冬は寒いですが、空気が澄んで星空が良く見える季節でもあります。
そんな澄んだ星空を見上げながら流れ星が見れたら「メッチャ綺麗じゃないかな?!」なんて考えている方へ向け、冬の時期に肉眼で見える流星群についてご案内します。
実は冬って、年間を通しても流星の出現率が最も多い季節でもありますので、防寒対策をバッチリして星空観測を楽しんでみてはどうでしょうか?

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12月は「ふたご座流星群」がピークに!

まず、冬期の第一段を飾るのが年間三大流星群のひとつでもある「ふたご座流星群」です。

「ふたご座流星群」は、一晩で観測出来る流星群としては最大級のモノで、好条件に恵まれると一晩で数百個もの流星を見る事が出来、しかもここ数年は、かなり出現率が高く1時間当たりに100個近く観測出来た年もあるほどです。

「ふたご座流星群」が見頃を迎えるのは12月13日~15日頃。。特に12月13~14日が観測するにはベストな日になるでしょう。

「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
「ふたご座流星群」を観測する基準となるのが東の空方向で、「ふたご座」付近を放射点として流星が見えて来ますので参考にされると良いでしょう。

クリスマスは「こぐま座流星群」が夜空をロマンティックに

毎年クリスマス時期に観測出来るのが「こぐま座流星群」です。
しかし、この流星群の出現率はあまり良くなく、また出現する期間が12月17日~12月26日と長いこともあり、この期間でどれくらい出現するのかがわからないのが難点。
ですが、条件さえ整えばクリスマス・イブの夜空をよりロマンティックに演出してくれるかも知れません。

「Image Credit:tenki.jp
ちなみに、出現期間が長い「こぐま座流星群」ですが、ピークを迎えるのが12月22日~23日頃で、北の空を見上げ「こぐま座」方向に注視すると良いでしょう。
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一年の初めは「しぶんぎ座流星群」で願掛けを!

年が明けて最初に観測出来る流星群は「しぶんぎ座流星群」です。
「しぶんぎ座流星群」も年間三大流星群のひとつで、多くの流星が期待できる天文イベントです。

ただ、この流星群の特徴は出現率が安定しない事であり、観測する年によっては、ほとんど流星が見られないこともあり期待外れという事もありますが、”当たり年”なら1時間当たり100個前後見られる事もあり、平均すると1時間当たり流れて来る流星は20~30個程度のようです。
それでも、年間三大流星群のひとつという事もあって出現が非常に期待出来る流星群でもあります。

「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
なお、「しぶんぎ座」というのはかつてあった星座の名前で現在は存在しません。
よって、星座を目印にするのではなく夜空を見上げる方角は北東方向が良く、出現率の高いピークは1月3日~4日を目安にして下さい。

流星群観測でおさえておくべき事

冬場の流星群観測で最も重要なのは、当たり前ですが万全な防寒対策です。その際、防寒着はもちろんですがカイロや冷たい風を防ぐ対策もすると良いでしょう。

ただ、寒いからと言って焚火をするのはNG!。
火を焚くことが危険ということもありますが、何より焚火の灯りで星空が見えにくくなるのは良くありません。

次に重要なのが月齢を確実に調べておく事。

「Image Credit:Wikipedia」
流星が流れるのは美しく幻想的ですが、一瞬で非常に弱い輝きです。そのため、流星群観測に月明かりはとても邪魔になり、流星群観測に適しているのは月明かりが全く無い”新月”がベストですが、三日月でも観測は可能です。

そんな月齢は、インターネットで簡単に調べる事が出来ます。
●参考サイト:【月齢カレンダー】

月齢が半月や満月に近い場合は、流星観測には不向きです。
また、晴れていても雲が多い日も要注意ですので、天気予報等で雲の動きも知っておくと良いでしょう。

流星の正体を知っておこう!

おそらく知っている人も多いと思いますが、夜空を美しく彩る流星の正体は小さな塵や石ころで、これらの石ころたちは宇宙空間を秒速数キロ以上の速さで動いており、高速で動く物体が引力に引かれて地球に落ちて来ると大気との摩擦で高熱を生じ光って見える。
流星の正体が小さな石ころなだけに、摩擦熱であっと言う間に燃え尽きてしまいます。
それが流れ星が一瞬で儚い理由でもあります。

「Copyright ©:国立天文台 All rights reserved.」
↑↑動画で流星群についてご理解いただけたと思いますが、そもそも流星群の多くは彗星といった塵を撒き散らした母天体が存在します。

例えば、今回ご紹介した冬の流星群では「ふたご座流星群」が小惑星・ファエトンで、直径5キロほどのファエトンは、塵を出し尽くした彗星のなれの果てだと考えられており、現在は約1.4年の周期で太陽を公転している小天体です。

「こぐま座流星群」はタットル彗星。「しぶんぎ座流星群」の母天体はいくつかの候補が挙がっていますが、今のところ確定しておらず不明です。

このように、彗星が撒き散らした塵・流星物質の濃度が濃い空間(ダストトレイル)に、地球が通過することで流星群が発生するという事を予備知識として覚えておくと、流星群の見方も少し変わって来て楽しくなるのではないでしょうか。

是非この冬の夜は家の中に籠ってばかりでなく、外に出て澄んだ空気を吸いながら流星観測を楽しんでみてはいかかがでしょうか?
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