春の訪れを感じる時、春一番の風が吹いたり、桜の開花等いろいろありますが、そんな春を感じる事の出来る日として「春分の日」もそのひとつではないでしょうか?

日本での春分の日は国民の祝日になるからわかりやすいですが、そもそも「春分の日ってどういう日なの?」って聞かれると良くわからないし、同じように秋の訪れを伝える「秋分の日」についてもわからない。ですが、その答えは難しいモノではなく、地球の公転と地軸の傾きで生じる季節の変わり目なのです。

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地軸の傾きがあるからこそ四季を感じる事が出来る

地球には、私たちが住む日本のように「春夏秋冬といった四季」がある地域があり、春には花が咲き、夏には青葉が生い茂り、秋は紅葉で色着き、冬は雪で覆われる。といった風情のある四季の風景が日本のあちこちで見る事が出来ます。

そんな四季って何故あるのでしょうか?
普段の生活の中で四季は当たり前にやって来る季節のため、あまり深くは考えない人が大半なのではないでしょうか?

「Image Credit:四万温泉協会
四季がある理由。
それは、地球の地軸が太陽の公転軸に対し約23.4度傾いている事にあります。

「Image Credit:Wikipedia」
この地軸の傾きがある事によって、地球が太陽の周りを回る公転によって少しずつ太陽光が照たる角度が変わり、太陽高度と日射の時間も変化する事により季節の変化も生じて来るのです。

「Image Credit:中学受験ナビ

春分と秋分は昼と夜の長さが同じになる日

地球が太陽を公転する事と地軸の傾きによって太陽光が照たる角度が少しずつズレ、丁度、昼と夜の長さが同じになるタイミングが訪れます。
それが春分の日と秋分の日に当たるワケです。

「Image Credit:中学受験ナビ」
また、春分の日と秋分の日の違いは、春分の日を境に北半球が太陽に向けて傾いて行き、秋分の日を境に南半球が太陽に向けて傾いて行く。
つまりこの現象により、北半球の日本が夏の時、南半球のオーストラリアが冬になってしまうという事になります。
また、春分の日と秋分の日の間にある夏至と冬至は、地軸の傾きが最大限に太陽に向いている時であり、夏至の日は北半球では太陽高度が最も高くなり、冬至の日は北半球では太陽高度が最も低くなる現象が起きる事で昼と夜の時間も最大限の差が出る事になるのです。
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春分・秋分の日が年によって違う理由は?

気付いている人も多いと思いますが、春分の日や秋分の日はその年によって日にちが違ってきます。
例えば、2020年の春分の日は3月20日なのに対し、2年後の2022年は3月21日だったりします。

では何故、同じ春分の日なのに年によって違って来るのでしょうか?
理由は、1年が365日というのが正確ではない事にあり、つまり、1年というのは地球が太陽の周りを1周して戻って来る日数の事を指すのですが、1年という時間を決める時に基準となるのが公転周期において地球が春分点を通過する時で、この時の正確な長さは365.24219日となり365日より約6時間程長くなってしまいます。
この約6時間という時間のズレにより春分の日や秋分の日も年によって違いが生じる事があります。

「Image Credit:岐阜大学 教育学部理科教育講座 地学教室」
また、この時間のズレを調整するために4年に1度の閏年が存在している事にもなるのです。

四季を創り出す地軸の傾きは奇跡だった!?

太陽系の惑星は地軸の傾きや自転サイクルがそれぞれ違います。


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そんな惑星の中で、絶妙な自転速度と地軸の傾きのバランスが取れているのが地球なのです。
何故、このようなバランスの取れた地球になったかは不明ではありますが、現時点で最も有力な説として「ジャイアントインパクト説」が挙げられます。

「Image Credit:ジャイアントインパクトのイメージ図(Wikipediaより)」
ジャイアントインパクトとは、太古の地球に火星クラスの巨大な天体が衝突した事で地軸が傾き自転速度も加速。さらには、衝突時の破片がひとつになり衛星である月を形成し、この月による巨大な潮汐力で地軸の傾きが固定され、安定した地球環境が維持されていると仮説が考えられています。

もし地軸の傾きがなかったら地球はどうなる?

もし地軸の傾きが無く「春分の日」や「秋分の日」も無かったとしたら地球はどうなるのでしょうか?
そうなった場合、当然ですが四季が無くなる事になります。
ただそれだけであれば大きな問題ではないでしょうが、地軸の傾きが無い事によって地球環境に大きな異変が起きてしまう事が考えられます。

例えば、赤道付近では年中太陽が真上に昇り地表を熱く照らし続け、それにより植物等の生育が妨げられ砂漠化が進む事が考えられ、逆に、高緯度の極地方は太陽の恵みの薄い極寒の地帯になって、こちらも生物が住むには過酷な環境となってしまうでしょう。
さらには、大気や海流の循環も悪くなり温室効果に悪影響が出てしまい生物が住める地域が限定されてしまい、食糧不足等の深刻な問題も起きてしまう事が予想されます。

結論:春分の日は地球の大切なバロメーターだった!

「春分の日」や「秋分の日」は昼と夜の長さが同じになる日であり、そしてこの日を境に地球の環境にも変化が生じて来ます。

例えば、春分の日であれば草花が芽吹き、冬眠していた動物たちが活動を始め、人々も新しい環境へ旅立つ機会が多くなってきます。
また天文学的な要素は、地軸の傾きによって太陽からの恵みを少しずつ変化させてくれ、これにより、生態系のバランスも保たれ地球全体が生気に満ちて来ます。

いかにこれが大事なのか?そして地軸の傾きが絶妙である事も忘れてはいけません。
傾きが無くても季節の無い環境になり、傾き過ぎても極端な季節変化が起きてしまいます。
地球の地軸の傾き23.4度は偶然に出来たモノですが、奇跡的に生物が快適に住める環境を創り出してくれているのです。
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