人類史上最高の映画シリーズとまで称されるジェームズ・キャメロン監督のSF作品「アバター」も続編が制作・公開され大ヒットとなりました。

そんな「アバター」の舞台となるのが架空の星「パンドラ」。この神秘的な美しさを湛えるこの星は、以前このサイトでも実在する恒星系がモデルになっていると紹介して来ましたが、今回はそのモデルの星系に新たな情報が追加されましたのでリメイク版としてお届けします。

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映画アバターの舞台は地球に最も近い系外惑星

冒頭でも紹介しましたが、映画「アバター」は人類史上最高の映画シリーズとまで称される作品ですので、実際に映画を観られた方も多いかと思いますし続編も楽しまれたのではないでしょうか?

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この映画のは、実在する恒星アルファ・ケンタウリが物語の舞台となっています。

「Image Credit:Yahoo!キッズ図鑑」
地球から約4.4光年の位置にあるアルファ・ケンタウリ星系は、ケンタウルス座α星A、ケンタウルス座α星B、プロキシマ・ケンタウリの3つの恒星から成る三連星であり、物語の舞台がどの恒星を公転する天体なのか?については触れられていませんが、おそらくは、実際に生命存在の可能性がある惑星として発見された赤色矮星プロキシマ・ケンタウリ星系がモデルになっているのでは?と思われます。

そしてアルファ・ケンタウリ星系にあるアバターの星・パンドラは、惑星ではなく惑星(木星型ガス惑星ポリフェマス)を公転する衛星であり、根本的な環境が地球(惑星)とはかなり異なるようです。

「Image Credit:架空の星「パンドラ」から見た惑星ポリフェマス(james-camerons-avatar.wikia.comより)」
つまり、物語の舞台「パンドラ」は、太陽系で例えるなら木星の衛星「エウロパ」といったところでしょうか?!

映画「アバター」の舞台設定がリアル過ぎてスゴい!

これは私自身の考察も入ってはいますが、映画「アバター」の設定は化学的根拠に基づいてつくられていると考えています。
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パンドラに住む生物が巨大な理由

この映画に登場するパンドラに生息する生物たちは、先住知的生物ナヴィ族(身長約3m)をはじめ、ほとんどが巨大であるという事をお気づきか?と思います。
映画の設定ではパンドラの重力は地球の8割ほどしかなく、この低重力下に住む生物たちは重力に適応するよう進化した結果、地球の生物とは明らかに違う大きさを持っているようで、尚且つ、パンドラにが地球と似たような自然があるにも関わらず、人間は生身でその地に立つ事は出来ないというのもリアルな設定です。

これは、いくら地球に似た星があったとしても、そこが地球と同じ環境だと考えるほど甘くないという事を現しており、どんな星でもそれぞれに適した環境を構築し、おそらくはそこに適応した生物が生息しているだろうという考えを基に映画「アバター」はつくられているのではないでしょうか?

島が天空に浮かぶ理由

また、映画を観て不思議に思った方も多いかと思いますが、物語の中に空中に浮かぶ「ハレルヤ・マウンテン」と呼ばれる巨大な岩(島)が登場しています。

「Image Credit:天空に浮かぶ巨大な岩「ハレルヤ・マウンテン」(james-camerons-avatar.wikia.comより)」
この光景を観て、SF映画ならではの荒唐無稽なモノとして捉えた人も多いでしょう。
しかし、これも物理的な観点から考え実在していてもおかしくはなく、パンドラには強力な磁場を持つ場所が存在し、その場所にある磁気を帯びた巨大な岩が宙に浮かぶ事でこのような光景が生まれているとあります。
ただ、巨大な岩を空中に浮かべる程の強力な磁気を帯びた場所に、生物が立ち入れるのかどうかまではわかりませんが・・・

現実のアルファ・ケンタウリ星系はどんなところ?

アルファ・ケンタウリ星系は太陽系から最も近い恒星系です。

「Image Creditアルファ・ケンタウリ星系の三連星(Wikipediaより)」
前述もしましたがこの星系の恒星は、3つの恒星から成る三連星で最も大きいケンタウルス座α星Aが太陽質量の約1.1倍、ケンタウルス座α星Bが0.9倍なのですが、現時点でこの2つの恒星に惑星が存在するのか?については有力な情報はもたらせられていませんが、三連星の中で最も質量が小さい(太陽の12%)赤色矮星のプロキシマ・ケンタウリには、水が液体の状態で存続出来るとされる比較的温暖な領域ハビタブルゾーンに地球型の惑星が見つかっています。

しかしこの惑星が実際どんな天体なのか?はわかっておらず、ハビタブルゾーンに位置する地球型惑星なら大気と水が存在するのであれば、そこに生命が誕生している可能性はあるのですが、現時点での調査内容では主星(プロキシマ・ケンタウリ)から受ける放射線量が多く、生命存続には条件が厳しいとの報告がありますが、今後の調査次第ではその情報が覆る可能性もあり、またケンタウルス座α星Aやケンタウルス座α星Bにも生命が存在する可能性がある惑星(もしくはパンドラのような衛星)が見つかるかも知れません。

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将来人類はアルファ・ケンタウリ星系に行けるのか?

映画「アバター」の時代設定は西暦2154年とあります。つまり、今から約130年後の未来という事なのですが、月に人を送るのがやっとの現在において、130年後の未来とは言え4光年以上も離れた恒星系まで人が行けるようになるのでしょうか?
また、アバターではアルファ・ケンタウリ星系までの航行期間は6年とあります。つまり光の速さで4年以上かかる距離を6年で行けるという事は、その時代に人類は光の速さに近い速度で航行出来る宇宙船を建造出来るようになっているという事になるんですが、それって本当に可能なのでしょうか?

正直なところ、それが可能なのか?不可能なのかはわかりませんが、もしかしたら実現可能なのかも知れません。
その理由と言えるのが、現在計画が進行中の「ブレークスルー・スターショット」プロジェクトというモノがあり、それは実際にアルファ・ケンタウリ星系まで人間が造った探査機を送り込もうという計画です。

「Image Credit:www.cnet.com
この計画は車椅子の天才と呼ばれた宇宙学者スティーブン・ホーキング博士とロシアの投資家ユーリ・ミルナー氏がプロジェクトを発足したモノで、「スターチップ」と呼ばれる切手サイズの超小型探査機に1辺が1メートルほどの極薄の帆を取り、その帆にレーザービームを照射し光速の20%まで加速させ、アルファ・ケンタウリ星系に20年かけて到達させようという試みです。

ですが、実際にこの計画実現には20年の時間がかかるとの事で、予定どおり行けば2040年代にはアルファ・ケンタウリに向けて出発出来るようですが、まだこの計画の実現性には未知数のところもあるのが現実のようです。
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