覚えておられるでしょうか?
2013年12月に飛来した史上最大級と言われた大彗星「アイソン彗星」。
この彗星は世界中で話題になり、大彗星になると期待を持たせていたのですが、残念ながら壮大な彗星の天体ショーを見せることもなく、近日点を迎えた時、強大な太陽の熱と重力に耐えきれず崩壊し消滅という最悪の結末を迎えてしまいました。
期待されていただけに、とても残念な結果に終わってしまったアイソン彗星。
もし、アイソン彗星が消滅せずに無事だったら、長い尾を放ち素晴らしい輝きを放っていたハズです。
この記事でわかること
アイソン彗星は完全消滅していなかった
当時の報道では”アイソン彗星完全消滅”と言われましたが、実は完全に消滅したのではなく一部(残骸)は残ったようです。それがコチラの画像↓↓に記録されているようです。
「Image Credit:Astro Arts」
↑画像はアイソン彗星が太陽に最接近(近日点)した直後の写真です。
真ん中にあるのが太陽ですが、その上方にアイソン彗星の残骸とみられる光る物体が映し出されています。
専門家の話によると、これは彗星の核(本体)がバラバラに崩壊し、そのほとんどは蒸発してしまったと考えられますが、しかし、核の残骸と彗星から放出されたガスや塵は残り、それらが集まったものが上写真の”光る物体”だそうです。
彗星の残骸だといっても、太陽から遠ざかるに連れ輝きを増していて、本来、アイソン彗星の姿が見える頃(2013年12月上旬)には、1等級前後の明るさで明け方の東の空に見える可能性があったと言います。
つまり、アイソン彗星は生きていた?って考えてもいいのかも知れませんね。
しかし、残念ながら「一生に一度しか見れないかも?」ってほどの見え方ではなく、見晴らしの良い場所でさらに大気の状態が良い日。
具体的には2012年12月3日~6日くらいに、双眼鏡など観測アイテムを使用した上で観測すれば、筋状のアイソン彗星の名残りが見えるかも知れません。
アイソン彗星が消滅した原因
アイソン彗星が崩壊・消滅してしまった原因についてですが、最も有力な要因は、太陽に接近し過ぎたことであると言われています。アイソン彗星は太陽に最も近づいた近日点通過は、太陽表面から約117万キロ距離ありました。
117万キロといったらかなり離れた距離のように思えますが、太陽の直径が約140万キロですので、この大きさから比較すると、かなりの最近距離まで近づいたことになります。
また、太陽接近前の金星公転軌道内側に侵入したときには、既に崩壊が始まっていたことを考えると、アイソン彗星の核がモロい状態だったと想像されます。
よって、太陽最接近時の強大な熱と潮汐力に耐え切れず、崩壊。
バラバラになってしまった彗星の核が、太陽熱で蒸発してしまったと考えられます。
接近に伴い、アイソン彗星は「一生に一度しか見られないかも知れない」と言われていました。
これがどういう奇跡かと言うと、彗星は毎年数百個という数が訪れているのに対し、ほとんどは地上から肉眼で見えるほど明るく輝くことはなく、人々に知られることもなく去って行きます。
そのため、アイソン彗星のような天体ショーを見せてくれる期待が持てる彗星はほとんど無いと言えます。
でも、もしかしたら今後、その中からアイソン彗星のような超期待の彗星が突然現れるかも知れません。