近い将来、人類は本気で火星へ行く計画を立てており、その目的のひとつに将来的に人類を火星移住させ、生活させることも視野に入れているとの事のようなんです。
そんな人類火星移住計画があるという事は、いよいよ人類が本格的に宇宙に進出し地球以外にも生活出来る時代がやって来るのでしょうか?

それはそれで本当に実現すれば素晴らしい事とは思いますが、一方でこの計画は無謀で不可能という声も多く挙がっています。
果たして、人類は火星、もしくは宇宙のどこかで暮らせるのでしょうか?
今、計画が進行中の火星移住計画を元に、どうなるのか?などについて調べてみたいと思います。

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スペースX社が描く火星移住計画の構想

人類の宇宙進出と聞くと、アメリカやロシア等が行う国家レベルの事業だと思いますが、最近では民間のベンチャー企業も宇宙開発に進出し精力的に開発を進めており、そんな民間ベンチャーの中で最も勢いがあるのがアメリカの「スペースX社」ではないでしょうか?

「Image Credit:REUTERS ロイター」
スペースX社は独自で宇宙ロケットの開発を進め、今や宇宙に人や物資を輸送する運用レベルまで達し、勢いに乗るこの企業は、今後、月や火星に人類を送り火星には100万人規模定住を視野に入れた移民構想も掲げています。


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何故、火星に人類を移住させるのか?

スペースX社CEOのイーロン・マスク氏は人類を火星に移住させる理由として、「人類が地球にとどまり続けるといずれ滅亡する。滅亡を避けるには他の惑星への移住させるべき。」と述べており、その人類滅亡を避ける第一歩として火星への移住を計画しているとの事のようです。

「Image Credit:SpaceX」
では何故、移住先が火星なのか?についてですが「火星が太陽系の天体の中で、最も地球に近い環境である事。」そして何より地球のスグ外側を公転する隣りの惑星でもある事。これが人類を他の天体に移住させる上で火星が最有力候補に挙がる最大の理由です。

火星に住むメリットとは?

スペースX社は、火星に人類を移住させるメリットとしてコストの安さを挙げています。
火星は地球から近いこともあり(最短距離で約8,000万キロ)火星が地球に接近するタイミングで宇宙船を打ち上げれば、半年ほどで火星まで行くことが出来、輸送費を安く抑えることが出来る事でより多くの人員を火星に送ることが出来るワケです。

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また火星の重力は地球の3分の1程度。この低重力下では100kgの重さも30kgほどになるワケで、居住施設等の建造物の建設も楽に出来る。との安易な発想もあるようです。
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火星のどこが地球と似ているのか?

火星が地球の環境に最も近い環境であると述べましたが、実のところを言うと地球と火星はとても似ているとは言い難い大きな環境の差があります。
その環境の差とは。
まず、火星のサイズ(大きさ)は地球の半分ほど。

「Image Credit:Wikipedia」
火星には大気も存在しますが気圧は地球の1%くらいしかなく、地表の平均気温もマイナス40度以下とかなりの極寒の世界です。
また、水の存在も確認されていますが、極地方などごく限られた場所に水ではなく氷として存在していますが、最近の調査では地下深くに水が眠っている可能性もあるとの事で、さらに火星には地球のような強い磁場は存在しません。
ただ、唯一地球と似ている環境と入れるのが1日の長さで、火星の1日は地球とほぼ同じで24.5時間です。

人類の火星移住は本当に可能なのか?

スペースX社が人類を火星に送る計画を立てているように、技術的には近い将来、火星有人飛行は可能だと言えます。
しかし、火星に探査に行くのと定住することは大きな違いがあり、火星移住計画が盛り上がる一方で、やはり火星に住むことは無理・不可能という声が多く挙がっている懸念もあります。

では何故、火星に人が住むことが出来ないと言うのでしょうか?
その理由はいくつもあり、例えば・・・
  • 地球の3分の1の重力下で長期間暮らすとカラダに悪影響が起こる。
    低重力の環境で人間が長く生活すると、筋力、骨密度の低下。さらには内臓機能も低下してしまう可能性が高い。
  • 放射線被ばくの可能性。
    磁場の無い火星では、太陽からの有害な放射線が絶え間なく降り注ぎ人体に極めて有害である。
  • 地表の土壌有害物質の可能性。
    火星で暮らすとなれば自給自足が必要となる。しかし、火星の土壌は過塩素酸塩や過酸化物など有害物質で汚染されている。
といった具合に、人類が火星に住むには環境が良くなく、その他、調査があまり進んでいない火星ではどんな危険があるか?まったく未知数とも言えます。
ただ、このような懸念に対し楽観的とも言える声もあり「実際に(火星に)住んでみないとわからない。」と言い、事実、火星が人類未踏の地であり未知の星である以上、実際に行ってみないとわからないというのも正直なところかも知れません。

火星で生活するための最新技術

火星移住計画が本気であれば、地球とは大きく異なる環境差を克服する必要があります。
そこで考えられている火星入植のための最新技術がいくつかあり、3分の1の重力下で生きていくために筋力や内臓等の機能低下を防ぐ薬物の開発もそのひとつで、有害な放射線の防御や低い気圧からカラダを守る居住施設、及び火星スーツの開発も考えていると言います。

また、自給自足のため放射線や有害物質を完全排除する水の浄化装置、農業プラントの建設など。

「Image Credit:Wikipedia」
ただ、火星に行くだけではとても生活は困難だと思え、やはり万全な技術の開発が必要と言えます。

スペースX社の火星移住計画の実施は?

現状では、火星に人類を移住させるという計画は、課題が山積みで、実現への道のりは厳しいものと考えられます。
しかし、スペースX社の計画は進行中で、2020年代に火星ミッションを開始し無人探査機を送り込み、2030年頃には人類を火星へ送り込もうとしています。

このような短い期間で課題をクリアできるのか?と疑問はありますが、実際、見識者の多くは計画の実行は大幅に遅れるモノという見方もしています。
また、スペースX社の宇宙探査、開発の目標は火星だけに留まらず、今後は外惑星系への進出も目論んでいるとの事。
それは、木星であり土星。
木星では、地球外生命存在の期待が高まる衛星・エウロパに基地建設。土星では、濃い大気がある衛星・タイタンの探査等が挙がっており、さらには、もっと遠い太陽系外縁天体への探査も民間会社が宇宙船を飛ばそうという壮大な野望を持っていると聞きます。
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