木星は太陽系で最も大きな惑星であり、地球のような表面を岩石で覆われた惑星ではなく、惑星全体がガスで構成され陸地など存在しないガス惑星でもあります。
そんなガス惑星と同じような構造を持つ太陽系天体は他にも存在し、最大のガス天体が太陽であり主に水素とヘリウムで構成されています。
そこで今回は、木星は太陽と似ているのに、何故太陽のような恒星になれなかったのか?といった素朴な疑問についてお話したいと思います。
また他にも、巨大な惑星である木星が与える地球への影響などについて調べてみたいと思います。
木星の基本データ(地球との比較)
木星は、太陽系最大の惑星と言うだけあってとても巨大な天体です。それは、私たちの地球と比較してみると一目瞭然で、かなり大きいことがわかるのではないでしょうか。
「Image Credit:Wikijunior」
そして以下の情報が、木星と地球を比較した基本データとなります。
木 星 | 地 球 | |
---|---|---|
太陽からの平均距離 | 7億7,830万キロ | 1億4,960万キロ |
赤道半径(直径) | 71,492キロ | 6,378キロ |
平均密度 | 1.33g/cm³ | 5.52g/cm³ |
体積(地球を1とした場合) | 1,321.33 | 1 |
質量(地球を1とした場合) | 317.83 | 1 |
重力(地球を1とした場合) | 2.37 | 1 |
公転周期 | 4,332.589日 | 365.257日 |
自転周期 | 0.414日 | 0.9973日 |
衛星数 | 65個 | 1個 |
しかし、その巨大さのわりには質量(重さ)が地球の約300倍強ほどしかなく、それに比例して重力も約2.5倍ほどの比較的軽い天体ではないかと言えます。
木星が太陽になれなかった理由
冒頭でも記述しましたが、木星は主に水素やヘリウムで構成されており、これは太陽に良く似た構成になっています。となれば、木星は太陽のように自ら輝く恒星になっていてもおかしくないのでは?という考えもありますが、以下に巨大な惑星とは言えど、木星が恒星になるには、圧倒的に質量が不足しているからなんです。
天体が自ら輝けるようになるには、つまり太陽のように、天体内部で熱核融合反応を起せるようになるには、木星の場合あと70~80倍以上の質量が必要になると考えられています。
「Image Credit:Wikimedia」
仮に、木星にそれだけの質量があったとした場合、太陽系は太陽が2つある連星になっていたハズです。
もし、太陽系が連星だった場合、太陽系の重力のバランスも大きく崩れ、おそらくは地球のような生命溢れる惑星は誕生していなかったのではと考えられます。
地球が木星から受ける影響
地球と木星は距離が6億キロ以上も離れているため、地球が木星から直接受ける影響はほぼ無いと言えます。しかし、地球の外側に、木星のような巨大な重力を持つ天体が存在することによって、少なからず地球は恩恵は受けていると考える人もいるようです。
「Image Credit:NASA」
その恩恵とは、木星や土星といった質量の大きな惑星が複数存在することによって、太陽系が絶妙なバランスを保っていられる事だと言うのです。つまり、木星という大型惑星が地球の外側(外惑星)にある事が大きな意味を持っているとされ、これにより惑星軌道の重力バランスが取れているとの事。もし、太陽系がこのような構造で無かった場合は、地球の軌道は大きく反れていた可能性があるとの事です。
また、太陽系外縁部からやって来る小惑星や彗星など、地球に最接近し万が一にでも衝突しそうな天体を、木星の巨大な重力が引きつけてくれているという、バリア的な恩恵もあるとの見解もあるようです。
もちろん、それは全ての危険な天体を木星が引き付けてくれているワケではありませんが、それでも木星の存在により地球はだいぶ安全になっていることもあるとの事です。
人類の今後の木星探査
人類は今後も木星に無人探査機を送る予定です。それはもちろん、木星本体の調査をするミッションもありますが、その中でも大きく注目を浴びているのが、木星のガリレオ衛星の1つ「エウロパ」ではないでしょうか。エウロパは表面を氷に覆われた極寒の天体ですが、木星の巨大な重力による潮汐力でエウロパ内部が摩擦熱で暖められ、それによって内部の氷が溶け、地下に液体の海が広がっていると考えらています。
「衛星・エウロパの内部構造(想像図)」
「Image Credit:Wikipedia」
つまり、液体の海があるということはそこに生命が存在する可能性もあるワケで、人類はそれを期待し2020年代から2030年代にかけてエウロパの詳しい調査をする予定でもあります。
また、まだ先の話ではありますが、有人でも今後木星探査を行う計画もあるとの事。
この木星探査は2040年代に行うとされていますが、技術的な問題と莫大な費用など大きな課題をクリアしないとこの挑戦の実現は難しそうです。