宇宙空間。そこは真空で何もない虚空の世界だと思っている人も多いかと思います。
しかし、科学者たちの多くは、宇宙空間には目には見えない何かが存在すると考えており、それをダークマター(暗黒物質)と呼び、その存在を突き止める研究が進んでいます。

ダークマターは本当に存在するのでしょうか?もし存在するならその正体は何なのでしょうか?
現在わかっている情報(仮説)をいくつか集めてみました。

ダークマター(暗黒物質)の仮説

ダークマターは、宇宙全体に存在するであろうと考えられており、質量はあるものの実際には目に見えない何かである。いわゆる謎の物質です。
それがダークマターなのですが、未だこの物質は仮説の段階を抜け切れておらず、ただ多くの科学者たちはダークマターはどこにでも存在し、さらに宇宙全体はダークマターで満たされていると考えています。

「Image Credit:宇宙全体に広がるダークマターのイメージ(Wikipediaより)」
しかもダークマターは宇宙ではとても重要な存在であり、ダークマターにより宇宙の均衡は保たれており、もしダークマターが存在しないと、私たちの太陽系の星々や銀河に存在する無数の天体たちは均衡を保てなくなりバラバラになってしまうと考えられ、ダークマターは宇宙全体の物質の80%をも占めているのではないかとも推測されています。
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宇宙はダークマターによって創られた

宇宙は、今から約138億年前にビッグバンと呼ばれる大爆発によって始まったと考えられており、ビッグバンは宇宙の創成はもとより、この世のすべてのはじまりを意味します。
また、この宇宙の創成は、針の先ほどの小さな点の超高温度・超高密度のエネルギー体が大爆発(BigBang)を起こしたことにより膨張を続け、今の宇宙が創られているとも考えられています。(仮説)

「Image Credit:宇宙誕生(ビッグバン)から現在までの宇宙の模式図(国立天文台より)」
ダークマターは、このビッグバンが起こった直後に発生し生まれたばかりの宇宙を覆っていたと考えられていますが、宇宙が膨張を続ける事に伴いダークマターも場所によってムラが出て来るようになります。
ちなみに、出来たばかりの宇宙に広がるダークマターを下図のような分布図で表すと、時間が経つにつれてダークマターは重力によって集まっていき、網目のような構造が宇宙に創られていったと考えられます。

「Image Credit:ダークマターの分布図(国立天文台より)」
重力によってムラが出来てきたダークマターの集まりに水素などの物質も次第に集まり、そこに星(恒星)や銀河などか形成され今の宇宙が生まれたのではないか?という仮説があります。

「Image Credit:銀河の集まり銀河団(Wikipediaより)」
つまり、宇宙はダークマターが基盤になり創成されたのではないか?というのが、現在のビッグバン理論に基づく考え方が構築されていったと言います。

ダークマターの正体とは?

宇宙そのものの創成するような相互作用を持つ物質であるにも関わらず、ダークマターは実際は目に見えない謎の物質です。
この目に見えない物質を、「弱い相互作用のある質量を持つ粒子(Weakly Interacting Massive Particles(略してWIMP))」と呼び、これがダークマターの正体ではないか?と有力仮設を立て、多くの科学者たちがWIMPの謎解明に立ち向かい正体を探る試みをしています。

しかし、現在(2022年現在)に至っても、残念ながらダークマターの正体と思われるWIMPの痕跡は見つかっていませんが、有力な候補としていくつかの仮説も立てられています。

ニュートリノのダークマター説

ダークマターの正体として有力な候補のひとつがニュートリノという素粒子です。
ニュートリノは、全宇宙でもっとも小さい素粒子として長年その検知しようと試みて来ましたが、1980年代になってようやくニュートリノに質量があるという事が証明され、これがダークマターの正体ではないか?と考えられて来ました。
しかし、ニュートリノには物質に相互作用をもたらすほどの質量はなく、そのためニュートリノが宇宙創成に関わったとは考えにくく、現在ではこのダークマター説は否定されているようです。

グラビティーノのダークマター説

グラビティーノとは仮想粒子で、現時点ではそれが実在することは証明されていません。
現在の考えでは大小に関わらず、すべての粒子にはそれぞれに対応する重い粒子(重力子)が存在すると考えられています。
つまり、重い粒子が重力を伝達するのであれば、それに対称性を持つ素粒子も存在する。これをグラビティーノと呼び、仮説上の存在ではありますが仮にグラビティーノが存在したとすれば、ダークマターの正体であることが有力であると言われています。

まだまだ説明できないダークマターの正体

ダークマターの正体として有力説なのがWIMPの存在なのですが、それだけでは宇宙の構造の説明は出来ないと言います。
要は、ダ-クマターの正体はWIMPではなく他にあるのでは?という考え方です。

WIMPが弱い相互作用のある粒子の一方で、強い弱い相互作用のある粒子という考え方があり、この考え方なら宇宙に点在する銀河の構成も説明できるそうです。

「Image Credit:Wikipedia」
もし、ダークマターが強い相互作用のある粒子であるのならば、その相互作用により強い重力が生じ、まとまった物質の集まりを形成し銀河のような形状を創るのではという仮説もあるそうです。
いずれにせよ、まだ仮説の段階で正体が明らかになっていない暗黒物質ダークマターですが、近年のダークマター研究はかなり進歩しており、近い将来にはこの正体が明らかになるとされています。

今後においてダークマターの謎の解明が出来れば、これからの宇宙論は大きく変わる可能性があり、解明されたダークマターを人類が利用出来ることがあれば、今後の科学技術の革新にもつながるかも知れません。
ちなみに、ダークマターは宇宙空間だけではなく私たちの周りにも常に存在する物質らしいですよ。