太陽系第7番目の惑星「天王星」は、他の惑星たちとは一線を画し一風変わった特徴を持つ天体です。
それは地軸が横倒しになっていて、横道面をまるでゴロゴロと転がるように自転しながら太陽の周りを公転しています。
そしてまた土星と同じように天王星全体を取り巻く輪(環)を持つことも有名。
今回はそんな不思議な星・天王星にについて調べてみました。
この記事でわかること
天王星の基本情報
天王星は、太陽系の惑星の中で木星・土星に次ぐ3番目に大きな星で地球の4倍超の大きさがあります。この惑星は、以前は木星や土星と同じようにガスで覆われていて陸地が存在しないガス惑星として考えられていましたが、近年の探査により水素ヘリウムといったガスで覆われた表面の下にメタン、ヘリウム、アンモニアといった物質が氷や液状となって構成されている氷の惑星だということが判明しています。
「Image Credit:天王星の内部構造モデル(Wikipediaより)」
「天王星の基本データ」
- 直径:51,118キロ
- 質量:地球の約14倍
- 太陽からの距離(平均):2,877,000,000 km
- 公転周期:84.25年
- 自転周期:17時間14分
- 表面気圧:約0.1気圧
- 表面温度:約マイナス200度
- 表面重力:8.87 m/s²(地球の約0.9倍)
- 地球の0.9倍衛星数:27個(2021年現在)
「Image Credit:Getty Images」
このボイジャー2号は1986年に天王星に到達し、滞在時間はわずか約24時間という短い間に、天王星に磁場の確認と10個の衛星の発見し、また天王星のリング(環)の詳細を調査し大きくこの星の謎に迫る活躍をしてくれました。
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天王星の最大の特徴「環」と「地軸の傾き」の謎
天王星が太陽系の惑星の中で最も変わっているのが、地軸が大きく傾き横倒しになっている事。それにより、天王星を取り巻く環も縦方向に取り巻いているように見えます。
この天王星の地軸の傾きは97.9度もあり、ほとんど横倒しになっている状態です。
では何故、地軸がこんなにも傾いてしまったのか?その原因については推測ではありますが、おそらく太陽系の創世期の段階で天王星もまだ不安定な状態であった頃、巨大な天体が2度に渡り天王星に衝突したジャイアントインパクトにより衝撃で地軸が大きく傾いてしまったのではないか?と考えられています。
なお、天王星のリングは土星のように大きくハッキリと見えるものではなく、ガスや氷、塵といった物質が比較的薄く取り巻き、現時点では13本環が発見されています。
「Image 天王星のリング(Wikipediaより)」
天王星の5大衛星
天王星にはこれまで27個の衛星が発見されています。(2021年現在)その中でも大きいサイズの衛星は5大衛星と呼ばれ、天王星の内側から順にミランダ、アリエル、ウンブリエル、チタニア、オベロンが存在しています。
「Image Credit:Wikipedia」
- 第1衛星「ミランダ」天王星からの距離:約13万キロ
ミランダの直径は約470キロと5大衛星の中では最も小さく、そのため表面がゴツグツ歪で深さ20キロ以上の渓谷がいくつも走っているのが特徴です。 - 第2衛星「アリエル」天王星からの距離:約19万キロ
アリエルの直径は約1,100キロと比較的小型ですが、5大衛星の中では最も明るく見える星です。 - 第3衛星「ウンブリエル」天王星からの距離:約26万キロ
ウンブリエルの直径は約1,170キロとアリエルより少し大きく、特徴は赤道付近にある明るい環状の構造物。残念ながら現時点での乏しいデータではこれが何なのかは判明されていないようです。 - 第4衛星「チタニア」天王星からの距離:約43.6万キロ
ウンブリエルの直径は約1,580キロと天王星の衛星の中では最も大きな衛星です。 - 第5衛星「オベロン」天王星からの距離:約58万キロ
ウンブリエルの直径は約1,520キロとチタニアに次いで大きな衛星です。
そのため、生命存在の可能性等、あまり注目を集めるような天体は存在していないようです。