大方の予想を覆し世紀の番狂わせとも言われた、第45代アメリカ合衆国ドナルド・トランプ元大統領。
大統領当選当時、彼は実業家としては大成功を収めた人物ではありましたが政治に関しては未経験者だったという事も話題の1つでした。
そんな政治初心者トランプ大統領が、今後どんなアメリカの舵取りをしていくのか気になりますが、同時に宇宙開発先進国のアメリカは、どのようにリーダーシップをとっていくのか?宇宙・天文ファンとしては、とても気になるところです。
就任最高齢の第45代アメリカ合衆国大統領
”時の人”となったドナルド・トランプ大統領。しかし、彼は元々政治家ではなく政治未経験の実業家です。
「Image Credit:トランプタワー(Wikipedia)」
彼の政治未経験を世界中のメディアで大きく取り上げられ、実業家としての人物像も紹介されていますが、彼が注目を集めたのが、政治未経験が故の?大統領選においての数々の過激発言。
これらは、彼なりの選挙戦略だという見方もありますが、何より一国の大統領になる人物の言葉ですので、一言一言が重い意味を持って来ます。
そんなトランプ大統領が、これからどんな手腕を発揮し、世界のリーダー国として引っ張っていってくれるか?非常に気になるところですが、どれだけの力・求心力を持っているのかは未知数です。
トランプ氏の年齢は大統領当選時70歳。この就任時の年齢は、歴代アメリカ大統領の中でも最高齢です。
この年齢から正常に任期を務めれば2期、78歳まで激務と言われるアメリカのトップを務めるワケですが、TV越しに見る彼はとても元気。最後まで任期を全うするとは思いますが、ただ、この年齢にして政治家としては初心者なのは少し不安があるのは否めません。
トランプ大統領の宇宙開発戦略変革課題
大統領選挙戦において、宇宙開発については明確な方向性や戦略を語っていないトランプ氏。果たして、彼が大統領になったことでアメリカの宇宙開発はどう進んで行くのでしょうか?
前任者のオバマ大統領の時代に、アメリカの宇宙開発は大きな変革を迎えています。
その変革と言えるのはいくつかあり、オバマ大統領がトランプ大統領へ残した課題であり、これらを次期大統領がどう担っていき、変革してくれるか?気になるところであります。
アメリカ宇宙開発の変革課題~次世代型スペースシャトル
宇宙開発の一時代を築いたスペースシャトルの退役。採算性や老朽化などが原因で、スペースシャトル計画は終了したのですが、オバマ大統領が政権を退いた時点までで、アメリカはスペースシャトルに代わる宇宙船を開発出来ていません。
しかし、NASAによって、スペースシャトルに代わる次世代型有人宇宙船の開発「オリオン計画」が進んでおり、国際宇宙ステーションへの人員、資材輸送や月面着陸計画に使用する目的で新世代型の宇宙船を開発中です。
「Image Credit:NASA」
アメリカ宇宙開発の変革課題~国際宇宙ステーションの運用
アメリカ政府が主体となって運用を進めている国際宇宙ステーション(ISS)。運用限界は、2020年代中頃だと言われています。
つまり、トランプ大統領の任期中に、ISSは運用を終える可能性があります。
巨額な費用を投じ運用を続けているISSも、宇宙空間での激しい放射線を浴び続けることで、それほどの耐久年数はありません。そのため、2020年代には運用を終え廃棄処分(大気圏突入で焼却)される予定です。
となると、次なる宇宙研究の拠点となる施設をどうするのか?がトランプ大統領に圧し掛かる課題になるかも知れません。
「Image Credit:国際宇宙ステーション(Wikipedia)」
アメリカ宇宙開発の変革課題~月面基地建設、そして有人火星飛行は?
1960年代~70年代にかけて実施された「アポロ計画」以降、人類は月面に立っていません。しかし、アメリカ(NASA)は、2020年代までに再び人類を月面に送り、月面基地を建設する計画を立てています。
「Image Credit:月面基地イメージ(JAXA宇宙情報センター)」
また、前任者のオバマ大統領は、「2030年代までに有人火星飛行を実現する。」と宣言しています。
この宣言を、トランプ大統領は引き継ぎ、計画を遂行するのか?これも今後のトランプ大統領の動きが気になるところです。
「Image Credit:有人火星探査イメージ(Wikipedia)」
トランプ大統領の宇宙開発戦略の行方は?
大統領当選時において、明確な宇宙開発戦略を語っていないトランプ大統領。しかし、あるメディア誌によるとトランプ大統領は、アメリカを宇宙のフロンティアに向かわせるという宇宙開発戦略を持っていると言っています。
”宇宙のフロンティア”とは、あまりにも漠然とした表現ですが、いったいどういうことなのか?
トランプ大統領の考え(戦略)は、有人火星飛行どころか?その先の深宇宙まで見据えているといい、自分の孫が生きているうちに、人類を木星や土星、さらには冥王星軌道まで有人飛行させるという「今世紀末までに太陽系の星すべてを対象に有人探査を行うことをNASAの目標とすべきだ。」としてアメリカの宇宙開発の目標を掲げていると言います。
といった具合に、少し突拍子もない目標のように聞こえますが、トランプ大統領の目標もあながち夢物語ではなく、ある専門家によると、もし人類が宇宙探査・開発に対する意欲が貪欲で、さらにそこに継ぎ込む豊富な資金さえあれば、既に木星軌道までは有人宇宙飛行を成功させているハズだ。と話しています。
つまり、今後、トランプ大統領が積極的な宇宙政策をどこまで発展させるか?それにより、太陽系全体を見据えた有人宇宙探査の道が開けて来る可能性があります。
「Image Credit:Wikipedia」
今後の宇宙開発はどうなるのか?
政治未経験でも、実業家としては貪欲でビジネスを成功させたトランプ大統領。彼がこれから先、ビジネス手腕をどう政治に転換させることが出来るか?それは未知数ですが、しっかりと目標を持っているのであれば、積極的に宇宙政策に取り組み、本当に太陽系全体を見据えた宇宙開発の礎を築くかも知れません。
一般的には、宇宙開発より経済の立て直しを優先。という声が多く、世論を宇宙へ向けさせることは難しいですが、これからの時代、宇宙開発の推進はとても重要になって来ます。
既に世界人口は80億人を超えようとしている現在。
それにより、資源の枯渇・自然破壊、地球温暖化の深刻化。増え過ぎた人口を地球そのものを支えきれなくなって来ています。
これを打開するには、地球の外=宇宙。に目を向ける必要がある。
宇宙には、人類の生活を簡単に賄えるほどの、膨大な資源エネルギーが手つかずで眠っています。
さらには、広大な宇宙空間に人類が移住出来る”第2の地球”~スペースコロニーを建設し、人口を分散させる。など、これから人類が迎えるであろう、深刻な問題を解決出来る可能性があります。
「Image Credit:スペース・コロニー イメージ(Wikipedia)」
現時点では、このような宇宙開発は夢物語でSF的な話であるかも知れませんが、もし、トランプ大統領が壮大な宇宙政策を考えているのであれば、例え実現は不可能であっても、世界の目を宇宙に向ける起爆剤になる可能性はあります。
トランプ氏の大統領就任を反対する声が多い中、今後、彼がどうやってアメリカ大統領としてのカリスマ性を築いていくか?が気になりますが、もし、これから多くの世論が彼の味方になって行けば、人類の宇宙開発は一気に躍進するかも知れません。
ドナルド・トランプ大統領。
いろんな批判があるのはわかりますが、彼が世界のリーダーであるアメリカ合衆国大統領に就任した以上、宇宙政策をはじめ、経済がプラスに転じるよう、彼の政治手腕に期待したいものです。
宇宙開発に積極的なトランプ氏の姿というものを全く想像出来ないです…。
宇宙開発こそアメリカの未来であり、アメリカが世界のトップを走る分野であることをトランプ氏が理解してくれることを切に願います。
ただ、冥王星の有人探査というのもあながち荒唐無稽な話でもないと個人的には思います。
カギとなるのは「人工冬眠」だと思います。
ただし、いかに人工冬眠や宇宙ヨットが実用化まで漕ぎ着けたとしても、冥王星軌道から無事に帰還するには気の長い話にはなりそうですね