地球に住む私たちにとって最も身近な天体は、毎日頭上に昇って来る太陽と、そして月ではないでしょうか。
そんな夜空に浮かぶ月を眺め「何故月はそこにあるの?どうして生まれたの?」等と、子供の頃にそう疑問に思った人もいるかも知れませんし、子供の疑問に対し少し答えを求めるのであれば、まず知りたいのが月誕生の起源はいったいどんなモノだったのか?実は、観測技術が発達した現在においても、その起源は完全に解明されておらず説としていつか推測されています。

ここではそんな月誕生についての最も有力な説について調べてみたいと思います。

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そもそも月はどんな天体?

月誕生について解説する前に、身近な天体・月について基本的な情報。この事についてはウィキペディアをご覧いただければ良いかも知れませんが、それよりももっと簡単に解説します。
まず月は、地球の周りを約1カ月かけて楕円軌道で公転している衛星です。
その楕円軌道は、最も地球に近い距離(近地点)で約36万キロ離れ、最も遠い(遠地点)が約40万キロ。その差約4万キロもの楕円で周っています。
月の大きさは地球の約4分の1で、地球のように大気は存在せず、重力も地球の6分の1です。
そして月も地球と同じように自転しているのに、何故かいつも同じ面を地球に向けている理由。
それについてはコチラで詳しく解説しています。
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新説「月はどうやって誕生したのか?」

1960年代から70年代前半にかけて行われた有人月面調査「アポロ計画」をはじめ、人類は月に様々な探査の目を向けています。
それらの探査でわかって来た月誕生の秘密。とは言ってもまだ確定はしておらず説の域から完全にが抜け出せてはいないのですが、ほぼ間違いないだろうというところまで来ています。
それが「ジャイアント・インパクト説」。
ジャイアント・インパクトとは、サイズがそんなに違わない天体同士が衝突することで、地球創世紀の約45億年前、水も生命もまだ存在していない頃、地球の半分ほどの大きさの天体が地球に衝突。

ちなみに、このとき地球に衝突した天体の事を「テイア」と呼ぶそうで、衝突したテイアは粉々に砕け、地球の周りを周る”環”になったそうです。
この説だと、かつての地球も土星と同じような環を持っていたということになります。
地球の環となった天体テイアの破片は、その後数億年の年月をかけて融合し、新しい天体を生み出した。それが月の誕生であり、つまり月は天体テイアの生まれ変わりとも言えるのではないでしょうか。

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しかし、この説に疑問を持つ科学者も多く、理由は地球と月の組成物質が良く似ているという事。
もし、月が天体テイアの生まれ変わりなら組成はテイアに似ているハズで地球とは異なるハズ。そのため必ずしもこの説が確定ではないということを物語っていて、地球と月は同じ時期に2つに別れて星を形成し、惑星と衛星になったのではないかという説も有力となっています。

月は今後どうなる?そして地球の運命は?

月は変わらず地球の周りを周っていて、惑星と衛星の関係を保っていますが、いずれはこの関係が崩れていくとの事。

実は月は毎年3.5センチずつですが地球から遠ざかっています。
現状では3.5センチとわずかですので影響はありませんが、これが数千万年~数億年と経過して行くと地球から離れる距離も広がり、距離が離れると公転スピードも遅くなります。
そうなると地球と月の関係は崩れ、これまで地球が月から恩恵を受けていた潮の満ち引き等の潮汐力も無くなり自然のバランスが崩れ、地球生命は壊滅的打撃を受けてしまうかも知れません。
また、潮汐力が無くななれば地球の自転が暴走し、自転スピ-ドも現在の倍ほどの速さになるとの推測があり、もし地球の自転スピードが速くなれば、地球の気候も大きく変貌し常に強風が吹き荒れる世界に。
となれば、生態系にも大きな変化か出て来て、もしかしたら地球は生物が住めない環境になるかも知れません。
このような事からも、月は地球に絶対に欠かせないパートナーということになるのです。