私たち人類には測り知る事が出来ない果てしなく広大な宇宙。
そんな宇宙の果てはどこまで続いているのでしょうか?
また、宇宙は無限なのでしょうか?それとも有限なのでしょうか?

もし宇宙に果てがあるとしたら、その端っこってどうなってるのか?正直、素朴な疑問かも知れませんが、この事については昔から専門家の間でも議論になっている事です。
今回は、この壮大過ぎる”宇宙の果て”をテーマに、観測可能な限界でわかる情報を踏まえて考えてみたいと思います。

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宇宙は無限なのか?それとも有限?

『無限に広がる大宇宙!』と、どこかで聞いたことのあるフレーズですが、宇宙は果てしなく広い!という事は漠然としたイメージでは誰もが知る事ではないでしょうか。
でも、本当の宇宙ってどれくらい広いのか?そもそもが無限か?有限なのか?って事なのですが、結論から言うと「宇宙は無限に近い有限!」というのが答えだそうです。

「Image Credit:Wikipedia」
その答えを導くキーワードになっているのが『ビッグバン』であり、つまり、宇宙はビッグバンという爆発から始まり、今現在も爆発的膨張は続いているため、爆発の先端が”宇宙の端っこ”だという考え方があるとの事です。

受け入れられている宇宙の始まり「ビッグバン宇宙論」

その昔~とは言っても今から約138億年も遥か昔の事ですが、宇宙は想像を絶する超高温高密度エネルギーの塊が大爆発を起こしたされており、誕生直後の宇宙は、その莫大なエネルギーにより光速を超える程の急激な膨張期のインフレーション期を迎え、そこからビッグバン膨張と呼ばれる宇宙の膨張が始まり現在に至っているそうです。
つまりこれが、現在提唱され現在でも広く受け入れられているビッグバン宇宙論です。

「Image Credit:Wikipedia」
ビッグバンによる宇宙の創成期に存在した物質は最も軽く単純な原子である水素やヘリウムであったと考えられ、これらが重力で結び付く事で、気の遠くなるような永い年月を経て、星が生まれ、銀河が生まれ、そして私たち人類のような生物も誕生する現在の宇宙になっていったとされています。
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宇宙の果てはどこにあるのか?

現在の「ビッグバン宇宙論」が正しければ、必ず宇宙の果てはどこかにあるハズですが、しかしながら現在の観測技術ではその果てを見る事は不可能です。
それでも観測技術は進歩しており、果てに近いとまでは行かないモノの現在、観測史上最も遠い天体(2022年現在)は、地球から約135億5,120万光年も離れた銀河「CEERS-93316」が発見されています。

「Image Credit:うしかい座の方向にある銀河・CEERS-93316(Sophie Jewell/Clara Pollockより)」
地球から135億光年以上も離れているこの「CEERS-93316」は、少なくとも宇宙誕生の約2億3,500万年後に存在した銀河だと考えられており、つまり、宇宙が光の速さで広がっていると考えられるなら「CEERS-93316」銀河こそが宇宙の果てに近い場所にあるのでは?と考えられなくもないですが、実際はそうでもないとされ、これまでの様々な観測結果から宇宙はそれよりも遥かに広く、あくまでも理論上ではありますが可視宇宙の広さは最低でも930億光年はあるのではないか?と考えられています。

「Copyright ©:Berkeley Lab All rights reserved.」

宇宙の果てはどうなっているのか?

もし、宇宙の果てに行き着いてしまったらどうなるのでしょうか?
その答えは「わからないし、そもそもは宇宙の果てに行き着く事はない!」という事だそうです。

その理由は、私たちが宇宙の広さを知る事が出来る唯一の情報源は”光”です。
そんな光の速さが秒速30万キロという有限である以上は、私たちは光の速さを超える先にあるモノを見る事は出来ません。
要するに宇宙はあまりにも広大過ぎて、私たち人類レベルでは知る事が出来ないし想像する事も出来ない事になるワケですが、ただ、観測できる範囲内であれば、宇宙の広さを1つの円地図として確認する事は出来るとの事。

「Image Credit:全宇宙地図(Wikipediaより)」
この宇宙の広さを表す全宇宙地図は、私たちがいる太陽系を中心に描かれているスローン・デジタル・スカイサーベイ((SDSS)と呼ばれるモノで、光学望遠鏡によって全天の25%以上を観測し、その範囲内に含まれる銀河やクェーサー等天体の位置や光度から距離をくまなく測定し詳細な宇宙の地図を作りあげています。

ちなみにこの全宇宙地図の見方はわかりやすくするために、中央にある太陽系は周りの天体より遥かに大きく描かれており、太陽系の周りをオールトの雲と呼ばれる球殻状の取り巻きがあり、その外側には数々の銀河が描かれ、更にその外側にはボイドと呼ばれる広大な空の空間が点在し、またその外側はクウェーサーや宇宙の初期放射線からビッグバン時代の名残である宇宙マイクロ波背景放射の環等、そして宇宙の果てまでが描かれています。
つまり、この簡易的な地図が宇宙の全体像を表現したモノですが、実際の宇宙は地図等には絶対に収まらない程広大だという事は言うまでもなく、おそらくは、人類の観測技術がどれだけ進歩しようとも宇宙の果てを知る事は出来ないでしょう。
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