このサイトでも何度も情報をお伝えしているオリオン座の一等星・ベテルギウス
赤色超巨星となった現在のベテルギウスは、間もなく星の寿命が終焉となり超新星爆発というカタチで最期を迎えようとしています。

そんなベテルギウスの最期の姿とも言える画像が最近になり公開され話題となっています。
果たして、ベテルギウスはいつ超新星爆発を起こすのでしょうか?
それとも大爆発は起こさず終焉を迎えるのか?気になるところです。

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誰もが知ってる?冬の星の代表格・ベテルギウス

ベテルギウスは、オリオン座の一等星でもあり冬の大三角を形成している星のひとつという事もあって冬の星空を代表する恒星の一つですので、天文ファンでなくとも多くの人がこの星の存在を知っているのではないでしょうか?

「Image Credit:YAHOO!JAPAN きっず図鑑」
しかし、そんな有名な星がまもなく寿命を迎え、私たちの前から姿を消そうとしている事はどれだけの人が知っているでしょうか?

爆発へのカウントダウン!?膨張を続ける晩年のベテルギウス

地球から約550光年離れている恒星ベテルギウスは、私たちの太陽の質量の20倍程あると推定され、大質量が故に代謝(熱核融合反応速度)が速く短命な恒星としても知られており、太陽の寿命は約100億年あるのに対しベテルギウスの寿命は約1,000万年ほどだと考えられています。
そして、現在のベテルギウスの年齢は800万歳を超え既に晩年の域に達しています。
恒星としての晩年を迎えたベテルギウスは、内部で起こっている熱核融合反応が不安定となり膨張を続けており、現在の大きさは太陽の1,400倍にも到達する赤色超巨星になっているとの事で、これにより、天体の直径が13億キロを超えていると想定され、ベテルギウスを太陽に置き換えると、地球の軌道を遥かに超え木星をも飲み込むほどの大きさになります。

「Image Credit:NHKより」

超新星爆発寸前の赤色超巨星ベテルギウス最新画像

膨張を続けている赤色超巨星・ベテルギウス。
最新のその姿を捕えたリアルな画像が公開されて話題になっています。

「Image Credit:Wikipedia」
見た目はオレンジ色のグミのような姿をしたベテルギウスですが、既に星としての球形を維持出来ておらずガスが流失し表面温度も不均等な状態になっており、表面にはコブのようなモノも飛び出していますが、これは恒星の全体バランスが崩れた事により、内部から噴出して来たガスが恒星表面を押し出しコブのように見えていると推測されています。
また、膨張すると同時に凄まじい勢いでガスや塵を放出させベテルギウスの周りを取り囲んでいる事も確認されています。

「Image Credit:MailOnline
さらに、ベテルギウスは周りの星々を飲み込んでいる事も考えられ、その1つに太陽サイズの恒星をも飲み込んだ形跡も見られると言い、その際もベテルギウスが放出した星(物質)の残骸も周りを取り囲んでいます。
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ベテルギウスは今後どうなるのか?

もう間もなく寿命が尽きようとしている巨星・ベテルギウス。
この星の最期は、派手な重力崩壊の超新星爆発を起こすと考えられています。
これまで、超新星爆発を起こした恒星はいくつも発見されていますが、ベテルギウスは別格で、多くの人たちがベテルギウスがいつ超新星爆発を起こすのか?に注目しています。

ですが、何故注目度が高いのでしょうか?
その理由は、ベテルギウスが地球に非常に近いという事にあります。
ベテルギウスと地球の距離は約550光年。人類は未だかつて、この近距離での超新星爆発を経験していません。
ちなみに550光年を近距離と表現しましたが、宇宙の距離感覚で考えるとこの距離はかなりの近距離と言えます。

また、恒星が超新星爆発を起こした場合、凄まじいエネルギーを一瞬で放出します。
それは、半径50光年の星々に壊滅的な被害を与えるほどだと推測されており、例え550光年離れた地球であっても、その影響はどうなるのか?経験していないだけにわかっていないのが現実です。
しかし、天文学者など多くの専門家たちは、太陽系や地球には影響は及ばないと考えており、それでも爆発の凄まじさは地球からでもハッキリと確認出来ると言います。

そんなベテルギウス超新星爆発を起こした場合、地球からはどう見えるのでしょうか?
といったイメージ動画も公開されています。
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ベテルギウスはいつ爆発する?

間もなく超新星爆発を起こすだろうとされるベテルギウスですが、この「間もなく」というのはいつのことなのでしょうか?
実は、それは誰にもわかっておらず、わかっているのは「いつ超新星爆発を起こしてもおかしくない状態」である事だけであり、その日は明日かも知れませんし1万年後かも知れないと何とも曖昧な表現になってしまします。そんな表現になってしまう理由は、宇宙のスケールはとてつもなく大きいという事にあり、「間もなく」と言い方しか出来ないのが現実のようなのです。

また専門家によっては、ベテルギウスは超新星爆発を起こさず、このままガスを放出し続けて収束するのでは?という考えもあるようです。

ベテルギウスの末路はブラックホールか?

通常、超新星爆発を起こす恒星は太陽質量の8倍以上だと考えられています。
ベテルギウスの場合20倍以上の質量ですので、超新星爆発を起こすには十分過ぎる質量があるのですが、現在の理論では30倍以上の質量があるとブッラックホールに変化かすると考えられており、それ以下だと中性子星になる可能性があるとされています。

「Image Credit:中性子星とブラックホールのイメージ(JAXA 宇宙情報センターより)」
単純に、ベテルギウスの質量であれば、ブラックホールではなく中性子星ではないか?とも推測できますが、もしかしたら、この質量でもブラックホールになる可能性が無いとは言い切れないと言います。

中性子星もブラックホールも、とてつもない巨大な重力を持つ天体です。
もし、550光年という近距離でこのような天体が誕生してしまった場合、これも人類が経験したことのない環境になることは間違いなさそうです。
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