天の川銀河と言えば、日本では夏の夜空を彩る織姫と彦星の間を流れる星の川としても有名です。
星の川と形容されるように、地上から見ると非常に美しく見える天の川ですが、実際、この天の川って何なのか?意外と知らない人が多いのではないでしょうか。
そんな天の川銀河の事を良く知らない方の多くは、私たちもこの星の川の中に居る事もご存じではないかも知れません。
つまり、天の川銀河は私たちの太陽系が属している銀河であり、太陽系はこの銀河の周りを公転しているのです。

では、私たちにとって広大な太陽系を率いている天の川銀河はいったいどういった存在なのか?大きさや構造、そして明るく輝く天の川銀河の中心には何があるのか?基本的な情報を解説してみたいと思います。

Sponsored Link

天の川銀河とは

私たちの太陽系が属している天の川銀河は、宇宙に存在する無数の銀河のひとつです。
その構造については、私たちの地球がある太陽系そのものが銀河の中にあるため、その形状を見ることは出来ないため、長い間、どんなカタチをしていて、どんな構造なのかは想像でしか判断出来ないでいました。
そのため、天の川銀河はアンドロメダ銀河のような渦巻銀河ではないか?と想像されてきましたが、最近の研究で渦巻銀河ではなく、棒渦巻銀河が濃厚なのではないか?と考えられています。

「Image Credit:Wikipedia」
銀河は巨大な重力により大小の星々が集まった天体で、私たちの天の川銀河も約2,500億個以上の天体(恒星)の集合体であり、その大きさは約10万光年にも及ぶ巨大な渦巻き状の天体です。

「Image Credit:天の川銀河のイメージ図(Wikipediaより)」
つまりそれは、巨大な銀河の中に私たちの太陽も属している、2,500億分の1個に過ぎないという事になります。
ちなみに、お隣りの銀河のアンドロメダ銀河は天の川銀河よりさらに巨大で、5,000億個以上の集合天体だと考えられています。

「Image Credit:アンドロメダ銀河(Wikipediaより)」

太陽系は天の川銀河のどこにある?

星の集合体である銀河は、星々で光輝いており、ならば、星同士がひしめき合う密集しているのでは?とも考えられますが、実際は、私たちの太陽系周辺は星が密集しておらず、最も近いプロキシマ・ケンタウリまでは光の速さ(秒速約30万キロ)で4年以上もかかる4.22光年も離れています。
では何故、太陽系の近くには星が存在しないのか?その理由は、太陽系がある位置が、星が密集する銀河の中心からかなり離れており、オリオン腕と呼ばれる比較的星の密度が低い領域の周辺にあるためであり、この密度の低さで周りの星の影響を受けにくい独立した環境を保つことが出来たため、地球のような生命に恵まれた惑星が誕生したという説があります。

「Image Credit:NASA」
ところで、その星の密度とはどれくらいなのでしょうか?
それを身近で具体的なモノで例えるとするなら、太陽とプロキシマ・ケンタウリをそれぞれ2個のスイカに置き換えてみて、その2個のスイカを太平洋の海に浮かべたくらいが、太陽系周辺の星の密度だと考えられています。
Sponsored Link

天の川銀河の銀河を公転する太陽系

地球が太陽の周りを1年かけて公転するように、太陽もまた銀河の周りを秒速217キロという猛スピードで公転しています。
しかし、天の川銀河の大きさは約10万光年。さらに、太陽系は銀河の中心から2万6,000光年ほど離れているため、銀河を1周するのに約2億3,000万年もかかっているとの事。
つまり、星が密集して見える銀河は、とてつもなく広いという事がわかるか?と思います。

「Copyright ©:DjSadhu All rights reserved.」

銀河の中心にある謎の天体

私たちの地球は、中心に存在する巨大な重力を持つ太陽を公転しており、そして、その太陽も銀河の中心の巨大な質量を持つ謎の天体を公転しています。
人類はこれまで、その銀河の中心にある巨大な天体とはいったい何なのか?長年追い求めていましたが、ついに近年になってその正体の存在を掴む事に成功しています。
それはなんと!太陽の400万倍以上の質量を持つ、超大質量のブラックホールである事はわかったのです。
つまり、私たちは常にブラックホールの周りを回っている事になります。
そんな明らかになった天の川銀河中心の超大質量ブラックホールも、科学者たちの努力で撮影に成功しています。

「Image Credit:Wikipedia」

地球から銀河の中心が見えない理由

アンドロメダ銀河のように、私たちの天の川銀河の中心もまた明るく輝いているハズです。
しかし、その明るいハズの銀河の中心は地球から見ることは出来ず、見えるのはただ長く伸びる星の川のみ。いったい何故、銀河の中心を我々は見ることが出来ないのでしょうか?
理由は、地球と銀河の中心との間にある天体や物質などによって邪魔をされ、地球まで銀河の中心の光が届かない事にあります。
銀河の中心に迎えば向かうほど星や光を遮る暗黒物質などが多く存在します。
そのため光が遮られているのですが、逆にこれは地球にとっても良い事で、銀河の中心から発せられる有害な放射線などが遮断されていることで、地球の生命が守られているということも考えられているのです。
Sponsored Link