この記事を書いているのは12月31日。すなわち、一年の終わりの日である大晦日です。
これを太陽と地球の関係で言うと、地球が太陽の周りを365日(または366日)で一周し元の位置に戻って来たという公転周期になるのですが、実は正確にいうとこの日数は、あくまでも私たち人間が決めた事であり、実際には地球の公転周期は365日よりも少し長いのです。

でも、1年は私たち人間決めたカレンダー通りにキッチリと進み、それに合わせて春夏秋冬の季節も廻っています。それって何故なのでしょうか?

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公転周期のズレはうるう年調整!でも・・・

地球が太陽を周る公転周期の実際の日数はおよそ365.25日。つまり、余った0.25日を4倍にすると丁度1日になるワケで、この1日を4年に1回加える事でカレンダーと公転周期のズレが調整出来るワケです。いわゆるこれを「うるう年」と呼んでいる事は誰でも知っている事なのですが、実はこの調整でも公転周期とのズレは完全に調整出来ていないのです。

「Image Credit:岐阜大学 教育学部理科教育講座 地学教室」

地球の自転のズレは大晦日で調整!?

私たち人間が決めている1年間のカレンダーは、1日が24時間という時間の積み重ねで作られている事も誰もが承知の事です。
ですが、この1日が24時間というのも地球が1回転する自転で決められているのですが、その自転周期も24時間ではなく実際は少しズレが生じています。

1日24時間を秒に直すと86,400秒になりますが、実は地球の自転は一定ではなく、潮汐力の影響でほんのわずか(1~2ミリ秒程度)ズレが生じており、このズレをグリニッジ標準時の1年の終わりの日である大晦日、日本時間では1月1日の元日に1秒多く加算し61秒で調整する対応を取っています。この時間調整はあまり知られていませんが「うるう秒」と呼ばれ、毎年行われているワケではなく不定期で、年によっては6月末(グリニッジ標準時)に実施する場合もあるそうです。

「Image Credit:実際には存在しない時間を追加する「うるう秒」(Wikipediaより)」

うるう秒の歴史は浅かった

「うるう年」は昔からありますが、「うるう秒」の歴史は浅く始まったのが1972年だそうです。
この年は7月1日に+1秒のうるう秒調整が行われており、以降、2023年までに合計27回実施。つまり50年間で27秒の時間調整が行われているのです。

また、地球の自転速度は一定ではないため、状況次第では1日を1秒短くする場合もあるとの事。ですが、これまでのうるう秒の歴史ではこの調整は一度も実施されていません。
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「うるう秒」の時間調整をしなかったらどうなる?

もし、「うるう秒」の時間調整を行わなかったらどうなるのでしょうか?
単純に考えると、「うるう秒」調整を行わなかったら、時計の指す時刻と太陽の位置がだんだん合わなくなって来るでしょう。すなわち、時計は、本来であれば日没の5~6時を指しているのに、太陽はまだ頭上にあり燦燦と日が射すしているなんてことも起こり兼ねないのです。

ただ、前述もしたように「うるう秒」での1日の時間調整が始まったのは1972年。となると疑問に思われるかも知れませんが「それ以前はどうなっていたの?」と。
実は、1日の長さは100年間につき約1.4ミリ秒/日だけ長くなる事がわかっており、これまで行われて来なかった「うるう秒」でも、さほど影響はなかったようで、1972年以降に実施された時間調整でその誤差は取り戻されたとか?!

「Image Credit:Wikipedia」
また、地球の公転周期も自転周期も自然の力が働いているワケで、自然は私たちが時間を測るように一定では動いてくれず常に変動をしています。
その証拠に「IERS(国際地球回転・基準系事業)」のデータ分析結果の発表によると、近年において地球の自転速度が速くなっているとの事。これは1日の長さが短くなっている事になり、時間にして1.4602秒程。これにより、今後は状況が変わり、1日を1秒短くする「うるう秒」調整もある可能性があるかも知れません。
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