今、ある動画が話題になっています。それは「SUN ON EARTH」という動画で日本語に訳すと「地球の上の太陽」。
つまり、太陽を地球に置き換えたらどうなる?といった太陽という天体の構造、仕組みを知るための教育動画です。
ですがこの動画、英語解説なのでちょっと日本人にはわかりにくいかも知れません。
そこでここでは、この動画がどのような内容なのか?簡単ではありますが解説してみたいと思います。
絶大な存在の太陽!
毎日、朝は東の空から昇り、夕方は西の空に沈んでいく太陽。この日常のサイクルを、どれくらいの人がありがたい事だと感謝しているでしょうか?
おそらく、私を含めほとんどの人が当たり前の事だからと何も感じていない事でしょう。
「Image Credit:iStock」
でもこの当たり前が私たち地球に住む生物にとって重大な事で、太陽が一瞬でもその輝きを失ったら地球の生物は生きて行くことが出来ないのも事実です。
つまり、太陽は無くてはならない絶大な存在なのです。
しかし、太陽がどうしてあのように明るく輝いていて私たちに「生」を与えてくれるのでしょうか?
この事については学校では習っているので何となくは知っているか?とは思いますが、それを肌で感じさせてくれるくらい詳しく解説しているのが、今回ご紹介する「SUN ON EARTH」という動画です。
もし太陽が地球に置き換わったら?という動画
今回ご紹介する動画は、太陽の構造を知る上でとてもためになる動画だと思います。科学教育モノだと、どこかの科学者や専門家が登場し眠くなるような難しくて堅苦しく講義をしたりしますが、この動画はそうではなくお子さんにも理解できるようアニメーションで分かりやすく解説してくれてます。
ただ、この動画は英語解説なので、もし英語がわかりにくいなら、YouTUBEには字幕機能も付いていますので、
↑↑画像右下の「設定」で日本語を選択していただき、「字幕」のアイコンをクリックすれば自動で日本語訳を表示してくれますので便利です。
この動画の解説している概要は、地球の構造と太陽が持つ4の構造を置き換えて比べてみている事で、それにより、もし太陽が地球だったらどうなるのか?と置き換え方が、普段地球に住む私たちが肌に感じるように理解できる内容になっています。
「SUN ON EARTH」動画を解説してみた
動画は、太陽の小さな欠片を地球まで運んできたらどうなるだろう?というところから始まっていますが、太陽を地球まで運ぶと言っても、そもそもが太陽と地球の構造は全く違うため、それを仮に置き換えるなら、地球の陸地(固体・solid)なら太陽はガス(gas)となり、地球の海(液体・liquid)は太陽ではプラズマ(plasma)に置き換えられます。この構造上の違いを踏まえて、地球に置き換えたらどうなるのか?以下の4の層に分けて解説しています。
1.地球の大気に相当する彩層(the chromosphere)
彩層は、太陽の一番外側にある地球に例えると、言わば大気に相当する部分でプラズマ大気層で、彩層の高さは地球がそのままスッポリと入るくらいで1万~1万2,000キロと非常に巨大です。「Image Credit:SUN ON EARTH(YouTUBE)」
温度に至っては約6,000~2万度という超高熱の場所になり、彩層の密度は非常に薄く地球の大気の100万倍も薄いため、もしそこに地球の大気を持って来たとするなら大気は彩層に一気に圧縮され、TNT爆薬12キロ分に相当する衝撃波が生まれてしまうと考えられています。
ちなみに、この衝撃波の威力を例えると、人間の骨や内臓が一瞬で破壊されるほどだとされます。
2.地球の地表に相当する光球(the photosphere)
光球は太陽の表面部分で地球の地表に相当する部分で、輝く太陽の光の部分が光球になります。太陽の表面(光球)の部分を拡大してみると、粒状班と呼ばれる小さな斑点に見える対流模様を確認することが出来ます。
この粒状班は光球上に数百万個も存在しており、見た目は小さな斑点ですが実際はとてつもなく巨大で、地球に置き換えたら一つの粒状班でもアメリカ合衆国にも匹敵するほどです。
「Image Credit:太陽表面の粒状班(NASA/SDO and the AIA, EVE, and HMI science teams.)」
光球の温度は約6,000度。また、粒状班の下には内部からの熱の対流が起こっており、この対流でガスの撹拌も行われ、熱エネルギーはTNT爆薬25キロ分に相当すると考えられています。
3.超高密度な領域・放射層(the radiative zone)
放射層では、200万度にも達する強烈な熱が発生しており、そこでは高密度に圧縮されたプラズマ粒子がひしめき合っています。「Image Credit:SUN ON EARTH(YouTUBE)」
もし、この放射層の領域を地球に持って来たとするなら超高密度なため、そこは極限の圧縮状態になってり、圧縮により原子爆弾級の大爆発が起こることが想定されます。
また、放射層はあまりにも高密度なため中心部で作られたエネルギーが光子になって、表面に出ようしてもなかなか出ることが出来ず表面に出るまで数十万年もかかるとされています。
4.熱核融合反応が起こっている中心核(the core)
太陽エネルギーの素となっているのが中心核。「Image Credit:SUN ON EARTH(YouTUBE)」
中心核の大きさは太陽全体の1%以下ですが、質量は太陽全体の3分の1を占めるほど超高密度な領域です。
この高密度な状況が引き起こすのは、水素原子同士がぶつかり合って融合しヘリウムを生成する熱核融合反応です。
「Image Credit:熱核融合反応のイメージイラスト(YouTUBEより)」
中心核は太陽全体の重さで圧縮されており、温度は摂氏1,500万度という、地球上では到底考えられない強烈な熱を発生させています。
熱核融合の威力は想像を絶するモノで、仮に地球上に一般住宅サイズの中心核があったとしたなら、半径300キロ周囲を巻き込むほどの核爆発を起こし、その衝撃波は、地球を何周も周回するほどの破壊力があると想定されるとの事です。
つまり、太陽の中心での核融合が地球で起こったら、おそらくはこの世の終わりを告げる被害が起こるという事のようです。
太陽のエネルギーは地球とは比較にならない
動画「SUN ON EARTH」では、太陽の環境を地球に持って来た場合を解説していましたが、要するに、太陽の規模・エネルギーは地球とは比較にならないほど強大だという事を表現しています。そもそも、太陽と地球の大きさからして比較のしようもなく、太陽は地球の109倍もの大きさがあります。
「Image Credit:SUN ON EARTH(YouTUBE)」
これは、あくまでも計算上による比較ですが、これにより、太陽の構造や強大さが良くわかる内容となっており、子供さんの科学の勉強にも良い動画教材ではないでしょうか?!
また、宇宙には太陽以上に巨大な恒星が数限りなく存在しており、これらまた比較するとなると壮大過ぎて想像の域を完全に超えてしまうかも知れませんね?