私たちの太陽系は、命の源である天体・太陽を中心に、現時点では8つの惑星とその他の天体で構成されています。
つまり、私たちにとって太陽は1つというのが常識なワケです。
しかし、当然のことですが、宇宙には太陽系のような恒星系が、とても数え切れないほど無数に存在しています。
そんな無数にある恒星系は、必ずしも太陽が1つというワケではなく2つ以上ある連星は当たり前のように存在するのです。

Sponsored Link

最近話題になった太陽が3つある恒星系

最近Webニュース等でも流れていた惑星「KELT-4Ab」。この惑星は、地球から獅子座方向に約685光年離れた位置にあり木星の大きさの1.7倍もある巨大な惑星です。
「KELT-4Ab」は巨大な惑星のため、おそらくは木星や土星のようなガス惑星であることが推測出来るのですが、それよりもこの惑星がある恒星系には、太陽が3つあるという事が判明して話題になっています。

「Image Credit:M。Kornmesser/ESO」
「KELT-4Ab」が持つ太陽の1つめは、「KELT-4Ab」自身が公転する母恒星「Kelt-4A」。
この恒星は、ほぼ私たちの太陽と同じ質量の天体(太陽の1.2倍)で、惑星「KELT-4Ab」と母恒星の距離は非常に近く、地球が太陽の周りを365日かけて公転するのに対し、KELT-4Abは3日ほどで公転するという異常なほど近距離で、もしKELT-4Abが地球のような表面を岩石で覆われた衛星を従えていたとしても、そこは高熱にさらされとても生命など生存出来るような環境ではないと考えられます。
そしてさらに、KELT-4Abには他に2つの太陽(恒星)が存在しており、これら2つの太陽はKELT-4Abから遠く離れており(公転周期約4,000年)、大きさも私たちの太陽の半分ほどの大きさで、比較的温度の低い赤色矮星だと考えられています。
つまり、この恒星系は、主星である「Kelt-4A」の周りを少なくとも惑星の「KELT-4Ab」と他の2つの恒星が公転している、ちょっと変わった恒星系で惑星「KELT-4Ab」には常に3つの太陽が輝いて見えるのではないかと思われます。
Sponsored Link

太陽を2つ以上持つ恒星系は珍しくない

宇宙には、太陽が2つ以上ある恒星系は意外に普通に存在し決して珍しくないようです。
例えば、太陽系のお隣りの恒星系であるアルファ・ケンタウリも太陽が3つある連星です。

「Image Credit:αケンタウリ星系のイメージ(天文学辞典より)」
しかも、お隣りだけあって太陽系から4.3光年ほどしか離れておらず、私たち人類も近い将来この恒星間航行出来る探査機を開発し、この恒星系の探査を行う計画があります。
◆マイクロ探査機を光速の20%の速度でアルファ・ケンタウリに送る「ブレイクスルースターショット計画」

「Copyright ©:Breakthrough All rights reserved.」
太陽系に近い恒星系にも連星系が存在している事を考えると、連星は意外と身近な存在かも知れませんし、実際、夜空に輝く星のうち約25%は連星だと言われています。

もしかしたら太陽系も連星になっていた?

宇宙ではそれほど珍しくない連星ですが、もしかしたら私たちの太陽系も連星になっていた可能性がありました。
そんな太陽系で2つめの太陽候補が木星です。

「Image Credit:Wikipedia」
木星は、太陽のように自ら光を放たない惑星ですが、別名を太陽になり損ねた惑星と言われるほど天体の構成が太陽に良く似ています。
太陽の成分は水素とヘリウムで、木星もまた水素とヘリウムが主成分となったガス惑星で、成分的には太陽になり得る要素を持っているのですが自ら輝き出す熱核融合反応は起こりませんでした。
その原因は、太陽のように核融合反応を起こすには質量が不足しており、木星が核融合を起こすには質量があと70~80倍は足りなかったと考えられています。
しかし、木星が太陽になれなかったことが、逆に地球に生命をもたらす要因にもなっています。
もし、木星が自ら輝き出したとしたら、地球に人類はおろか生命も存在しなかったのでは?と推測されています。
Sponsored Link