異星人の存在。それを信じる人、信じない人それぞれでしょうが、少なくとも多くの科学者たちは異星人の存在を信じているようです。
その証拠に、現在太陽系を離れつつある無人探査機には、いつか出会えるであろう!?地球外知的生命体に向けたメッセージが搭載されています。
もちろんこれは巨額を投じて打ち上げられた探査機に積み込まれたモノですので、悪ふざけでもなんでもなくいたって真剣で真面目な試み。
ここでは、そんな異星人に向けたメッセージとはどんなモノなのかについて調べてみました。
現在、地球から遠く離れた宇宙空間を飛び続け、太陽系から離脱しようとしている無人探査機は5機あります。
それがパイオニア10号、11号。ボイジャー1号、2号。そしてニュー・ホライズンズの5機です。
これらの探査機は、太陽系内の惑星をそれぞれの任務で探査し終え、その後は太陽系の外へ進路を取り二度と地球へは戻らない旅に出ています。
そして太陽系外へ向かった5機の最期の任務は地球外生命体、異星人とコンタクトを取る事であり、それはいつ終わるとも知れない果てしない任務です。
それでは、この5機に課せられている太陽系外での任務と現在の位置について解説します。
パイオニア10号の任務と現在地
パイオニア10号は人類最初の木星探査に向かった無人探査機です。「Image Credit:Wikipedia」
1972年3月に打ち上げられたパイオニア10号は、1973年末に木星に到達。木星探査任務を完了したパイオニア10号は、その後太陽系を離脱する約53光年離れた恒星アルデバランに向けたコースを取ります。
2003年に交信が途絶えたパイオニア10号ですが、順調に航行していれば現在(2021年)は、地球から約150億キロほどの地点を飛んでいるハズです。
パイオニア11号の任務と現在地
パイオニア11号は人類最初の土星探査に向かった無人探査機です。「Image Credit:Wikipedia」
パイオニア11号は1793年4月に打ち上げられ、1974年12月に木星に最接近しています。
さらに1979年9月に土星に最接近し探査を行った後、太陽系外へ進路を取りましたが、先に打ち上げられたパイオニア10号よりも早い1995年11月に電力トラブルにより通信が途絶。
現在は地球から約140億キロ(2021年)の地点を航行中と思われます。
パイオニア10号と11号に積み込まれた異星人へのメッセージ
パイオニア10号と11号には、同じ異星人へのメッセージプレートが積み込まれています。「Image Credit:Wikipedia」
このプレートには、人間の男女の姿のイラストや、太陽系が宇宙でどの位置に存在しパイオニア号がどこからやって来たのか?を示す簡易的な地図が記述されています。
ボイジャー1号の任務と現在地
ボイジャー1号はパイオニア11号に続き、木星と土星の探査を主な任務として造られた無人探査機です。「Image Credit:Wikipedia」
ボイジャー1号は1977年9月に打ち上げられ、1979年3月に木星、1980年11月に土星の探査を行い、現在は地球から約200億キロ離れた位置を飛んでいて、現在もまだ地球との交信が出来る状況にある探査機です。
ボイジャー1号が地球と交信出来ることで、現在地も判明していて太陽圏から離脱していることもわかり、電池の消耗のため詳細な探査は出来ていないですが、今後の飛行が注目されています。
ちなみに、あまりにも地球から離れているため、ボイジャー1号からの電波が地球に届くのに15時間以上もかかるとの事。
ボイジャー2号の任務と現在地
ボイジャー2号は木星、土星に続き、人類初の天王星と海王星の探査を行った探査機です。「Image Credit:Wikipedia」
打ち上げは1977年8月。木星最接近が1979年7月。土星が1981年8月。
そして人類初となる天王星(1986年1月)。海王星(1989年8月)と、一機の探査機が4つの惑星探査を行ったのは快挙と言えます。
4つの惑星探査を行ったにも関わらず、まだ任務の終わらないボイジャー2号は、地球との交信を続けながら、現在は180億キロ地点を太陽系圏外に向け航行中です。
ボイジャー1号と2号に積み込まれた異星人へのメッセージ
ボイジャー1号と2号にはパイオニア号とは異なる、異星人に向けたメッセージが記録されたゴールドレコードが搭載されています。「Image Credit:Wikipedia」
ボイジャー号に搭載されたレコードには、実際の地球の自然の音や55カ国に及ぶ国々のあいさつの言葉など様々な情報が収録されています。
最新テクノロジーが搭載されたニュー・ホライズンズ
冥王星探査を主な任務とした無人探査機ニュー・ホライズンズ。2006年に打ち上げられ、木星(2007年2月)を探査ののち、2015年7月に人類で初めて冥王星に到達しています。
「Image Credit:Wikipedia」
ニュー・ホライズンズは2016年まで冥王星の探査を行い、その後太陽系の外縁部に存在するエッジワース・カイパーベルトの探査に向かい、このカイパーベルト内にある天体(2014MU69)を観測する予定で、そしてその痕は太陽系圏外へ旅立ちます。
ニュー・ホライズンズに課せられた異星人に対するメッセージはパイオニアやボイジャーとは違い、現在の科学技術を駆使した方法を取るとの事。
それは「人類からエイリアンへ向けたデジタル・メッセージ」というプロジェクトで、これを公募で募集して、人類からエイリアンたちへ向けたメッセージを太陽系圏外に向かうニュー・ホライズンズ向けて送信するという試み。
これは、プレートやレコードといったモノではなくデジタル・メッセージ。
最新テクノロジーを用いた手法ですが、万が一ニュー・ホライズンズに通信トラブルが起きた場合は、このプロジェクトは失敗するかも知れないというリスクもあります。
太陽圏外へ向かう5機の探査機の軌道を確認する方法
ここまででご紹介した5機の太陽圏外探査機。これらの今の動きをネットで見ることが出来ます。●参考サイト:【太陽系脱出軌道上の宇宙機】
既に交信が途絶えたパイオニア10号と11号は推定の軌道で位置を測定していますが、それ以外がかなり正確に位置がわかるとの事です。
異星人とのコンタクト。人類の夢を乗せた探査機ですが、これから数万円、数十万年と旅が続きます。
異星人と接触出来るかどうかは奇跡、いや皆無かも知れませんが、それでも期待度が0%でない限りは、真剣かつ大真面目なメッセージを乗せて飛んでいるのです。