遠い未来の約40億年後、私たちの住む天の川銀河は大きな転機を迎えようとしています。
それは隣接する巨大銀河のアンドロメダ銀河と天の川銀河が衝突するという事。既にこの2つの銀河は少しずつ近づいて来ており、いずれはぶつかってしまうらしいのです。
ですが、最近になり驚くべき研究結果が発表され、それは銀河大衝突は40億年後ではなく既に始まっているというのです。

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40億年後に天の川銀河とアンドロメダ銀河は衝突する!?

美しい渦巻き型をしている銀河と言えばアンドロメダ銀河を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

「Image Credit:アンドロメダ銀河(Wikipediaより)」
直径22万光年とされるこの銀河は、私たちの太陽系がある天の川銀河(直径約10万光年)の2倍以上もある巨大な銀河で、その大きさ故に、地球から250万光年も離れているにも関わらず肉眼でも見えるほど。
そんなアンドロメダ銀河までの距離は、私たちからすれば、秒速30万キロで進む光でさえも250万年かかるため途方もなく遠いと感じるのですが、実は宇宙のスケールだと250万光年という距離はそれほど遠い距離ではなく、むしろ”ご近所”と言っていいほど近いのです。
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実際、隣接している天の川銀河とアンドロメダ銀河は重力で干渉し引き合っており、互いの銀河が時速約40万キロメートルという速度で接近しているとされています。
つまり、このまま行くと約40億年後にはこの2つの銀河は衝突すると見られ、最終的には融合し更に巨大な銀河へと変貌するモノと考えられています。
◆ 参考動画:銀河衝突のシュミレーションアニメ

「Copyright ©:国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト All rights reserved.」

天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突すると地球はどうなる?

40億年後に衝突すると考えられている天の川銀河とアンドロメダ銀河。となると、この時地球はどうなってしまうのか心配になったりもしますが、その事については大丈夫!と言うか、その頃の地球には人類はもちろんの事、全ての生命は姿を消しているでしょう。
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地球から生命が姿を消す!その原因となるのは銀河同士の衝突ではなく、銀河が衝突しても太陽と他の恒星が衝突する可能性はほぼ無いと考えられているため、その頃になると太陽の寿命が近づき膨張をはじめ、推測ではありますが、40億年後には太陽の直径は金星軌道ほどまで達し、地球の大気は吹き飛ばされ海も蒸発し、地上は灼熱と化してしまっていると考えられます。つまり、40億年後の地球はとても住める状態にないって事のようです。

「Image Credit:40億年後の地球?銀河とアンドロメダが衝突して見える星空想像図(NASA, ESAより)」
ですが、仮に40億年後の地球上から夜空を眺めた時、上画像↑↑のように、天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突が織りなす美しい光景が間近に見えるかも知れません。

既に銀河の衝突は始まっている?

40億年後に天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突するとお話しましたが、最新の観測によると、既に2つの銀河の衝突は始まっているの可能性があるとの研究結果が発表されています。
では何故、40億年後のハズの銀河衝突が既に始まっていると言えるのか?その理由は銀河の本当の大きさが関係していると言います。
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銀河と言えば渦巻き部分(ディスク)の端までが全貌だと思いがちですが、実際は、銀河全体を包み込むように希薄な星間物質や球状星団がまばらに分布している球状の領域「銀河ハロー」までが銀河の全貌であると考えられ、私たちの地球が属する天の川銀河もディスク(直径約10万光年)よりも遥か外側までハロー領域が広がっており、天の川銀河全体の半径は約52万光年はあるのではないか?と考えられています。

「Image Credit:天の川銀河の構造(すばる望遠鏡H.P.より)」
となると、ディスクの大きさが天の川銀河の2倍以上もあるアンドロメダ銀河はハロー領域も相当広いという事が推測出来、もしアンドロメダ銀河のハロー領域が肉眼で見えるとしたらこのように見えるのではないか?との想像図が公開されています。

「Image Credit:NASA, ESA, J. DePasquale and E. Wheatley (STScI) and Z. Levay」
上画像↑↑の想像図でもおわかりのように、22万光年もあるアンドロメダ銀河のディスク部分より、ハロー領域(紫色の部分)は遥かに遠方まで広がっている事がわかります。
もちろん、アンドロメダ銀河のハロー領域の広さは推測に過ぎませんが、天の川銀河全体が100万光年以上であると考えたなら、アンドロメダ銀河はその倍以上200万光年先までハロー領域が広がっていてもおかしくないものと思われます。
だとすると、天の川銀河とアンドロメダ銀河のハロー領域は既に接触し、相互作用が進行している可能性があります。
ただ、ハロー領域を取り巻く星間ガスは非常に希薄で、相互作用が進行していても「衝突している」というほどの影響は無いモノと思われ、やはり本番は40億年後である事は間違いないのではないでしょうか!?
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