このサイトでも何度もお伝えしていますが、NASAが打ち上げた木星探査機ジュノーが次々と木星の謎を解明してくれ新事実が明らかになりつつある木星ですが、ジュノーは木星の象徴と言うべき大赤斑についても観測し謎解明に挑んでいます。
ここでは、大赤斑を含むジュノーが捉えた木星の最新画像とその正体。さらに、いくつかの新しい木星情報をご紹介したいと思います。
木星の巨大な渦巻き「大赤斑」とは?
宇宙・天文に詳しくなくても太陽系の惑星の中で大きなリング(環)を持つ土星や、縞模様の中に大きな目玉(斑点)を持つ木星くらいは誰でも知っているかと思います。そんな木星の特徴的な斑点の事を「大赤斑」と呼び、その大赤斑は市販の天体望遠鏡でも確認出来るほど巨大なモノです。
「Image Credit:Wikipedia」
そもそも木星自体の大きさが地球の11倍もあるため大赤班はそれほど大きくないようにも見えますが、実際は地球が丸ごと入るほどの大きさがあります。
「Image Credit:NASA」
そんな大赤班の正体は木星の大気層の中で作られた嵐の渦で、地球で言うところの台風やハリケーンに近い現象さと考えられており、時速約100キロという猛烈な速さで渦巻いています。
また、地球の台風は数日~数週間ほどで消滅しますが、現在木星に存在する大赤斑は発見から300年以上経過してもなお消滅せずに存在し続けています。
ですが何故、木星の大赤班はこれほどの長期間に渡り存在し続けているのでしょうか?
原因はハッキリとしていませんが、おそらく木星の巨大な重力で渦を巻くエネルギーが継続しているものと思われています。
ジュノーが至近距離で捉えた木星の大赤斑の姿
木星探査機ジュノーは、大赤班の上空9,000キロという至近距離に近づき撮影に成功しました。「Image Credit:ジュノーの観測よって得られたデータに基づいて作成された大赤班のアニメーションJet Propulsion Laboratory」
この大赤班について最近の観測で明かになったのが、大赤斑の上空800kmのエリアは摂氏1,300℃以上の高温になっていうことが判明。この原因については、大赤班で起こる激しい嵐の圧力よって発生した音波が、上空の大気を過熱しているモノと考えられています。
このように巨大な大赤班ですが、発見されてから約300年経過してもなお存在し続けるも、徐々に小さくなりつつあるのがジュノーの観測で明かになっています。
さらに、楕円形だった大赤班も上画像↑のように円形に近づいて来ているのも、この観測で判明していますが、これが今後どうなって行くのか?は不明で、このまま円形になっていくのか?それとも地球の台風のように消滅してしまうのか?この謎については今後の観測で解明される行くものと思われます。
木星の大気はどうなっているのか?
巨大で長く勢力を保つ嵐(大赤班)を発生させている木星の大気とはどうなっているのでしょうか?探査機ジュノーは、木星の大気も観測し謎を解き明かそうとしています。
「Copyright ©:NASA All rights reserved.」
木星はご存じのようにガス惑星で、地球のような岩石惑星とは違い陸地や海が存在しないガスで形成されており、現在わかっている木星の大気構成は、水素(比率:約90%)やヘリウム(比率:約10%)が主で、約1,000キロにも及ぶ厚さがあり、そんな厚い大気層でも大赤班のような嵐を造り出すには大気の対流というエネルギーが必要になって来ます。
では、大気の対流を生み出す動力源は何なのでしょうか?
それは、巨大な惑星である木星内部に生じる熱源であると考えられ、中心部の温度は摂氏3万度を超え、ここからの熱源によりガスを対流させ巨大な嵐を生み出すエネルギーにもなっていると考えられています。
木星において大赤班は特に巨大な嵐ですが、ジュノーの詳細な観測により、木星の大気層には数えきれないほどの数の嵐が発生していることも確認されています。
「Image Credit:極地方に密集する嵐の渦(NASA)」
この木星の構成から、最近の研究で木星は太陽系の惑星の中で最も古い惑星ではないか?との説が持ち上がっています。
つまり、太陽系が生まれたとき一番最初に出来た天体は太陽であり、太陽が出来たときの周りを囲む言わば太陽形成時に余った物質が集まって木星が出来、さらに余った物質で地球を含む他の惑星たちが造られたのではないか?という説です。
「Image Credit:原始太陽系想像図(Wikipediaより)」
木星を形成しているガス物質が太陽に似ている理由はそこにあり、もし、木星にもう少し質量があれば(とは言っても、今の木星の70~80倍以上の質量)その質量で内部がさらに高圧になり熱核融合が発生し、木星は第二の太陽となって太陽系は連星なっていたかも知れません。
そして、太陽系に第二の太陽が誕生していた場合、生命に溢れた地球は誕生しなかったでしょう。
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木星はご存じのようにガス惑星で、地球のような岩石惑星とは違い陸地や海が存在しないガスで形成されており、現在わかっている木星の大気構成は、水素(比率:約90%)やヘリウム(比率:約10%)が主で、約1,000キロにも及ぶ厚さがあり、そんな厚い大気層でも大赤班のような嵐を造り出すには大気の対流というエネルギーが必要になって来ます。
では、大気の対流を生み出す動力源は何なのでしょうか?
それは、巨大な惑星である木星内部に生じる熱源であると考えられ、中心部の温度は摂氏3万度を超え、ここからの熱源によりガスを対流させ巨大な嵐を生み出すエネルギーにもなっていると考えられています。
木星において大赤班は特に巨大な嵐ですが、ジュノーの詳細な観測により、木星の大気層には数えきれないほどの数の嵐が発生していることも確認されています。
「Image Credit:極地方に密集する嵐の渦(NASA)」
木星は太陽系最古の惑星か?
ガスで形成されている木星。水素やヘリウムで出来たその構成は太陽に良く似ています。この木星の構成から、最近の研究で木星は太陽系の惑星の中で最も古い惑星ではないか?との説が持ち上がっています。
つまり、太陽系が生まれたとき一番最初に出来た天体は太陽であり、太陽が出来たときの周りを囲む言わば太陽形成時に余った物質が集まって木星が出来、さらに余った物質で地球を含む他の惑星たちが造られたのではないか?という説です。
「Image Credit:原始太陽系想像図(Wikipediaより)」
木星を形成しているガス物質が太陽に似ている理由はそこにあり、もし、木星にもう少し質量があれば(とは言っても、今の木星の70~80倍以上の質量)その質量で内部がさらに高圧になり熱核融合が発生し、木星は第二の太陽となって太陽系は連星なっていたかも知れません。
そして、太陽系に第二の太陽が誕生していた場合、生命に溢れた地球は誕生しなかったでしょう。