この記事を書いている2022年秋は木星が見頃となっており、夜空を見上げると存在感を放つ木星が明るく大きく輝いています。
木星が見頃になっている理由は、地球から見て太陽とちょうど反対側に木星が位置する事でマイナス3等級前後の明るさで見えているからです。
ですがも気になるのは、木星をはじめ惑星の見頃っていつやって来るのでしょうか?
地球と惑星の会合周期を知る事が出来れば天体観測の好機もわかるでしょうし、何よりキャンプ等のアウトドアでも楽しめるイベントのひとつになるのではないでしょうか?

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地球と惑星の会合周期とは?

地球を含め太陽系の惑星は全て太陽を中心にしてそれぞれ異なった公転をする軌道を持っており、そのため地球と他の惑星は近づいたり離れたりを繰り返しています。
それぞれの惑星の公転軌道のタイミングによって、地球と惑星が接近する時が定期的に訪れ、この時こそが絶好の惑星観測好機となり、地球と惑星の距離関係でも異なりますが肉眼でも大きく見える場合があり、この接近の周期を「会合周期」と呼びます。

また、会合周期は地球より内側を公転する内惑星の接近時を「内合(ないごう)」と呼び、地球より外側を公転する外惑星接近時を「(しょう)」と呼びます。

「Image Credit:国立天文台」
つまり、惑星の観測タイミングは内合、または衝の会合現象が起きる時がベストであり、この会合周期を理解していればどの惑星が夜空に大きく輝いているのか?簡単にわかるようになると思います。

惑星毎の会合周期

地球と惑星の会合周期はそれぞれどれくらいの期間なのか?
この事を知っておくだけでも、今現在において明るく見える惑星が何なのかを知る事が出来ます。
そこで惑星毎の会合周期を以下で示してみました。
内 惑 星
惑星会合周期最大光度(等級)参考)地球接近時の距離
水星115.9日-2.6約9,300万キロ
金星 583.9日-4.9約4,000万キロ
外 惑 星
惑星会合周期最大光度(等級)参考)地球接近時の距離
火星 779.9日-3約6,000万キロ
木星 398.9日-2.94約6億キロ
土星 378.09日-0.24112億キロ
天王星 369.66日5.32約25億キロ
海王星 367.49日7.78約43億キロ
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この会合周期を見て気になる事があるかも知れません。
それは、地球から遠いハズの外惑星(木星・土星・天王星・海王星)の会合周期が、約1年毎にやって来るのはどういう事なのか?という事なのですが、その理由は単純であり、太陽に近い地球の公転周期は約365日であるため、太陽から遠い惑星の公転に地球の公転が追い付く事が速くなるためであります。

また、外惑星が衝を迎え見頃になっても肉眼で見る事が出来るのは火星・木星・土星だけで、地球から20億キロ以上も離れている天王星と海王星を肉眼で見る事は難しく、市販の天体望遠鏡でこの2つの惑星を観測しても残念ながら小さな光点でしか見る事が出来ないでしょう。

さらに、水星は肉眼で見る事は可能ですが太陽に近いため、観測のチャンスは日の入り後すぐの西の空、地平線(水平線)近くの低い高度での短い時間でしか見る事が出来ないという難点があるのも残念なところです。

肉眼で見れる惑星の会合周期の求め方

前記でも述べたように、肉眼で観測する事が難しい惑星(水星・天王星・海王星)以外は、しっかりと会合周期を押さえておけば、いつ地球に接近する内合または衝の時期が来るのかがわかるようになります。

そこでここでは、直近での惑星が地球に接近する日を調べてみましたので、次回以降の内合、衝がいつやって来るのか?を押さえて観測の目安にしていただければと思います。
惑星直近の内合または衝会合周期
金星2022年1月9日583.9日
火星 2022年12月1日779.9日
木星 2022年9月27日398.9日
土星 2022年8月15日378.09日
上表を参考にしていただき、例えば火星の場合であれば、2022年12月1日が衝を迎えますのでこの日から780日後に次の衝がやって来ると計算すれば良い事になります。

なお、金星の内合時は光度がマイナス4等級以上とかなり見ごたえがありますが、内惑星のため観測出来る時間が短く、日の入り後(宵の明星)または夜明け前(明けの明星)の短時間でしか見る事が出来ないことを理解した上で観測するようにして下さい。
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