太陽系外縁部にある辺境の天体「冥王星」。
その遠く離れた天体に、私たち人類は探査機「ニューホライズンズ」を送り詳しい調査を行いました。
そんなニューホライズンズの探査は大成功をおさめ、これまで未知の星だった冥王星の新事実を次々に地球に送ってくれました。
そして得られた冥王星の新事実の1つに、厚い氷に覆われた地下には液体の海が広がっている可能性があるというのです。
もし、それが事実なら、もしかしたら冥王星の海に生命が存在している可能性も捨て切れません。
無人探査機「ニューホライズンズ」から得た冥王星の真実
地球から冥王星まで、最短距離でも約50億キロもあります。これだけ地球から離れているのであれば、太陽の光もほとんど届かず、言わば暗黒の宇宙に冥王星は存在しているワケで、そこは太陽の恵みも少ない場所であり同時に超極寒の世界で、私たち地球に住む生物が常識的に考えた範囲内においては、生命などとても生息できない超過酷な環境に違いありません。
「Image Credit:太陽から遥か離れた冥王星地表のイメージ(ALAN STERN AND MARK BUIE, SOUTHWEST RESEARCH INSTITUTE; JEFF MOORE, NASA; WILL GRUNDY, LOWELL OBSERVATORY)」
事実、冥王星の探査を行っている無人探査機「ニューホライズンズ」も、この星の過酷な環境を捉え地球にデータを送ってきています。
冥王星には氷に覆われた大地が広がり、氷の火山や凍った窒素で出来た平原など様々な冥王星の素顔を捉えていて、さらに新たにわかってきたのが、氷で覆われた冥王星の地下には液体の海が広がっている可能性があるとの事です。
何故、氷の星・冥王星の地下に海があるのか?
ニューホライズンズの探査では、冥王星の地表に地殻変動の痕跡を発見しています。なお、地殻変動が起こるには太陽からの巨大な潮汐力が原因とも考えもありますが、太陽から遠く離れその影響を受けにくい冥王星で、地殻変動が起きるのは考えにくいと専門家たちは首をかしげているようです。
冥王星で何故、地殻変動の痕跡があるのか?は謎ですが、この現象が確認されたからには地下には熱を起こす何か(核)があり、その周りには氷ではなく暖められた液体の水らしきモノ(海)もあるのではないか?
と考えられています。
冥王星の地下に生命はいるのか?
冥王星の地下に、氷が溶けた液体があったとしても、それが必ずしも水である保証はありません。その証拠に、冥王星表面を覆う氷の成分は窒素であったりメタンと炭化水素の層も確認されています。
「Image Credit:NASA/JHUAPL/SwRI」
また、もし液体があった場合でもそこは熱せられた核に近い場所である可能性が高いとの事で、かなり深い場所に液体の海?が存在するのでは?という仮説が持ち上がっています。
こうなれば、冥王星に生命?ということは限りなくゼロに近いという事になるかも知れませんが、それでもそこに生命がいる可能性があるとしたら・・・と思うとロマンも沸いてくるのではないでしょうか?
とにかく、ニューホライズンズの冥王星探査は終了しましたが、この探査により次々に発見があったモノの事実でそれに伴い謎も深まっています。
今後、人類がまた冥王星に探査機を送る予定があるかどうかはわかりませんが、送るとしたら今度は生命探査もミッションに組み込まれるかも知れませんね?!