ウユニ塩湖という湖をご存じでしょうか?

ウユニ塩湖は南米・ボリビアにある塩の湖(平原)ですが、天文系のこのサイトで湖を紹介するというのは少し変に思われるかも知れません。でも、この湖は天文好きなら一度は行ってみたいと憧れる場所でもあり、そこで望む満点の星空は、まるで自分が宇宙空間にいるかのような錯覚を起こす程とも言われる絶景で、天体観測に最高の星空が見られる場所だからです。
ここでは、そんな星空絶景のウユニ塩湖の絶景の見方や、行き方、渡航するベストシーズン等について少し調べてみました。

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ウユニ塩湖の基本情報

ウユニ塩湖は、南米・ボリビアのアンデス山脈にある世界最大の塩原です。
この塩湖(塩原)は、ほぼ富士山の山頂(3,776m)に近い標高約3,700メートルの位置にあり、南北約100キロメートル、東西約250キロメートル、面積約12,000平方キロメートルの広大な塩の固まりです。

「Image Credit:ウユニ塩湖の衛星写真(JAXA)」
ウユニ塩湖は、雨水が塩原のところどころに溜まり、空と大地が一体化したように見える12月から3月頃までの雨季と、雨水が干上がった事で塩原が剥き出しとなり、白一色の遠近感のない世界が広がる4月から11月頃までの乾季に別れており、どちらも見事で魅力的な絶景を魅せてくれる事もあり、観光に訪れる人にはそれぞれ好みが別れるところなのですが、満点の星空を堪能するのであれば、やはり雨季にこの地に訪れるのがベストか?とは思うところです。

「Image Credit:乾季のウユニ塩湖(左)と雨季のウユニ塩湖(右)(PAKUTASOより)」
ちなみに、ウユニ塩湖の広さを具体的にいうと、日本の岐阜県や新潟県に匹敵する大きさだということです。

地面が鏡になって写るウユニ塩湖の絶景がスゴい!

ウユニ塩湖の見どころの一つは、雨季に見られる白い塩原に溜まった水面に映る絶景ではないでしょうか。
標高の高いウユニ塩湖に降る雨は不純物が少なく、また塩原は泥も少ない事もあり溜まる雨水は澄んでおり、空の風景を反射し映し出す風景が幻想的で、まるで「天空にいるよう!?」と錯覚を起こすほど美しい事は有名です。

「Image Credit:PAKUTASO」

全天の星空が見れるウユニ塩湖

昼間でも天空にいるような絶景が見られるウユニ塩湖ですが、夜はもっと幻想的で水面に映る星空とシンクロするかのような美しい光景が見る事が出来る事で、なおかつ天体観測にも適していると言われ、天文ファンが憧れる聖地的な場所でもあります。

「Image Credit:PAKUTASO」
ですが何故、ウユニ塩湖ではこのような幻想的で美しい風景が見られるのでしょうか?その理由として挙げられるのが3つほどあります。
  1. 「空気の澄んだ高地にある。」標高約3,700メートルの高地にあるウユニ塩湖。
    そこは空気が澄んでおり近くにウユニの町はありますが、それでも街の灯りは少なく、とても好条件で星空を観測することが出来ます。
  2. 「世界で最も平らな場所」として知られるウユニ塩湖。
    地上の障害物がほとんどなく、地平線の彼方まで続く星空を観測出来るのも魅力のひとつ。
  3. 「比較的赤道に近い場所にある」ウユニ塩湖が天体観測に適している理由として最大のポイント。
    ウユニ塩湖がある場所は南緯約20度ほどで、極端に赤道に近いというワケではありませんが、北半球と南半球両方の星空が望めるという事で注目されて、世界中の天文台が集まるハワイ島にあるマウナケアが北緯19.5度ほどですから、ウユニ塩湖もそれに近い緯度にあるため、ここからも南半球の夜空を中心に全天に近い星空を観測することが出来ると言います。
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ウユニ塩湖で南天の星空に注目!

南半球にあるウユニ塩湖では、北半球の日本に住む私たちが見る空とはまた違った星空を眺めることが出来、その南半球の星空で代表的な星座と言えばの南十字星ではないでしょうか。
また先日、大きな話題となった太陽系に最も近い恒星系「アルファ・ケンタウリ」にある、地球によく似た惑星「プロキシマb」が発見されたのも南半球です。
ちなみに、プロキシマbを肉眼や市販の天体望遠鏡で見ることは出来ませんが、同じ星系にあるケンタウルス座α星とβ星は肉眼でハッキリ見ることが出来ます。

「Image Credit:PAKUTASO」
さらに、大マゼラン銀河も南半球で観測出来る銀河の1つです。

「Image Credit:大マゼラン銀河(右)小マゼラン銀河(左)(Wikipediaより)」

ウユニ塩湖までの行き方とベストシーズンは

冒頭でもお話ししましたが、ウユニ塩湖は日本の反対側にあるためアクセス・移動の面では不便かも知れません。
行き方の例としては、いろいろあるようですが基本的に直行便はないようで、旅行会社のツアーで行く場合は2つのコースがあるようです。

【日本⇒ウユニ塩湖 行き方コース①】
日本(成田)~ロサンジェルス(アメリカ合衆国)~リマ(ペルの首都)~ラパス(ボリビアの首都)

【日本⇒ウユニ塩湖 行き方コース②】
日本(成田)~ダラス(アメリカ合衆国)~マイアミ(アメリカ合衆国)~リマ(ペルの首都)~ラパス(ボリビアの首都)

なお、ラパスからは国内線で約1時間の航空路。また、バスなどを使った陸路なら約12時間でウユニ塩湖のある町・ウユニに到着し、さらに、ウユニから目的地のウユニ塩湖までは車で1時間ほどかかり、いずれにせよ、かなりの時間を要することは間違いないようです。

「Image Credit:アルパイン ツアー㈱

ウユニ塩湖へ行くために知っておきたい注意事項

「ウユニ塩湖に是非行ってみたい!」
でも旅費はいくらかかるのか?現地の治安や物価はどうなのか?
と、いくつか心配な点はあるかと思います。

旅費は、やはり遠い南米とあってお安いとは言えないようで最低でも60~70万円はかかかるとの事。(もしかしたら格安ルートもあるかも知れません。)
また、渡航するボリビアの治安や物価については、全体的に南米の治安はあまり良くないと聞きますが、ボリビアは他の南米の国に比べたら安全だ言いますが、細心の注意を払って渡航するに越したことはありません。
物価も高くはなく日本の3分の1ほどですので、それほど多く現金は持っていかなくても大丈夫かも知れません。

「Image Credit:標高3,600mにあるボリビア首都ラパス(トラベル・スタンダード・ジャパン株式会社)より」
そして、最も注意しておかなくてはならないのが、ウユニ塩湖が標高3,700mの高地であるという事と、首都ラパスも標高3,600mもある高地である事を忘れないようにしましょう。
いくら現地が雨期の夏であっても高地はかなり寒いことが予想され防寒対策は必須で、さらに高地に対応すべく高山病対策も万全にしておかないと、せっかくの絶景を楽しめない事態になってしまうかも知れません。
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