先日、南極上空にあるオゾンホールが縮小しているとのニュースが流れていたのを思い出したので、この記事を書く事にしました。

オゾンホールは地球温暖化や環境破壊の原因を作っていると言わているため、これが縮小しているということは危機的状況回避の兆しなのでしょうか?
それともオゾンホール縮小には他にも原因があり、安易には危機回避とは言えないのでしょうか?

では何故、オゾンホールは縮小しているのでしょうか?その理由と、そもそもオゾンホールとは何なのかについて少し解説したいと思います。

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オゾンホールって何?

地球の上空にはオゾンという酸素原子3個からなる気体の層があります。

このオゾンは成層圏(約10~50キロ上空)に約90%存在しており、太陽からやって来る有害な紫外線を吸収してくれる性質を持っているため、地上まで届く紫外線量を軽減してくれ、生態系を保護すると同時に大気中の温室効果を高める役割も果たしてくれている、地球の大気にはなくてはならない重要な気体層です。

「Image Credit:気象庁(国土交通省)
もしオゾン層が無かったとしたら、太陽からやって来る紫外線が容赦なく地上に降り注ぐ事になり、生態系に大きな影響が出てしまい生命に溢れる地球は危機的状況に陥ることになります。

しかし、オゾン層が無くなるという事は現実に起こっており、南極上空のオゾン層が極端に薄くなっている領域(オゾンホール)がある事が判明し大きな問題になっているのです。

「Copyright ©:NASA Goddard All rights reserved.」

オゾンホールが出来る原因

オゾン層は極地方へ行けば行くほど層が薄くなるため、北極や南極地方にその影響が如実に現れる事が、それが極端な状態なるオゾンホールが出来てしまっています。

「Image Credit:2018年11月に撮影された南極上空のオゾンホール(NASA Goddard/ Katy Mersmann)」
そんな極端なオゾン層の穴~オゾンホールを作ってしまったのは私たち人間に原因があります。
オゾンホールが出来てしまった原因は、人間が人工的に作り出してしまった化学物質にあり、冷蔵庫やスプレー類に使用されているフロンガスが代表的な化学物質です。
このフロンガスが人間の生活の中で大気中に大量に放出されたことにより、紫外線で分解され塩素原子になり上空にあるオゾンに接触する事で、オゾン層を破壊する触媒となってしまうと言われています。
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オゾンホールに危機を感じた人類がとった行動

オゾンホールは人類の環境破壊の象徴の1つだとも言われており、人類はオゾンホールの広がりを防ぐために対策をとってきました。

オゾンホールが広がると生態系に影響が出るだけでなく、地球の気候形成にも大きく影響を及ぼすと考えられています。
そのため、本来のオゾン層を取り戻すため1987年に「モントリオール議定書」が採択し、オゾンホールの原因となっている化学物質(フロン類などの塩素や臭素)の製造や使用を規制して来ました。

しかし、フロンガス等は必需品で生活には欠かせないモノで、いきなりフロンガスを人類の生活から排除するワケには行きません。
そこで開発されたのが代替フロン(HFCフロン)です。

「Image Credit:経済産業省 オゾン層保護等推進室 環境省 フロン対策室」
HFCフロンはオゾン層を破壊しにくいとされているのですが、一方で地球温暖化の原因となる温室効果を上げてしまうということが問題となっています。
そのため、今後がオゾン層の破壊もしない、温室効果も影響しない代替フロンが必要となり現在開発が進められていると言います。

オゾン層回復対策の成果

代替フロンなどの使用で、オゾン層を回復させるための対策をとってきた人類ですが、その対策の結果、オゾンホールが減少しているという兆候が見られると発表しています。

「Image Credit:Thinkstock」
年々オゾンホールは縮小しており、今後も人類が対策を取り続けて行くと21世紀中にはオゾンホールは完全に消滅するという考えもありますが、最近の研究でオゾンホール原因となっているのは人間だけが原因ではなく、自然現象である火山の噴火が影響している可能性もあるとしています。

また、地球温暖化にもオゾン層破壊の原因もあるとして、回復の兆しが見えたとしても予断は出来ない状況であることは現実のようで、今後、人類がどれだけ真剣に温暖化対策に取り組む姿勢が重要で、オゾンホールを含む環境破壊の脅威が取り除けるかどうかにかかっているようです。
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