ベテルギウスが間もなく超新星爆発を起こすと話題になって数年。未だその爆発の兆候は見られません。
ですが、もしこのベテルギウスが爆発したら地球への直接の影響はないのか?また超新星爆発による強烈なガンマ線バーストの影響はないのか?などについては気になるところです。
ここでは、ベテルギウスが超新星になろうとしている今、その爆発とはどういうものなのか?そして爆発の破壊力について等、いくつか調べてみたいと思います。
このサイトでは、何度もオリオン座の1等星であるベテルギウスについて情報をお伝えしていますが、それくらい今、ベテルギウスには注目が集まっており、その動向を世界中の天文学者が見守っています。
そもそもベテルギウスが注目される理由とは?
ベテルギウスが注目されている理由は、この天体がもう間もなく恒星としての寿命を終えようとしているためで、現在ベテルギウスは大質量恒星の最期の姿・赤色超巨星に成長していると考えられています。赤色超巨星とは、私たちの太陽より質量が重い恒星の最終段階の姿で、強力な熱核融合の影響で星全体が膨張していて行く現象です。
「Image Credit:ベテルギウスの大きさ比較図といびつな形状に膨張した実際のベテルギウス(Wikipediaより)」
この赤色超巨星は、いずれは核融合反応が停止します。しかもそう遠くない未来に・・・そうなった赤色超巨星は一気に重力崩壊を起こし、反動で凄まじい衝撃波を発生させます。
これが大質量恒星の断末魔とも呼べる超新星爆発です。
ベテルギウスのような赤色超巨星はこれまでの観測で数多く発見され、それほど珍しい天体ではないのですが、ベテルギウスの場合は最終局面を迎えており、いつ超新星爆発を起こしても不思議でない状態にあると言います。
さらにベテルギウスが注目されている理由は、我々の地球がある太陽系に比較的近いという事にあり、これが一番の問題なのかも知れません。
ベテルギウスの超新星爆発で地球への影響の心配は?
ベテルギス以外にも最終局面を迎えている天体はあります。例えば、りゅうこつ座イータ星。
この星が超新星爆発を越したのちは、ブラックホールになってしまうというくらい巨大な天体で、赤く比較的温度の低い赤色超巨星ではなく、更に巨大で高温の青色超巨星でもあります。
しかし、このりゅうこつ座イータ星は地球から約7,500光年も彼方にあるため、ベテルギウスほどは注目はされていません。
ベテルギウスは、地球から約550光年の距離があり、光の速さをもってしても550年もかかる距離なので遥か彼方にある天体という印象ですが、天文的単位で考えると決して遠くはなく、むしろ近距離と言ってもよいほどの近い距離なのです。
もし仮にこの距離で超新星爆発が起こった場合どうなるのか?
それは地球へも影響があるかも知れないと以前は考えられていましたが、最近の観測データによると地球への直接の影響はないとの事のようです。
特に、地球へ影響が起こると懸念されていたのが、超新星爆発による強力なガンマ線の放出「ガンマ線バースト」の地球直撃という事態。
このガンマ線を地球が直撃すると、地球上の生物は死滅するとされていました。
しかし観測結果により、地球はベテルギウスのガンマ線バーストの直撃コースに無いことがわかり一安心です。
ただ、ベテルギウスの超新星爆発による地球への影響は特にないようですが、激しい超新星爆発により、もしかしたら太陽が2つ出現するような異常な状況になることは想定されています。
もう既に超新星爆発を起こしているかも知れないベテルギウス
私たちが地球から見ているベテルギウスは、リアルタイムのベテルギウスではなく550年前の過去のベテルギウスです。つまり「明日にでも爆発するかも知れないベテルギウス」は、550年の間にもう既に超新星爆発を起こしていて、まだその光が地球に届いていないため確認出来ていないだけなのかも知れません。
地球から観測出来る今現在において、過去のベテルギウスとして確認出来るのは超巨大に膨張し、太陽の1000倍以上もの大きさまで成長しています。
天文学者たちもこの状態が非常に不安定だとしていますので、既に爆発してしまっているということも予想出来るのです。
そして、ベテルギウスの超新星爆発の模様が地球に届くのは明日か?550年後か?それとももっと先かは誰にもわかりません。