SFのアニメや映画等で良く登場する、広い宇宙空間を一気に移動するワープ航法って普通に考えれば非現実的ですよね!?
でも、そんな非現実的なワープも理論的には実現可能と言うんです。

その方法が、「ワームホール」を使って時空を飛び越えて移動する事を研究者が可能だと示唆しています。
それは量子物理学の視点で考えると理論上では実現できるらしいのです。

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時空を飛び越えるワームホールって何?

「ワームホール」という概念が生み出されたのは意外と古く20世紀前半の事で、それを説明するのは難しく、かなり長くなるので簡単に端折って解説すると。

ワームホールとは、今自分たちが居る時空の地点から遥か遠くにある同じ時空の別の場所までの2点を結ぶ事で、光速を一気に飛び越えて移動する事が出来るという、その移動する空間(通路)を「ワームホール」と呼んでいます。

「Image Credit:ワームホールの概念図(Wikipediaより)」
つまり、ワームホールとは通常の航行なら何百年、何万年もかかってしまう移動距離を飛び越える次元空間通路の”抜け穴”と呼ぶべきモノという事なのですが、それをもっとわかりやすく具体的に解説しているアニメーション動画がありますので、そちらを参考にしてみて下さい。

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そもそもワームホールは理論上の存在ですがアインシュタインの一般相対性理論を基にすると、現実世界でも存在するであろうと考えられていますが、ただ、このワームホールは非常に不安定なためそこを人間が通り抜ける事は不可能だとされて来ました。

何故ワームホール航法が理論的に可能なのか?

ワームホールを使ったワープ航法が理論的に可能!?と考えたのは、プリンストン大学の量子物理学の研究者たちで、彼らはワームホールを人間が安全に通り抜ける事が出来ると提唱しており、ただそれには、ある特殊な条件が揃わないと通り抜ける事は出来ないと言います。

その特殊な条件とは負のエネルギーとの事で、これは量子物理学の中で考え出されているエネルギーで、量子場が閉じた環に沿って広がるときに発生するのが負のエネルギーだと言い、その原理となっているのが「 カシミール効果」という現象だそうです。

この現象は粒子が通常空間で1点に集中し、このとき真空エネルギーが変換し負のエネルギーになる事でワームホールを形成すると考えられています。

「Image Credit:iStock」

ワームホールを宇宙船が安全に航法出来る方法とは?

負のエネルギーによってワームホールを形成する事は出来るとありましたが、それは量子レベルの大きさでミクロサイズの非常に小さなモノだと言います。
では、宇宙船が通れるだけの大きなワームホールは造れないのでしょうか?

そこで必要となって来るのが、宇宙を5次元の視点からとらえた「5次元宇宙理論」であり、この理論では時空を5次元でとらえ通常私たちが利用するより低いエネルギーを物理学モデルで取り入れれば、既知の物理学に強く相互作用する質量のない場を追加できるハズだといいます。
正直、素人には良くわからない考え方ですが、これにより宇宙船が通過できるほどのワームホールを造る事が出来ると理論付けており、形成されたワームホールは電荷を帯びたブラックホールに似ていると言います。
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なお、ワームホールの中は強烈な潮汐力が働いており、そこを通る宇宙船は潮汐力の弱い箇所を注意して通過しないとならず、宇宙船自体もより強固な構造で建造しないといけないと言い、また、ワームホールを通過する際に必要な宇宙船の燃料は不要で減加速は潮汐力を利用すれば可能らしく、例え1万光年を移動するとしても宇宙船に乗っている乗組員には一瞬の出来事にしか感じないと考えられています。

「Image Credit:pixabay
ただ、ワームホールを通過したとしても時間の流れを制御する事は出来ず、宇宙船が1万光年を一瞬で飛び越えたとしても、外から見た人には1万年の時間はそのまま経過している事になるそうです。
つまり、ワームホールを使って1万光年彼方の星へ行って帰って来たとしても、地球では宇宙船が往復にかけた2万年の時間が流れている事になるのです。

地球上では圧倒的な速さの光でも宇宙では鈍足の光

光の速さは圧倒的で、現時点で光の速さを上回るモノは見つかっていません。

光の速さは秒速約30万キロ。1秒間で地球を7周半も周る圧倒的な速さです。
しかし、地球上では向かうところ敵なしの圧倒的速さを誇る光でも、宇宙空間では非常に遅い存在になってしまいます。

例えば、太陽系の隣りの恒星系に行くとなった場合、光の速さでは4年以上もかかってしまいますし、その他の生命が居そうな系外惑星にたどり着くまでも非常に時間がかかり、近い場所でも何十年もかかってしまいます。
言い換えれば、光の速さを持ってしても広過ぎる宇宙では移動手段として利用する事に限界があるのです。

そこで光の速さを超えるにはどうしたらいいのか?で案として挙がって来るのがワームホールを使っての空間移動。
ただ、前記もしたようにワームホールを使っても時間の流れを変える事は出来ないようです。
という事は、SF映画みたいに、将来人類が恒星間を航行できるような時代はやって来ないということでしょうか?!
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