人類の観測史上で、地球から最も遠い天体・冥王星の探査を行った太陽系外縁天体無人探査機「ニュー・ホライズンズ」
ニュー・ホライズンズは、未知の天体である冥王星に接近し次々に衝撃的で新事実なデータ、そして最新画像を送って来てくれました。
ここでは、ニュー・ホライズンズの探査情報で、明らかになった冥王星の事実画像をご紹介したいと思います。

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ニュー・ホライズンズが訪れた冥王星の場所とは?

冥王星は、1930年にアメリカの天文学者クライド・トンボー博士が発見した太陽系第9番目の惑星です。
ですが、冥王星が惑星だったのは2005年までした。
トンボー博士の発見以降、冥王星に似た、またはそれ以上の大きさや質量を持つ天体が次々に発見されはじめ、また惑星としては地球の衛星・月よりも小さな天体だった等、惑星の定義として冥王星は該当しないと判断され2006年以降は準惑星として分類されるようになったのです。

「Image Credit:Wikipedia」
そんな準惑星・冥王星は地球からかなり遠く、また、離心率が大きな楕円形の公転軌道を持っているため、最も太陽に近づいた近日点での地球との距離は約48億キロあり、最も太陽から離れた遠日点での地球との距離は約54億キロです。
探査機ニューホライズンズが打ち上げられた時は、冥王星は近日点に接近しており、それでも地球を飛び立ってから9年半かかって冥王星に到達しています。

「Image Credit:Astro Arts

ニュー・ホライズンズの探査目的

ニュー・ホライズンズの探査目標は、冥王星を含めたエッジワース・カイパーベルトに存在する、いくつかの太陽系外縁天体の調査をすることでした。

「Copyright ©:National Space Society All rights reserved.」
2015年7月に冥王星軌道に到達したニュー・ホライズンズは、2016年1月までに冥王星、並びにその衛星を軌道上から探査し、その後はさらに深宇宙へ進路を取り、太陽系外縁天体の探査に向かっています。
なお、冥王星探査を終えたニューホライズンズが次に向かった天体は、地球から約66億キロも彼方にある天体アコロス(2014MU69)です。

「Image Credit:NASA」
アコロスは大きさは長径31キロで、直径19キロと14キロの2つの小天体が結合した接触二重小惑星で、2019年1月1日にアコロスに最接近したニューホライズンズは、アコロスの重力を利用したスイングバイを行い、更に太陽系外縁へ進路を取って行きました。
ちなみに、小惑星・アコロスがニューホライズンズの次なる目標に選ばれた理由は、探査コースで燃料消費が少なく行ける場所にアコロスが見つかった事と、この小惑星がエッジワース・カイパーベルトでの典型的な天体であったため、調査対象としてはうってつけだった事もあったそうです。
さらに、ニュー・ホライズンズはエッジワース・カイパーベルト領域内にあるいくつかの天体をスイングバイしたのち、太陽系を離れるコースに入るとの事です。
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ニュー・ホライズンズが捉えた冥王星地表の詳細画像

冥王星探査で大きな成果をあげる事に成功したニュー・ホライズンズですが、これにより冥王星の様々な謎の詳細が明らかになりました。
今回の冥王星探査において、ニュー・ホライズンズが地球に送ってくれて来た、膨大なデータを編集した詳細な地表画像の動画が公開され話題を呼んでいます。

「Copyright ©:NASA Video All rights reserved.」
冥王星の表面は、マイナス200度以下といった超極寒の世界です。
そのため、そのほとんどが氷に覆われた世界ですが、氷の世界でも様々な顔を覗かせているのがよくわかる詳細な画像に驚きで、とても地球から50億キロも離れた天体とは思えないほどです。
そして、さらに太陽系の深部に向かっているニュー・ホライズンズ。
果たしてどんな未知のデータや画像を送ってくれるのでしょうか?とても楽しみなところです。
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