地球周辺を飛び交う小惑星は多数あり、それを地球近傍小惑星と呼びます。
そんな地球近傍小惑星は、時に地球に最接近し衝突する可能性もあり、人類はもとより地球全体を破壊してしまう危険性を秘めています。
そして今。地球近傍小惑星の中でNASAが注目している小惑星があり、NASAはこの小惑星に探査機を打ち上げ調査しています。

実は、NASAが探査対象にしているこの小惑星は、近い将来に地球に最接近し衝突するのでは?という危険なウワサも流れているのです。
果たして、NASAが小惑星に探査機を送る理由は何なのでしょうか?
地球衝突の危機を回避するため?それとも他の目的が?今回はこの小惑星探査についていくつか調べてみました。

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地球周辺を飛び交う近傍小惑星の存在

地球近傍小惑星は地球に接近する軌道を持つ小惑星のことで、時として地球に危険を及ぼす可能性も持っています。
そんな小惑星は大小様々で無数、数メートル~数十キロと大きさも幅広く地球周辺軌道に分布しています。

「Image Credit:NASA/JPL-Caltech」
ちなみに、話題となったJAXAの小惑星探査機・はやぶさが探査をした小惑星「イトカワ」や、はやぶさ2が探査した小惑星「リュウグウ」も地球近傍小惑星に属する天体です。

「Image Credit:小惑星イトカワ(左)とリュウグウ(右)(JAXA宇宙航空研究開発機構より)」
地球近傍小惑星の中でも地球に接近する危険性を持つ天体は監視対象となっており、軌道計算をされている小惑星は1万個近くに及び、結果として現時点では当面地球に衝突する危険性はないものと報告されています。
実際、これまでの地球史の中で、地球の生態系に危険を及ぼすような小惑星が衝突した例は少なく、その確率は百万年に1回ほどと言われています。

しかし、あくまでもそれはこれまでの話で、私たちが生きている間に地球に甚大な被害を及ぼす危険が全く無いとは言い切れません。

そんな中、今注目されている地球近傍小惑星がありその小惑星の名前を「ベンヌ」といい、「ベンヌ」は2100年代後半から2200年代初頭にかけて地球にかなり接近するとされており、地球に衝突する可能性も上がって来ていると考えられています。
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小惑星「ベンヌ」が及ぼす危険性とは?

小惑星「ベンヌ」は、1999年に発見された地球近傍小惑星で、平均直径487メートルで、それほど大きな天体ではなく約6年周期で太陽を公転している小惑星です。

「Image Credit:Wikipedia」
ベンヌの軌道は太陽に近づく近日点が地球公転軌道の内側を通り、太陽から離れる遠日点が火星公転軌道の内側と地球の軌道と交差する極めて不安定な公転軌道をとっており、直径500メートルにも満たない小さな天体・ベンヌが地球軌道近くを通過する際、地球の重力の影響を受け軌道がズレてしまう可能性もあり、これにより今後ベンヌは地球と月の間をすり抜ける異常な軌道を通る可能性が浮上しています。

ベンヌが本当に極めて危険と認定された場合は、地球に衝突する可能性が高く、衝突した際の破壊力は凄まじく広島型原子爆弾の200倍にも匹敵すると予想され、地球規模の大参事で人類文明崩壊の危機にもつながる可能性があると指摘する人もいるほどです。

NASAが小惑星「ベンヌ」に探査機を送る目的とは?

今後、地球に衝突する可能性のあるとされる小惑星「ベンヌ」ですが、詳細な軌道分析によると、ベンヌが地球に衝突する確率は2,700分1で深刻に考えるほどではないと言いますので、今のところ危険は回避できそうなベンヌですがNASAはこの小惑星に探査機を打ち上げ調査を行いました。

目的は危険な天体の調査。ではなく、この小惑星が非常に興味深い要素を持つからであり、その要素とはベンヌは炭素系小惑星だと考えられており、この天体を調査することで太陽系創世期の有機分子を採取出来る可能性があり、NASAは、日本の小惑星探査機「はやぶさ」が行ったように、天体のサンプルを地球に持ち帰る”サンプル・リターン”の探査ミッションを行うことになります。

ミッションの名前は「オシリス・レックス」。
2016年に打ち上げ、2019年に小惑星ベンヌ到着し、サンプルを採取した後、2023年に地球に帰還する予定になっています。


「Copyright ©:NASA Goddard All rights reserved.」
「オシリス・レックス」の探査目的は、炭素系小惑星ベンヌに眠っている太陽系創世期のサンプルを採取することですが、ベンヌが地球に衝突する危険性がゼロなワケではありません。

NASAがベンヌを探査に選んだ理由は、他にも危険を回避するための対策のひとつで、このミッションにはそんな目的も隠されているのでは?と考える人もいますが、果たして?

小惑星「ベンヌ」が地球に衝突する確率が高まったら?

もし、小惑星ベンヌが2,700分1の確率で、地球に衝突するとなった場合、人類はどう未曽有の危機回避の対策をとるのでしょうか?
実は、NASAは地球近傍小惑星の今後100年に渡る軌道を予測しており、どの小惑星が地球に危険を及ぼすか?を概ね把握しているといいます。

それにより、今後の危機回避の対策を打つことも検討されており、その1つにレーザー照射で小惑星の軌道を逸らす研究も行わていると言います。
もちろん、現在の技術ではこの方法は確立されていませんが、小惑星ベンヌが地球に最接近するとされる未来の2135年には、この技術が完成し、地球を危険から守る時代がやって来るかも知れません。

さらには、このような↓↓恐ろしい結末も避けることも避けることが出来るかも知れませんね?!


「Copyright ©:Anselmo La Manna All rights reserved.」
※ 追記:小惑星ベンヌの探査に向かった「オシリス・レックス」は、2018年12月に小惑星ベンヌに到達し調査を行った後、2020年10月にベンヌ表面から試料を採取し2021年に地球へ向けて帰還の途につきました。
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