
史上初めてブラックホールの姿が撮影され、
大きな話題になった事は多くの方がご存じのことと思います。
と同時に「そもそもブラックホールって何?」
と、いまひとつ理解出来ていない人も大多数なのかも知れません。
ここでは、話題だけど謎のブラックホールについて、
メカニズムや、誕生から寿命を迎える一連の流れを追ってみたいと思います。
ブラックホールに吸い込まれたらどうなるの?
一般の人が考えるブラックホールとは、光を含むあらゆる物質を吸い込み、
一度吸い込まれたら二度と出て来れない、
宇宙に潜む恐ろしい天体的なイメージがあると思います。
確かにブラックホールは想像を絶する巨大な重力を持ち、
その重力に捕えられたら、たちまちのうちに飲み込まれてしまうのかも知れません。
しかし、ブラックホールの特性を考えると、吸い込まれれるのではなく、
一瞬で破壊され、潰され、そして消滅すると考えた方が正しいでしょう。
何度も言いますが、ブラックホールの正体は想像を絶する巨大な重力で、
極めて高密度な天体だと考えられています。
例えるなら、その巨大な重力は地球を丸ごとパチンコ玉サイズほどに圧縮してしまうほどで、物理的には到底考えられないほど壮絶なモノです。
つまり、その重力のせいで、空間が落ち込み、歪んでしまう天体ため、
厳密に言うと、”吸い込まれる”といった概念は無いのかも知れません。
また、多くのブラックホールの周りには、
数億度といった超高温のガスが取り囲んでいて、
物質はブラックホールに落ち込む前に高温で焼かれ、消滅してしまいます。
ただ、実際にはブラックホールに吸い込まれていく物質を目撃したワケではないですから、あくまでも推測にしか過ぎません。
というより、私たちはほぼ永久的にブラックホールに近づくことさえ出来ませんので、
もしかしたら、ブラックホールの謎の解明は不可能なのかも知れません。
ブラックホールは何故存在するのか?
究極の天体とも言えるブラックホール。あまりに想像を絶する天体のため、その存在すら否定する人もいますが、
事実、人類はその姿を捉える事に成功していますので、
おそらくは、ブラックホールは実在する天体であると考えてよいでしょう。
では、どのようにしてこんなとんでもない重力を持つ天体が存在しているのか?
その理由として考えられているのが、太陽の何倍もの質量を持つ恒星の存在。
現在の考えでは、太陽質量の30倍以上の恒星がブラックホールになるとされています。
これほど巨大な質量を持つ恒星が寿命を終えてしまうと、
一気に重力崩壊起こしてしまい、巨大な重力が星の中心に向かって落ち込んでしまいます。
この落ち込むエネルギーによって、物質は限りなく収縮。
ついには、あらゆる物質が消滅してしまった重力だけの天体が誕生してしまう。
いわゆるブラックホールになってしまうと考えられています。
● 参考記事:【ブラックホールとは?誕生のメカニズム】
ちなみに、ブラックホールになってしまう大質量を持つ恒星は特別な存在ではなく、それどころか、宇宙は無数にあると考えられいます。
宇宙にブラックホールの素となる星はどれくらいあるのか?
宇宙には無数の星が存在します。その数はとても数え切れないほど多く、
例えるなら、地球上にある全ての砂粒の数よりも遥かに多いとか・・・!?
しかもその星とは、私たちの住む地球のような惑星の事ではなく、
太陽のように自ら輝いている恒星たちの事を指しています。
そんな恒星も大小様々存在し、
私たちの母なる太陽は、その中でも普通で平均的なサイズ。
というよりも太陽は、宇宙に存在している恒星の中では、
平均よりも少し小さいサイズに分類されるかも知れません。

「画像参照:信州STYLE」
そんな中で、巨大な恒星も多く存在し、
と同時にブラックホールも多く誕生して来ているようです。
つまりそれは、この宇宙においてブラックホールも無数に存在している事を示しており、
私たちが住む天の川銀河の中でけでも1億個~10億以上のブラックホールがあると考えられています。

「画像参照:天の川銀河内のブラックホール分布(想像)(YouTUBEより)」
また、銀河の中心にも太陽質量の400万倍以上とされる超大質量ブラックホールが存在していると推測されていて、この巨大ブラックホールが、2,000億個以上の星の集合体である銀河を創り出していると考えられています。
地球が太陽の周りを回っているように、
銀河系2,000億個の星のひとつに過ぎない太陽もまた、
銀河中心にあるブラックホールの周りを回っている事になるのです。
成長するブラックホールに寿命はあるのか?
通常、ブラックホールは大質量の恒星が寿命を終える事によって誕生する天体だとされ、恒星質量のブラックホールしか生まれないモノと考えらています。しかしながら、宇宙には恒星質量を遥かに超えるブラックホールがいくつも見つかっており、
私たちの銀河の中心にあるブラックホールも恒星質量を遥かに超える太陽質量の400万倍以上。
さらには、その姿が捉えられたM87銀河の中心にあるブラックホールに至っては、
太陽質量の約65億倍という巨大さです。

「画像参照:M87銀河中心にあるブラックホール(Wikipediaより)」
何故、このようなブラックホールが存在しているのか?
詳しくは解明されていませんが、おそらくはブラックホール同士が合体融合して成長しているものと考えられています。
ただ、一部にはあらゆる物質を飲み込んでブラックホールが成長しているという説を唱える人もいますが、そのような事実はなく、あくまでもブラックホール同士での融合が成長のメカニズムではないか?と推測されています。
そして気になるのがブラックホールの寿命。
ブラックホールが成長を続ければ、永遠に大きくなり続けるワケで、
極端な話をすれば、寿命が無ければいずれブラックホールが宇宙全体を飲み込んでしまうかも知れません。
しかし、そんな事はなく、
究極の天体であるブラックホールでさえも寿命があるという事が最近の研究で分かって来ました。
これは、かの有名な科学者スティーヴン・ホーキング博士が導き出したモノで、
ブラックホールも少しずつ熱を放射しており、この放射により時間の経過とともに縮小して行き、いつかは蒸発して無くなってしまう。
これを提唱者の名前からとって ホーキング放射と呼ばれています。
とは言え、この時間の経過とは天文的な時間の事であり、
私たち人間の範疇内での時間の流れとは全く別物。
ブラックホールが誕生し消滅するまでは、とてつもない時間の経過が必要なようです。
はじめまして。
分かりやすく、かつワクワクするような記事で
難しい事は要らない初心者の私にピッタリな
こちらを見つけてから毎晩拝見しております。
ブラックホールになる天体が最大だと思っておりましたが
更にあるようですね!wikiより…
100太陽質量等の恒星の特徴や最後、
wr星やスーパーノバに興味あります。
お時間ございましたら是非宜しくお願い致します。
これからも更新楽しみにしております。