2018年7月31日の火星第接近は、実に15年ぶりで「スーパーマーズ」と呼ばれ大きな話題になり、普段は星に興味のない人も、この時ばかりはひと目スーパーマーズを見ようと夜空を見上げていたのではないでしょうか。
ですがそれから数年経った今、あの時のようなスーパーマーズ情報は一向に聞きません。
やはり、スーパーマーズが見れるようになるまでは、もっと長い年月を待たないといけないのでしょうか?
ここでは、次回のスーパーマーズはいつになるのか?そして肉眼観測はどれくらい可能なのか等について、いくつか調べてみました。
最接近!でも途方もなく遠い火星
2018年に話題になった地球最接近の火星を見た人は、「スーパーマーズ」と言われるからにはかなり大きく、そして明るく見えるのでは?と期待した人も多かったのではないでしょうか。と同時に、期待したような大きく見える火星ではなかったと拍子抜けした人も多かったと思います。
確かに、このとき最接近した火星は全天で最も大きく明るく見えました。
しかし、そこは最接近とは言っても数千万キロも彼方にある星であり、地球の衛星・月とはまったく次元の違う遠い場所にあるのが火星です。
2018年に接近した火星は地球との距離が5,795万キロでした。このとき、肉眼では火星がこのように↓↓見えたと思います。
「Image Credit:YouTube」
火星の大きさは地球の約半分の6,779kmで、それが5,000万キロ以上も離れた場所にあるとやはりそれほど大きく見えるワケではなく、天文に詳しくない人が夜空を見上げてもどれがスーパーマーズの火星なのか?よくわからないと思います。
実際、私の子供に「スーパーマーズを見たい!」とせがまれて「あれがスーパーマーズだよ!」と夜空を指さし教えたところ、一言「小さい!」とガッカリされました。
正直、夜空に浮かぶ他の星たちとそれほど変わらないことに、拍子抜けしたことと思います。
火星はどうやって地球に接近するのか?
今回少し残念だった?スーパーマーズ。でも、メディアなどでは「何年ぶりの最接近」と騒がれ大きく取り上げられました。そんな何年か毎に地球に最接近する火星は、どうやって地球に近づくのか?
それは、同じ太陽を公転する地球と火星の公転軌道が近づいたときに他なりません。
「Image Credit:自然科学研究機構 国立天文台」
地球の公転軌道はほぼ真円なのに対し、火星の公転軌道は少し楕円の軌道をとっており、地球と火星の公転軌道で、お互いが接近したとしても火星の公転軌道が太陽から離れていた場合は地球との距離は1億キロ以上も離れています。
そのため、火星が最も太陽に近いときに地球の公転軌道が近づけば、それが最接近ということになり、このようなタイミングはなかなかないため、接近したときは「何年ぶり!」と騒がれることになります。
そして、2016年の最接近は2014年4月に9,239万キロまで最接近してから、約2年半ぶりということになり、このときよりさらに2,000万キロ近く接近したことで、”スーパーマーズ”とまで呼ばれることになりました。
本当のスーパーマーズを見たいなら2031年以降がベスト!
2018年7月31日に地球に最接近した火星は5,759万キロの距離でした。確かに、大きな話題になっただけにここまで地球に接近する事はなかなかないでしょう。
では、2018年の時のようなスーパーマーズは、今度はいつ見られるのでしょうか?
これについては、国立天文台が今後の火星接近情報を公開してくれています。
「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
この情報を元に、今後のスーパーマーズに期待してみてはいかがでしょうか。
「Image Credit:YouTube」
上画像は、2003年に観測出来たスーパーマーズです。
このような火星は、今後も確実に見られるとの事です。期待したいですね。