマ・ケンタウリ)までの距離は光の速度で約4.2年もかかってしまうのです。
ちなみに、光の速さは秒速約30万キロで、1秒間で地球を7周半周る超高速の光でもプロキシマ・ケンタウリまでは4年以上もかかるほど遠い場所にあることになります。

「Image Credit:プロキシマ・ケンタウリを含む太陽系に近い恒星の位置図(Wikipediaより)」
残念ながら今の人類の科学力ではとても光の速さで飛ぶ宇宙船など無いワケで、現在の技術を駆使した最速の宇宙船でもプロキシマ・ケンタウリまでは20万年以上かかるとされています。

人類を基準に考えると一つの生命体の寿命は100年弱。
宇宙のどこかにいる異星人がそれを上回る寿命を持っていたとしても、寿命が尽きる間に広大過ぎる宇宙の海を渡ってお互いが接触するには現実的には考えられません。
ただ、相手(異星人)が高度な文明でも滅びずに、光の速さを飛び越えて来れる宇宙船を持っていたら別ですが、もし、そんな超高度な科学力を持つ異星人が飛来したとなればとても人類など太刀打ちできないワケで、そのような事を考えれば今のところ異星人飛来の痕跡はないようですね?!

異星人がいるとしたらどこにいるのか?

「宇宙人は必ずいる!」と信じ、観測・研究を続けている人たちは多く、地球外知的生命体探査(SETI)のそのひとつで、大規模なプロジェクトを組んで地球外知的生命体の探査を行っています。

「Image Credit:SETIプロジェクトに参加しているパークス天文台(オーストラリア)Wikipediaより」
大規模な地球外知的生命体探査にも関わらず、現時点(2018年)では、まだその痕跡すら掴めていません。
ということは、やはり異星人など居ないのか?という考えも持ってしまいますが、どこにいるかもわからない存在を広過ぎる宇宙に目や耳を傾け探しているワケですので、途方もない時間がかかる事は仕方のないことなのかも知れません。
ただ、簡単に探し出せない理由には、数光年~数十光年という近い距離にはいない可能性が高く、もっと遠い距離まで探査の範囲を広げる必要があると考えているようです。
つまり、数千~数万光年先までの距離を探す事になりますが、もしこの距離で異星人の痕跡が見つかったとしても直接コンタクトを取ることは難しいでしょう。
なにせ、電波望遠鏡が探知した痕跡も数千年以上前のモノですから、電波を使ったメッセージのやり取りだけでも何千年もかかってしまいます。
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