「地球外生命は必ず存在し、その中には人類の科学力を遥かに超える文明を持つ異星人がいる。」
これは何も、オカルト的な考えを持つ人が言っている事ではなく、天文学者や物理学者等その道の専門家たち多くが考えている事です。

そんな超科学文明を持った異星人が建造しているとされる仮説上の構造物「ダイソン球」。
実はこのダイソン球は、現在進行中のプロジェクト「テクノシグネチャー探査」の対象になっているそうなんです。

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テクノシグネチャー探査とは何か?

超科学文明の構造物とされる「ダイソン球」は、現在進行している「テクノシグネチャー(技術文明の存在指標)探査」と呼ばれる、地球外知的生命体を探す大規模な天体工学プロジェクトを対象とする探査計画の対象となっています。

「Image Credit:ESOJosé Francisco Salgado」
テクノシグニチャー探査とは、広大過ぎる宇宙で地球外知的生命をやみくもに探すのは至難の業。そのため、仮に地球外生命が持つ技術が存在するのであれば、それが大規模であればあるほど発見の目標となり、高度に発達した文明が築いているとされる大規模構造物「ダイソン球」からの電波や熱、光が存在を示す証拠となり得る可能性があるとの考えからこの探査が行われていると言います。

ダイソン球とは何か?

地球外科学文明の存在を探すための指標のひとつとして対象をなっている「ダイソン球」とは何なのでしょうか?

これはアメリカの物理学者フリーマン・ダイソン氏が提唱した、人類の科学を遥かに凌駕する高度な文明が、自分たちが住む惑星の主星(太陽)が発するエネルギーのほとんど全てを利用するために建造されている、究極の超巨大恒星エネルギー供給システムです。

「Image Credit:ダイソン球の想像図(Getty Imagesより)」
ちなみに、私たち地球の主星である太陽もエネルギーを宇宙空間に放出しているワケですが、そのうち地球が受けているのは太陽が放出している全エネルギーのわずか22億分の1に過ぎません。
つまり、ダイソン球を持つ異星人は主星からのエネルギーのほぼ全てを利用している事になるワケで、その異星人が持つ文明の力は想像を絶するモノではないか?!と思われます。

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ダイソン球で造られたエネルギーはどう使われているのか?

ダイソン球はもちろん仮説上の構造物ですので、実際、これで造られたエネルギーはどのようにして利用されているのかなどわかるハズもありませんが、仮にこの余りある莫大なエネルギーを利用するとならば、ダイソン球の中に人工居住地(スペースコロニー)を造り、そのエネルギーを最大限に活用し、また宇宙船等の推進にも使われ、高度な星間航行や星間通信を実現するために利用されている事も考えられます。

「Image Credit:スペースコロニー(人工居住地)と星間航行のイメージ(Rick Guidice courtesy of NASA & Getty Imagesより)」
また、ある科学者はダイソン球の存在を肯定した上で、高度な文明を持つ異星人は自分たちの主星にダイソン球は造らず、あえて近隣の恒星に建造している可能性があり、しかもその恒星は銀河の中でも7割を占めると考えられている赤色矮星にダイソン球を建造している可能性もあるといい、その理由は赤色矮星は、彼らの惑星の近くにある事が考えられ(実際、私たちの太陽系に一番近い恒星も赤色矮星(プロキシマ・ケンタウリ))エネルギー供給がしやすく、また低質量で表面温度も低い(2,000度~3,000度)小型の恒星であり、小型で温度も低い事からそれほど巨大なダイソン球が建造しなくても良く、メンテナンス面でも都合が良いのではないか?と話しています。
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ダイソン球の探査はどのようにして行うのか?

もし、人類の科学力を遥かに超える異星人が宇宙のどこかに居て、超高度なテクノロジーでダイソン球を建造していたとするならば、私たち人類はどのようにしてダイソン球を探せば良いのでしょうか?

その探索方法として考えられるのは、ダイソン球をは恒星を覆ってエネルギーを取り込みます。この事によって恒星の光が遮断される現象が発生すると考えられ、これを観測する事で存在の証拠を掴む方法があるとい言います。

実際、以前にも恒星の光が遮断される現象が発見され「ダイソン球ではないか?」と話題になった事例があります。
それは、地球から「はくちょう座」方向約1,480光年の距離にある「KIC8462852」という恒星に、不規則な減光現象が見られ、それはまるで何か巨大な人工建造物で光が遮断されているかのように見えたそうです。

「Image Credit:赤四角で囲んだ恒星がKIC8462852(Wikipediaより)」
しかし、その後の詳しい調査で「KIC8462852」を囲んでいる円盤状のダスト(塵)が、不規則に恒星を覆い隠している事で減光するという現象が起こった事がわかり、残念ながらダイソン球ではなかったとの事でした。

また、他の探索方法として、恒星に熱せられたダイソン球からは赤外線が発生すると考えられ、そのため、恒星を覆う赤外線で発光するダイソン球が見えるかも知れないという事で、もしこの発光現象を見つける事が出来れば、高度な地球外文明が存在するという証拠になり得る事になると言います。

「Image Credit:iStock」
とは言っても、もしダイソン球が実在しているとするならば、それは地球の文明を遥かに凌駕する文明がある事を意味するワケで、となると私たち人類が地球外文明を探し出す前に彼らの方が地球を見つけている可能性の方が圧倒的に高いワケで、何らかの方法で彼らの方から人類にコンタクトを取って来てもおかしなく、未だその痕跡がない以上、ダイソン球は空想上の建造物と言わざるを得ないなのかも知れません。
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