地球の衛星は「月」だけ!だと言う事は誰もが認識している言わば常識です。
しかし、その常識が間違っている可能性が出て来たという研究発表があった事をご存じでしょうか?

地球の衛星は月だけではなく他にも存在し、しかもそれは2つもあるって事!?でもそれを私たちは見る事は出来ないらしいのです。
「地球の衛星なのに何故見ることが出来ない?」それってどういう事なのでしょうか?

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新たに見つかった地球の衛星?はどこにあるのか?

このほど、ハンガリーの天文学者と物理学者のチームが研究発表した月のように地球を周回する天体の存在で、発表によると、地球から約40万キロ離れた軌道上にそれは存在ししかも2つもあると言います。
ただ、それは月のような衛星として形成されている天体では無く多くの塵が集まった雲状のようなモノという事であり、実はこの雲は50年以上前から存在が予想されており、今回の研究で明らかになったと報じられています。
そんな天体(雲)の名前は、初めて存在を提唱したポーランドの天文学者に由来して名付けられた「コーディレフスキー雲」。
「コーディレフスキー雲」が確認された場所は、ラグランジュ点と呼ばれる地球と月が及ぼす重力が平衡する影響で、小天体が捕らわれてしまうポイントにあり、現在ラグランジュ点は5つ確認されており「コーディレフスキー雲」が見つかったのはそのうちのL4とL5のポイントだとされています。

「Image Credit:ラグランジュ点の位置を示す重力比(Wikipediaより)」
ちなみに余談ですが、このラグランジュ点は重力が平衡するため軌道も安定している事から、人類が将来スペースコロニー(宇宙植民地)を建設する候補宙域としても有力視されています。

「Image Credit:スペースコロニーの想像図(Wikipediaより)」

「コーディレフスキー雲」はどれくらいの大きさ?

天体観測技術が進歩し、太陽系外の惑星でさえも発見出来る時代に何故すぐ近くにある天体を発見できなかったのでしょうか?
その理由は単純で、その天体が薄い塵(直径1マイクロメートルほど塵)の集まりである事にあり、しかもそれは、非常に幅が広く約10万キロにも及んでおり、塵が太陽光に反射する光も極めて微弱だったため今まで見つかっていませんでした。

「Image Credit:ILLUSTRATION BY GABOR HORVATH」
また、この「コーディレフスキー雲」は偶発的に出来たものとされますが他にもある事が予想されており、この雲の塊がを発見する事で、軌道が安定しているポイントの目印としても今後の宇宙開発において重要な役割をなるかもしれない。とも言われています。
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他にもあった?月以外の衛星

「コーディレフスキー雲」を衛星として認識するには少し無理があるかも知れませんが、地球を周回する天体は他にも存在し、最近発見された中で大きな天体だとされるのが直径40~100メートルほどある「2016HO3」という小天体です。
この「2016HO3」の軌道は少し変わっており、軌道自体は非常に安定して地球を周回しているため準衛星と呼ばれる天体です。


「Copyright:NASA Jet Propulsion Laboratory All rights reserved.」
なお、「2016HO3」は公転軌道が地球に接近する「アポロ群」と呼ばれる小惑星グループに属しており、他にもその軌道要素によって分類される「アテン群」や「アティラ群」、「アモール群」といった小天体のグループが存在しています。

地球周辺に多く存在する危険な天体

今回ご紹介した「コーディレフスキー雲」や「2016HO3」は、地球を衛星のように周回する天体で地球に影響を及ぼすモノではないですが、地球近傍には「潜在的に危険な小惑星」と注視されている天体も多く存在しており常に観測の眼が向けられています。
ちなみに、現在発見されている潜在的に危険な小惑星は約1,300個もあり、その中でも最も大きいのが直径約8キロ以上はあるとされる「1999JM8」。
この小惑星は約6,500万年前に地球に衝突し、恐竜絶滅を招いた巨大隕石に匹敵する大きさだと言います。

「Image Credit:潜在的に危険な小惑星・1999JM8(Wikipediaより)」
現在のところこれらの小惑星が地球に衝突する危険はありませんが、まだ未発見の天体も数多くあると予想されておりそれが地球に衝突しないとは言い切れていません。
そして残念ながら、もしこれらどれか1つでも地球に衝突する事実が判明されたとしても、今の人類に衝突の危機を回避する術はないのも現実です。
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