人類が宇宙に行くとなった場合、現実的な話として地球低軌道上が宇宙。つまり地上からせいぜい数百キロ上空を「宇宙に行った」と言っているワケで、実際には、これまで月より先に人類は足を運んだ事はありません。
ですが、最近の観測技術の発展は目覚ましく、何光年も離れた先に地球に似た太陽系外惑星も次々に発見され「移住可能!?」とまで言われています。
しかし、月に行くのがやっとの今の人類にとって、移住が出来そうな遠い惑星を見つけたからといって、現実的に行く事など出来るのでしょうか?

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これからの人類の宇宙進出は月そして火星へ

21世紀になった今日、宇宙はかつてないほど身近になっていると実感している人も多いのではないでしょうか?
とは言っても、まだまだ私たちのような一般人が宇宙に行けるハズもないのですが、最近の人類の宇宙進出のスピードを見ると、もしかしたら自分たちも宇宙に行ける日が来るかも知れないと感じているかも知れません。

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そんな21世紀、人類は再び月面を目指し、さらにその先に見据えているのは隣りの惑星である火星進出です。
月面は半世紀以上も前に実際に人類は降り立っているので経験済み。再び月面を目指してもそれほど困難な事ではないような気がしますが、それが火星となった場合まったく別の話で、月面に行くのとは桁違いに困難を極めると思います。
しかも、計画では2030年代から40年代にかけて火星に人類を送り出すとしており、いくら宇宙が身近な存在になりつつあるとしても、たった10年程度で火星に行けるモノなのでしょうか?

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火星が月に行くのとは全然違う理由の1つは、月には4~5日程度で行けるのに対し、火星に行くには半年以上かかってしまう事で、その半年で火星に行けるチャンスは、約2年に1回訪れる地球と火星が接近する時のみで、地球に還る場合も地球と火星が接近するタイミングを待たなくてはなりません。
他にも、長期間の宇宙滞在に人間が耐えられるか?
また月とは違い、大気と重力のある火星に安全に着陸し、どのようにして火星の重力を振り切り地球に還るのか?等、課題や問題は山積みで、同時に大きな危険を伴う事も容易に想像出来ます。
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太陽系外惑星を旅する日はやって来る?

今後、人類が火星進出を成功させた場合、その先にある遠い天体へと足を延ばす夢も見えて来るかも知れませんし、それは木星や土星系であったり、もっと先の太陽系外縁部まで進出するかも知れません。
また、最近では観測技術の発達により多くの太陽系外惑星が知られるようになり、中には”地球に似た惑星”もチラホラ見つかり「人類が移住可能!?」とまで期待をされる星まであるほどで、将来、人類がそれらの系外惑星を訪れる日がやって来ると本気で思っている人も増えて来ていると言います。

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しかし、太陽系外惑星に旅するには秒速30万キロという光の速度をもってしても何年もかかる距離。現在の人類が持つ最先端科学力を最大限に利用しても系外惑星はおろか、太陽系を離脱するのにも何万年もかかってしまいます。
すなわち、いくら太陽系に近い場所に人類が移住可能な系外惑星があったとしてもとても行けるハズもなく、私たちは遠くからその惑星を眺めているしかないのです。

もし星間航行が可能になる宇宙船が出来たら?

現実的に考えれば、私たち人類が広い宇宙を旅して太陽系の外へ出る事は不可能と言えるでしょう。
しかし、仮に星間航行を可能とし短期間で何光年も先まで行ける宇宙船を造れるようになった場合、移住可能な系外惑星へ行けるようになるでしょうか?

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例えば、光の速さまでには及ばなくても光の速さの何十%までは出せる宇宙船が出来たとしたらどうなるでしょう。
もちろん、そのような宇宙船があれば太陽系外惑星まで行ける可能性も出て来るでしょうが、その宇宙船はとてつもない速度で進む事になります。その速度のままで宇宙空間を進むとした場合、航路上にある小さな塵でさえも宇宙船にぶつかれば船体に致命的な損傷を与えてしまう可能性がありますし、速度が速過ぎれば障害物を避けるための航路変更もかなり難しくなる事が予想されます。

ですが、一部の科学者は将来的に人類は太陽系の外へ出られる技術を開発出来るだろうと予想はしています。ただそれが可能でも、物理的に非常に困難な状況をクリアしなくてはならないとも危惧しているようです。
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