つい先日、2024年に肉眼で見える彗星がやって来るかも知れないとお伝えしたばかりでしたが、実はもう1つ巨大彗星が接近し、この彗星も肉眼で見える可能性が高いとの情報が入って来ました。
その彗星の名は「ポンス・ブルックス彗星」。
この記事を書いているのは2024年1月上旬。ポンス・ブルックス彗星がやって来るのはその4カ月後の4月中旬頃。つまりもうすぐやって来るのです。

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巨大彗星「ポンス・ブルックス彗星」とは?

今回ご紹介する彗星は短周期彗星(公転周期が20年~200年)の「ポンス・ブルックス彗星(12P/Pons-Brooks)」で、もう何度も地球周辺に飛来して来ている彗星なのですが、同じ短周期彗星のハレー彗星のようにあまり知られていません。

「Image Credit:1986年に訪れたハレー彗星(Wikipediaより)」
知名度が低い理由は、単純にハレー彗星程の大彗星にはならず、あまり明るく見えなかったという事が要因であり、また、今回の最接近時の光度予想も、肉眼の観測が難しい5等級前後とそれほど期待度は高くありませんでした。
ポンス・ブルックス彗星の核はエベレスト(標高8,849m)の3倍程の大きさ(約3キロ)があり、約70年周期で太陽を周回し、前回、回帰した太陽最接近時(近日点)は1954年5月22日。その時の記録を調べてみましたが、あまり明るくはならなかったようでした(6~7等級程度)。
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ポンス・ブルックス彗星の注目度が上がった理由とは?

そんな知名度の低い彗星が何故、ここに来て急に注目を浴びる事となったのでしょうか?
それは、ポンス・ブルックス彗星の核はクライオマグマ(極氷火山)の性質を持っており、水、アンモニア、メタンなどの揮発性物質を放出している事は以前からわかっていたのですが、太陽に接近するに連れ活動が活発化し明るさが増して来たらしいのです。

この彗星は過去何度もアウトバーストと呼ばれる爆発を起こしており、その度に多くのガスや塵等を放出。それらが太陽光に照らされ明るさを増し続けて来ました。

「Image Credit:2023年11月に撮影されたポンス・ブルックス彗星(Eliot Hermanより)」
2023年に入って何度もアウトバーストを起こしているポンス・ブルックス彗星は、急激に明るさを増し近日点を迎える頃には肉眼でもハッキリ見える程になるのではないか?と期待が高まって来ているのです。

ポンス・ブルックス彗星の見頃と見える方角は?

ポンス・ブルックス彗星の近日点通過は2024年4月21日との事。つまり、その日の前後からが見頃になると予想され、まだ薄暗い日没直後が観測のチャンスだそうです。

「Image Credit:ILLUSTRATION BY ANDREW FAZEKAS」
上画像↑↑画像を参考にすると、目印となるのは西の空で明るく輝く木星で、上手く彗星が輝けば、長い尾を引くポンス・ブルックス彗星ハズです。
また、2024年6月2日が地球に最接近(近地点)する日で、この時、ポンス・ブルックス彗星と地球との距離はおよそ2億キロ。だいぶ距離は離れていますが、それでも5~6等級程の明るさで見えるとの事で、ギリギリ肉眼、もしくは双眼鏡等を使えば良く見える可能性があり、見える方角は東の空で「しし座」を目印にすると良いでしょう。
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皆既日食と彗星のコラボの大天体ショーも期待か?

ポンス・ブルックス彗星が近日点を迎える直前(2024年4月8日)は、アメリカ、カナダ、メキシコの一部地域で皆既日食が見られます。

「Image Credit:iStock」
もしこの時、好条件であれば皆既日食時に彗星が現れ、前代未聞の素晴らしい天体ショーを体験できるかも知れません(日本で見られないのが残念です。)
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