もう数年前になりますが「太陽系第9惑星発見か?」のニュースが世界中の話題になった事を覚えているでしょうか?
それから、あまり第9惑星の情報は聞こえて来ませんが進展はあったのでしょうか?
探索の進捗状況や発見はいつ頃になるのか?知りたいものです。
とは言っても、そもそも第9惑星って本当に存在するのでしょうか?
天文ファンにとってはとても気になるところかとは思いますが、現状で、この第9惑星存在の可能性について少し調べてみました。

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非常に信憑性の高い”説”として挙がった第9惑星の存在

「太陽系の彼方に未知の惑星が存在する!?」と大きな話題になったのが2016年初頭でしたが、その後、この話題はそれほど取り上げられていませんがどうなったのでしょうか?

この未知の惑星についての事の発端は、アメリカ・カリフォルニア工科大学の惑星科学者達が太陽系外縁部の天体の動きをコンピュータ・シミュレーションしたところ、公転周期や遠日点(太陽から最も遠ざかる軌道地点)が、何らかの大きな重力の影響を受けた軌道を取っていることが判明した事によるものでした。

この影響を与えているのが、未知の天体~いわゆる「第9惑星」プラネットナインではないか?との説を唱えたのです。

「Copyright ©:caltech All rights reserved.」
惑星科学者達の研究によると、太陽系外縁部エッジワース・カイパーベルトの複数の天体が、惑星レベルの大きな重力に作用さえている軌道を取っている形跡が見えると言い、それは地球より遥かに大きい質量を持つ天体ではないか?という事のようです。

「Image Credit:QUANTA MAGAZINE
しかもこれは非常に信憑性の高い証拠であり、このような天体に軌道に影響を与える確率は0.007%。
つまり、ほぼ間違いなく太陽系第9番惑星は実在すると自信を持った研究結果が発表されています。
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第9惑星が地球に及ぼす影響って何?

第9惑星存在の可能性~のニュースが流れた事によって、一部のネットがザワついているようですが・・・それは、根も葉もない情報を流している不特定多数の人たちであり、
「第9惑星は、地球に害を及ぼす惑星Xだ!」とか、カルトニュースに登場する架空の天体・ニビルやテュケーだ!等々。

邪悪な?天体である第9惑星が地球に接近して、人類滅亡を招くだとか?地球に衝突してしまうだとか?

何故、こんなウワサがネット上に流れるのか?不思議でなりません。
個人的な意見ではありますが、このようなウワサを真に受ける前に天文知識を少し持った良いか?と思います。

そもそも第9惑星と思われる天体は、地球から何百億キロも離れた位置にあるワケで、そんな遠くに離れた天体がどうやって地球に影響を及ぼすでしょうか?
また、惑星同士の衝突なんて太陽系創世期の乱れた時期ならともかくとして、安定したこの時代にこのような衝突なんてあり得ません。
ただ、小惑星や彗星の地球接近、衝突の危険性はありますが、決して第9惑星の影響によるモノではないでしょう。

「Image Credit:Will the world end in October?」

第9惑星はどんな天体でどこにあるのか?

第9惑星存在の可能性を指摘した研究チームによると、この未知の惑星の大きさは地球の2~4倍ほどで質量は地球の10倍ほどと推定されており、この天体が位置する場所は、元第9惑星・冥王星の遥か彼方の軌道上と思われ、その距離は太陽に最も近づくとき(近日点)でも地球と太陽の距離(約1億5,000万キロ)の200~300倍もあると考えられています。

最も離れたとき(遠日点)だと600~1,200倍という気の遠くなるような場所に存在するのでは?と推測され、その公転周期は大きな楕円を描く軌道で1万~2万年ではないか?と推測されています。

さらに、第9惑星が存在するならどんな天体なのでしょうか?
もちろん、まだ詳しくはわかっていませんが、質量が地球の10倍ほどならスーパーアース級の岩石惑星か?もしくは、天王星や海王星といったガスや岩石、氷で構成された天王星型惑星ではないか?と考えられます。

「Image Credit:地球(左)第9惑星(中央)海王星(右)(Wikipediaより)」

第9惑星の存在はいつ確定するのか?

存在を指摘されてから数年経過していますが、未だその存在は確認されていません。

何故、まだ発見出来ないのか?
その理由は、大きく分けて2つ。

1つ目が、地球から恐ろしく遠く離れているという事。
もし、第9惑星の現在の位置が近日点付近であれば多少は発見も早くなるかも知れませんが、遠日点当たりに位置していたとしたならば発見が非常に困難になる可能性があります。

2つ目は、探索目標が目に見えない惑星である事。
探している天体が、電波や光を放つ太陽のような恒星なら発見もそれほど難しくはないでしょうが、太陽から遠く離れほとんどその存在を示さない暗い天体であれば、真っ暗闇で広大な砂漠の中の1粒の黒ゴマを探すようなモノでほぼ見えないと言ってもよいかと思います。

このように第9惑星探しは、気の遠くなるような中で作業を行っており困難を極めているようです。
しかし、探索はやみくもに行っているのではなく、シュミレーションによって算出された軌道上を探していますので、おそらくはそう遠くない時期に発見され、世界中にそのニュースが流れることになるでしょう。

第9惑星探査で見つかった思わぬ大成果

現在、世界各国の天文台が第9惑星発見を目指して宇宙に望遠鏡を向けていますが、そんな中で思わぬ発見がありました。
それは、第9惑星探査のため木星方向に観測の目を向けていたところ、木星に新たな衛星が発見されたです。

それも一度に12個も!
発見された衛星はいずれも1~3キロ程度の小さな天体。
また、これらの衛星のうち9個は木星の自転方向とは逆向きの逆行衛星である事が判明。

「Image Credit:新衛星12個の軌道。緑色の軌道は衛星ウァレトゥードCARNEGIE INSTITUTION FOR SCIENCEより)」
この発見により、新たに木星の衛星として加わった12個の天体で、木星はこれで79個もの衛星を持ちこれは太陽系で最も多くの衛星保有数を誇ります。
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