太陽を観測する際には、いくつもの天体ショーを観ることが出来ます。
そんな太陽が起こす天体ショーのひとつとして日食がありますが、この日食の仕組みとはどんなモノなのか?
また日食が起こる原因と皆既日食、金環日食の違いとは何なのか?
そして、今後日本で観測出来る日食はいつなのか?などについて、ここでは調べてみました。
2012年の金環日食
2012年5月21日に起きた太陽の大天体ショー「金環日食」。この金環日食は日本各地で観ることができ大きな話題となり、普段星などの天体に興味が無い人もこぞってこの天体ショーを楽しんでいたのを覚えています。
その時、こんな写真もネットに公開され「可愛いすぎる!」と話題になり、世界中に拡散されたことも記憶に新しいところです。
「Image Credit:buzzfeed」
こんな幼い子供も夢中になる日食は北海道を除く日本各地で観測出来き、月が太陽の正面にすっぽりと入り込み、太陽の輪郭だけが見えるという、まるで光のリング状態になり美しい光景を魅せてくれ、これを観測するために普段はあまり売れない日食グラスが爆発的に売れ、品薄状態になるということまで発生し一時的に日本中で日食フィーバーが起こったほどでした。
日食が起こる仕組み
日食とは、太陽と月と地球が一直線に並び太陽を月が覆い隠す自然現象のことを言います。「Image Credit:YouTube」
月は地球の周りを約1カ月かけて一周しているため、約1カ月に1度ずつ太陽と地球の間を通りますので、太陽と月と地球の位置関係は常に起きているのですが、月が地球の周りを回る軌道と、地球が太陽の周りを回る軌道が同じ面にはなく地球に月の影が映るような一直線に並ぶことはほとんどなく、いつも少しだけズレていて傾いています。
そのため月が太陽と地球の間を通過しても、いつも日食が起こるというワケではないため、非常に珍しい現象と言えるのです。
ちなみに、太陽・月・地球が一直線に並ぶ時は、1年間で2~5回程度だといいます。
皆既日食・金環日食・部分日食の違いと仕組み
太陽が見せてくれる珍しい天体ショーの日食ですが、皆既日食・金環日食・部分日食と3つの種類に分類されます。「皆既日食」は、太陽と月が完全に重なり、月の影で太陽が見えなくなってしまう現象。
最近に日本で観測出来た皆既月食は2009年7月22日で、この時の皆既日食の瞬間は、昼間なのに完全に周りが真っ暗の夜になってしまいました。
皆既日食が起こった時、その観測地点がズレた場所で日食を観ると、部分的に太陽が月に隠れてしまう「部分日食」になります。
そして金環日食は、皆既日食と同じ観測点で太陽、月、地球が一直線に並んだ中心地点で見られる現象ですが、皆既日食は完全に太陽が月の影に隠れてしまうのに対し、金環日食は太陽が完全に隠れずその外輪だけが”金の輪”のように見えるため金環日食と呼ばれます。
同じ太陽、月、地球が一直線上に並ぶのに、何故皆既日食と金環日食の差が生じてしまうのでしょうか?
その理由は、月が地球の周りを回る公転軌道にあります。
月は地球の周りを円軌道で公転しているのではなく、楕円軌道で公転しています。
その楕円軌道での、月の近地点(一番地球に近い時)で約36万3000キロの距離。
月の遠地点(一番地球に遠い時で(約40万5,000キロ)の距離です。
こうしてわかるように、皆既日食は月が近地点もしくは近地点に近い時に太陽が完全に隠れてしまって起きる。
それとは逆に金環日食は、遠地点もしくは遠地点に近い時に太陽より月が小さく見える場合に起きる現象です。
参考動画①:【皆既日食】
参考動画②:【金環日食】
今後日本で見られる日食の観測予想
2009年に皆既日食。2012年に金環日食とかなりの短い期間で、これだけの大天体ショーを日本で見ることが出来ました。それでは、次回日本で日食を見られるのはいつなのでしょうか?
次に日本で「金環日食」が観測出来るのが2030年6月1日です。
しかし、残念ながらこの金環日食は全国で観測出来るワケではなく、道南地域を除く北海道で観測することが出来るとの事です。
「皆既日食」の次回の観測予想が2035年9月2日。
これも残念ですが、全国ではなく日本では北陸・甲信越・北関東でしか見ることが出来ないとの事。
それ以降については、2041年に金環月食、2042年に皆既日食がありますが、かなり先の事ですので今はちょっと現実味がないかも知れませんね。