私たちに熱と光の恵みを与えてくれている太陽。それはなくてはならない生命には絶対的な存在です。
そんな太陽が活発な活動を続けていてこそ、私たちは生きて行く事が出来ています。
しかし時には、太陽活動も私たちの生活に悪影響を及ぼす事があるのも現実にあり、その悪影響ともなり得るのが太陽表面で起きる爆発現象「太陽フレア」です。
ただ太陽フレアは比較的頻繁に起きており、基本的には命の危険となるような事にはなっていないのですが、今後において通常の太陽フレアとは比較にならない程の巨大な爆発「スーパーフレア」が起きる可能性があると言います。

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毎日起きている太陽表面爆発・フレア

フレアとは、太陽のような恒星で日常的に起きている爆発現象で、太陽表面付近にある磁気エネルギーが解放される事で莫大な熱や光、放射線が放出されます。


「Copyright ©:NASA Goddard All rights reserved.」
この現象は日常的に起こっており、その威力は小さい規模でも水爆の10万倍以上で、巨大なモノで水爆の1億倍以上にもなると考えられています。
もちろん、巨大な太陽フレアは日常的には起きていませんが、小規模なフレアは1日数回程度は発生していると言います。

太陽フレアで起きる地球への影響

日常的に発生している太陽フレアは、太陽が活発に活動している証拠でもありますし、爆発に伴いX線や電磁波、電気を帯びた大量の粒子(プラズマ)が太陽から吹く風(太陽風)となり放出されますが、地球の強い磁場がそれを防いでくれるため普段の生活の中で私たちが気にする必要はありません。

「Image Credit:ANTARCTIC SCHOOL
しかし、通常より大規模なフレアが発生した場合は要注意!
大きな爆発の場合、放出された電磁波やプラズマ、放射線がより多く地球に到達するため地球の磁場だけではそれを塞ぎ切れません。
X線等の放射線は、地球の大気によって遮られますので人体や地球生物の生態系に影響はないのですが、電磁波や電気を帯びた粒子(プラズマ)の場合、磁気嵐となり人類の文明機器(インフラ)に影響を与える場合があります。

例えば、人工衛星や通信機器の異常等で、プラズマにより地上の送電線に過剰な電流が流れ込み変圧器が破壊された結果、大規模な停電が発生する場合もあります。
ただ、太陽フレアによる地球への影響は悪い事ばかりではなく時に美しい自然現象も生み出してくれます。
それが、緯度の高い極域領域で見られる光のカーテンと呼ばれる「オーロラ」です。

「Image Credit:Wikipedia」
オーロラは、地球の大気上層部に流れ込んだプラズマが大気に接触する事で発生する発光現象であり、つまり太陽フレアが大規模な程多くのプラズマが地球に届くため、オーロラもより大規模で美しく輝きやすい事になるのです。
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太陽でスーパーフレアが発生したら地球はどうなる?

さて、今回の本題はここからになります。

太陽でも稀に大規模なフレアが発生していますが、それでも地球環境に大きな影響が出てしまう程のフレアは発生していません。
しかし、研究者たちは今後、人類観測史上最大規模の太陽フレアの数百倍から数千倍ものエネルギーを発する「スーパーフレア」を起こす可能性がる。警鐘を鳴らしています。

「Image Credit:国立天文台」
これまで、超巨大な太陽フレア~スーパーフレアは誕生して間もない若く活発な活動をする恒星でしか発生しないか、もしくは、太陽の近くに木星のような巨大惑星があった場合、磁場の影響を受けてスーパーフレアが発生しやすと考えられて来ました。
よって、誕生から約46億年経過し、言わば成熟期に入っている私たちの太陽、尚且つ巨大惑星・木星は太陽から遠く離れているため、スーパーフレアという現象は起きないハズなのですが実はそうでもなさそうなのです。

研究者たちが、279個もの太陽と同タイプの恒星を調査したところ、太陽のような成熟期に入っている恒星でもスーパーフレアが全く起こらないわけではないという結論に導かれたとの事。
つまり、太陽のような恒星では頻繁にスーパーフレアは起こらないが、それでも数千年に1回程の割合で発生する可能性があり、しかも統計的に調べた結果、今後100年以内に起こる可能性はゼロではないといいます。

もし、太陽でスーパーフレアが起きた場合、有害な放射線が地上へ降り注ぐ可能性もあり少なからず地球の生態系に影響が出る事も考えられ、また、航空機で飛んでいた場合、搭乗者は致死量の放射線を浴びるかも知れないといい、何より深刻なのは、文明が進んだ現代において通信・電子機器等への甚大な被害は避けられず、人類の生活はマヒし最悪の場合パニックに陥る可能性があるとの見方もあります。
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