夏の星座と言えば、探しやすい夏の大三角やさそり座などが有名ですが、有名な星雲などが多く集まる名所と言えるのがはくちょう座の周辺です。
はくちょう座は天の川に架かる星座として知られていますが、その周辺には多くの星雲や星団が集まっていますので、条件次第では楽しい天体観測が出来おすすめです。
特に夏の夜は涼しく過ごしやすい日もありますので、天体観測にももって来いの季節だと思います。
そんな観測に適した季節は、学生さんにとっても夏休みの自由研究のひとつとしても良いのではないでしょうぁ。

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夏の大三角とはくちょう座を見つけよう!

はくちょう座を探す場合は、まず天の川を見つけるのが分かりやすいかと思います。
夏の晴れた空気の澄んだ夜。邪魔な街灯りの少ない場所に行き、よほど視力が悪くない限り南方向の夜空を見上げると誰でも簡単に天の川は見つけることは出来ます。

「Image Credit:pixabay」
天の川を見つけたら次は夏の大三角を探して下さい。
夏の大三角とは、七夕の織姫星こと「こと座」の一等星・ベガ。
七夕の彦星こと、「わし座」の一等星・アルタイル。
そして「はくちょう座」の一等星・デネブを結んだ三角形のことです。

「Image Credit:YAHOO!JAPANきっず図鑑」
つまり、夏の大三角を見つけることが出来れば、同時にはくちょう座にもたどり着けることになります。

はくちょう座周辺の名所

はくちょう座周辺の星空には星雲や星団が集まっており、有名どころの天体をいくつか紹介すると。
一等星・デネブの近くにある「北アメリカ星雲」と「ペリカン星雲」。

はくちょう座の先端(頭)近くにある「亜鈴星雲(M27)」や「球状星団(M56)」。
さらにはベガの近くにある「環状星雲(M57)」などがあります。

「Image Credit:Vixen」
これらは、いずれも市販の天体望遠鏡でも観測出来、北アメリカ星雲や亜鈴星雲、環状星雲などは、条件が良ければ双眼鏡でも確認することが出来ます。
そんな、はくちょう座周辺の名所の中で、一押し天体が「北アメリカ星雲&ペリカン星雲」です。
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観測におすすめ!北アメリカ星雲とペリカン星雲

夏の天体観測の名所の一つと言える「北アメリカ星雲」とその隣にある「ペリカン星雲」です。
北アメリカ星雲とペリカン星雲は、その形が北アメリカ大陸とペリカンに似ていることからその名が付けられた散光星雲です。
この星雲はデネブから見て北東方向に位置しており、比較的明るい天体のため双眼鏡でも見ることが出来ます。(但し、観測条件による。)

「Image Credit:AstroArts 天体写真ギャラリーよりn」
北アメリカ星雲までの距離は1,600光年から1,800光年程と推定されており、星雲の大きさは約100光年にも及ぶと考えられており、隣りにあるペリカン星雲とは、電離した水素からなる同一の星間雲の一部であり、また
、この星雲にはL935と呼ばれる暗黒星雲が存在しており、暗黒星雲は光を通さないため地球からは暗く見えています。

なお、この暗黒星雲の中では星がいくつも誕生していると推測されており、それらの質量は太陽よりも重い天体が多く、最大で太陽の400倍以上の天体が誕生していると考えられています。
星が誕生しつつある北アメリカ星雲とペリカン星雲では、数百万年後には星が集まった散開星団が誕生するものと考えられています。

天文ファンに人気の亜鈴状星雲

観測に一押しの北アメリカ星雲&ペリカン星雲ですが、他にも双眼鏡で観測出来て天文ファンに人気なのが「亜鈴状星雲(M27)」です。
亜鈴状星雲の位置は、正確にははくちょう座ではなく「こぎつね座」にあります。

「Image Credit:Wikipedia」
亜鈴星雲は、メシエ天体のひとつで鉄アレイに形状が似ていることから名付けられた惑星状星雲で、地球からの距離は約820光年。
双眼鏡でも見えますが、等級が7.6等級と暗い天体のため、初心者が観測するには少し難しいかも知れません。

ちなみに、双眼鏡でこれらの天体を観測するなら7×50~10×70の倍率のモノを選ぶと良いでしょう。
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